歯周病治療は何をするのかご存じですか? 初期から重度までどんな治療がある?
歯周病治療には、大きく分けて「歯周基本治療」と「歯周外科治療」の2つが存在します。治療が終わった後も定期的なメインテナンスが必要になるそうです。佐藤歯科クリニックの佐藤先生に詳しく解説してもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【歯周病治療って何をするの? 治療の流れや費用・治療期間を歯科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修歯科医師:
佐藤 正敬(佐藤歯科クリニック)
編集部
はじめに歯周病治療はどのように進められるか、おおまかな流れを教えてください。
佐藤先生
歯周病治療は「歯周基本治療」と「歯周外科治療」の大きく2つがあります。進行の程度に関わらず、どの患者さんもはじめに受けるのは歯周基本治療です。歯周基本治療が終了したら再度検査を行い、一定の改善が認められたら定期的な通院によるメインテナンスに移ります。一方で、歯周基本治療でもあまり改善が認められない場合は、必要に応じて次のステップの歯周外科治療を進めていきます。
編集部
歯周基本治療と歯周外科治療の2つで治療は終わりなのでしょうか?
佐藤先生
歯周病治療ではそのほかに「口腔機能回復治療」といって、噛み合わせや見た目、発音などの回復を図る治療もあわせて行います。どの治療が必要になるかは最初の歯周病の状態によって異なりますが、歯周病の程度に関わらず、一通り治療が終わった後は定期的な通院によるメインテナンスが必要です。
編集部
最初に行う「歯周基本治療」の目的や具体的な内容を教えてください。
佐藤先生
歯周基本治療の目的は歯周病の直接的な原因であるプラークの除去、ならびに炎症の除去です。具体的な治療内容に、「ブラッシング指導」「スケーリング(歯の表面の歯石除去)」「SRP(根面の歯石除去)」「生活習慣の改善・指導」などがあります。これら一連の治療が終わったら再度検査を行い、治療によって歯周病がどの程度改善されたかを評価していきます。
編集部
そこで「あまり改善がみられない」と判断されると、次の歯周外科治療が必要になるわけですね?
佐藤先生
そうです。歯周病も中等度から重度に進行してしまうと、歯周基本治療だけではプラークや炎症の除去が十分に行えないケースが増えていきます。その場合、次のステップとなる歯周外科治療を行っていきます。
編集部
歯周外科治療では、具体的にどのようなことを行うのでしょうか?
佐藤先生
歯周外科治療には「組織付着療法」と「歯周組織再生療法」の大きく2つがあります。組織付着療法は、歯周ポケット内部の歯石や細菌を徹底的に取り除き、歯ぐきが歯根の表面に付着するのを促していきます。「フラップ手術」と呼ばれる術式が代表的です。歯周組織再生療法では歯石や細菌の除去にくわえ、骨などの組織を再生させる材料を使って失われた組織を回復していきます。適応は限られますが、健康に近い状態に歯ぐきや骨を再生していくのが歯周組織再生療法の大きな特徴です。