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根管治療後の歯を長持ちさせるには?歯を削りすぎない治療の選び方【医師解説】

 公開日:2025/12/11

大切な歯を残す「最後の砦」ともいえる根管治療。近年は、マイクロスコープや歯科用CTなどの導入により、治療の精度が大きく向上し、これまで諦めていた歯でも保存できる可能性が高まっています。そこで、根管治療のリスクと注意点:治療後の歯を長く維持するポイントについて、亀戸とよむら総合歯科の村野先生に解説してもらいました。

村野 浩気

監修歯科医師
村野 浩気(亀戸とよむら総合歯科)

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神奈川歯科大学歯学部卒業。東京医科歯科大学大学院(歯髄生物学分野)博士課程修了。日本歯科保存学会認定医。歯学博士。

編集部編集部

根管治療の重要性は理解できたのですが、一方で歯の神経を取ると以後、その歯は「枯れ木のようにもろくなる」と聞きます。これは本当でしょうか?

村野 浩気先生村野先生

「神経を取ると歯が栄養を失い、枯れ木のようにもろくなる」といった考えは一時期主流でしたが、現在ではその説は見直されています。最新の研究では、神経を取っても歯の成分や強度そのものは大きく変わらないことがわかっています。ただ、やはり神経を取った歯というのは、神経が残っている歯よりも寿命が平均的に短くなる傾向があるのは確かです。

編集部編集部

神経を取ると、なぜ歯の寿命が短くなってしまうのでしょうか?

村野 浩気先生村野先生

寿命が短くなる要因の1つは、根管治療では少なからず歯を削る必要があるため、それによって歯が薄くなり、全体の強度が落ちて割れやすくなることです。また、神経を取ることで、歯の感度が鈍くなるのも寿命が短くなる要因となります。感度が落ちると強く噛んでもそれに気づきにくいため、結果的に歯に負荷がかかって、割れたりヒビが入ったりしやすくなります。

編集部編集部

では、神経を取った歯の予後を良くするポイントを教えてください。

村野 浩気先生村野先生

根管治療は初回治療(神経を取る治療)をいかに精密に行うかが、予後を大きく左右するといっても過言ではありません。その点を念頭に、私たち根管治療の専門家は「いかに歯を削らずに、感染部分だけを的確に取り除くか」を重視しながら治療を行っています。したがって、初回の治療は根管治療を専門とする歯科医のもとで適切な治療を受けることが、歯の寿命を延ばす大きなポイントとなります。さらに、歯周病の状態や被せ物の精度も予後に影響しますので、そのあたりを含め、全体をマネジメントしてもらえる歯科医院で治療を受けることも重要なポイントといえるでしょう。

※この記事はメディカルドックにて<歯を抜かずに守る「根管治療」の重要性と治療成功のカギを歯科医師が解説と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修歯科医師