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「膵臓がん」を発症すると「お腹のどこにどんな痛み」を感じる?医師が徹底解説!

 公開日:2025/11/21
「膵臓がん」を発症すると「お腹にどんな痛み」を感じる?初期症状も医師が徹底解説!
膵臓がんを発症するとお腹にどんな痛みを感じる?Medical DOC監修医が膵臓がんを発症するとお腹のどこに痛みを感じるか・ステージ分類などを解説します。気になる痛みがある場合は迷わず病院を受診してください。

※この記事はMedical DOCにて『「膵臓がん」を発症すると「お腹にどんな痛み」を感じる?初期症状も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

和田 蔵人

監修医師
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

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佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「膵臓がん」とは?

膵臓は、胃の後ろの背中側にある細長い形をした臓器です。膵臓は、食べ物を消化する膵液の分泌や、血糖値を下げるインスリンの分泌をする役割を果たしています。 この膵臓にがんが発生したものが、膵臓がんです。膵臓がんの多くは膵管に発生し、ほとんどが腺がんと報告されています。膵臓がんは小さいうちから周囲のリンパ節や肝臓などに転移しやすく、おなかの中にがんが散らばる腹膜播種も起こしやすいです。初期では症状があまり見られず、膵臓がんが発見されたときには、すでに転移や腹膜播種など病状が進行していることも多いです。

膵臓がんを発症すると、お腹にどんな痛みを感じる?

膵臓がんは、初期では症状が出にくく、わかりづらいです。しかし、症状が進行すると痛みが起こることもあります。膵臓がんではどんな痛みを感じるでしょうか?ここでは、膵臓がんでみられやすい痛みの特徴について解説いたします。

みぞおちの痛み

膵臓がんが発生した場所により、痛みの場所や種類など症状が異なります。胃や胆のうの裏側の膵頭部に膵臓がんが発生した場合、周囲の胃や十二指腸にがんが浸潤すると心窩部(みぞおち)の痛みが出現します。また、消化管が細くなることで、吐き気や嘔吐が出現したり、胆管が詰まることで黄疸の症状がみられることもあります。

背部・腰の痛み

膵臓の真ん中〜左側の体部~尾部に膵臓がんが発生した場合、膵臓がんが大きくなるまで症状が出ないことも少なくありません。しかし、腫瘍が大きくなると、体の背側の後腹膜へ浸潤が起こることがあり、難治性の背部痛や腰痛が発生します。なかなか治らない腰痛や背部痛がある場合には整形外科や内科で相談をしてみましょう。

お腹が張る感じの痛み

膵臓がんが消化管に浸潤したり、腹膜播種を起こすと、消化管の動きが悪くなってお腹が張って痛みが出てくることがあります。腹部の張りが持続したり、痛みが続く場合には消化器内科で相談をしてみましょう。

膵臓がんを発症すると、お腹のどこに痛みを感じる?

ここでは膵臓がんを発生した場合、どこに痛みを感じるかについて詳しく解説をします。

心窩部痛

膵頭部にがんが発生すると、みぞおちの周囲の痛みが起こることがあります。胃や十二指腸などへ直接がんが浸潤することで痛みが起こります。

背部痛や腰痛

膵臓は背側に存在するため、膵臓がんが大きくなり、後腹膜に浸潤することで、背部痛や腰痛が起こります。腰痛や背部痛などは、日常生活でもよく見られる痛みですがなかなか治らない時には詳しく検査をした方が良いでしょう。

お腹全体の張る痛み

膵臓がんは、気がついたときには腹膜播種をきたしていることも少なくありません。腹膜播種をきたした場合、腹痛やおなかの膨満感や張る感じが持続することもあります。お腹の張る感じや痛みが持続する場合、膵臓がん以外にもさまざまな病気の可能性が考えられます。消化器内科で相談をしてみましょう。

膵臓がんを発症し、腹痛を感じる場合のステージ分類

膵臓がんで腹痛を感じる可能性があるステージは、Ⅱ期以降と考えられます。膵臓より外にがんが伸展している時、ステージはⅡ期以降となります。

ステージⅡ期以降

ステージⅡ期以降の場合、膵臓より外へがんが伸展していることを示しています。しかし、Ⅱ期で必ず腹痛が出るとは限りません。がんの発生した部位やどこへ進展しているかにより異なります。膵がんの場合、痛みが出てがんが発見されたときにはすでにⅢ期やⅣ期になっていることもあります。

「膵臓がんの腹痛」についてよくある質問

ここまで膵臓がんの腹痛などを紹介しました。ここでは「膵臓がんの腹痛」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

手遅れとなる膵臓がんの症状について教えてください。

和田 蔵人和田 蔵人 医師

膵臓がんの症状のうち、特定の症状が手遅れというものはありません。しかし、お腹が張ったり、体重が減少する症状は病状が進行している可能性があります。腹膜播種などが起こった結果、おなかの張りや体重減少などが起こっているのであれば、膵臓がんの進行が進んでいる可能性が高いと考えられます。早めに消化器内科を受診しましょう。

膵臓が弱っているサインとなる症状はありますか?

和田 蔵人和田 蔵人 医師

膵臓が弱っている、というのは膵炎などで膵臓の機能が低下していると考えられます。慢性膵炎などで膵臓の消化酵素の分泌が低下すると、脂っぽいものが上手く消化できず下痢をしたり、脂肪便(白から黄色い未消化の脂肪が多く含まれている便)が出ることがあります。また、膵臓からのインスリンの分泌が低下すると、血糖値が高くなりやすくなり糖尿病が発症することもあります。のどが渇いたり、尿量が多くなったり、体重が減ることが糖尿病の症状の1つです。これらの症状がある場合、膵臓の機能が低下している可能性があります。消化器内科で相談してみましょう。

まとめ 膵臓がんの危険因子がある場合は、消化器内科で相談しよう

膵臓がんは初期では症状が分かりにくいがんです。そのため、早期で発見することが難しく、発見された時には、病状が進行していることも少なくありません。膵臓がんの危険因子がいくつか報告されています。膵臓がんの家族歴や、慢性膵炎、IPMNなどが危険因子であるとわかっています。これらの家族歴や病気を持つ方は、定期的に消化器内科で相談し、検査をすることも大切です。また、腹痛や吐き気、おなかの張り、背部痛などの症状が持続する場合には膵臓がんをはじめとする消化器系の病気の可能性があります。早めに消化器内科を受診して相談することが膵臓がんの早期発見につながります。これらの症状に悩んでいる方は、早めに受診しましょう。

「膵臓がん」と関連する病気

「膵臓がん」と関連する病気は7個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

  • 胃がん
  • 胃・十二指腸潰瘍
  • 胆のう炎
  • 胆のうがん
  • 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
  • 胆石
膵臓がんでみられる症状は他の病気でもみられることもあります。また、慢性膵炎やIPMNは膵臓がんの危険因子でもあり気をつけなければなりません。

「膵臓がん」と関連する症状

「膵臓がん」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 黄疸
  • 嘔気、嘔吐
  • 背部痛
  • おなかの張り
  • 体重減少
これらの症状は膵臓がんだけではなく他の病気でもみられることがあり、症状のみでは区別がつきません。これらの症状が、続く場合には病気が隠れている可能性があるため、消化器内科を受診しましょう。

この記事の監修医師

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