「骨転移した乳がんのステージと余命」はご存知ですか?医師が徹底解説!

乳がんは女性において頻度の高いがんの一つであり、早期発見・早期治療が進む一方で、進行するとほかの臓器に転移することがあります。骨は乳がんの最も一般的な転移部位であり、進行乳がん患者さんの約70%に骨転移が認められます 1)。患者さんの生活の質(QOL)に大きな影響を与える可能性があります。この記事では、骨転移した乳がんのステージと余命について、詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「乳がんが骨転移した場合の余命」はどれくらいかご存知ですか?治療法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
石橋 祐貴(医師)
奈良県立医科大学卒業
2013年に東大病院整形外科・脊椎外科教室に入局。
整形外科の腫瘍領域である『骨軟部腫瘍』を専攻し、都立駒込病院、東京大学病院助教・特任臨床医として勤務。
【診療科目】
整形外科全般、がん骨転移、骨軟部腫瘍領域、緩和ケア領域など
【資格等】
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
がん治療認定医
認定骨軟部腫瘍医
目次 -INDEX-
骨転移した乳がんのステージと余命

乳がんの骨転移は、がんの進行度を示すステージ分類において、一般的に遠隔転移があるステージIV(ステージ4)に分類されます。
骨転移がある乳がんのステージ
乳がんは、がんの大きさ(T)、リンパ節転移の有無(N)、遠隔転移の有無(M)の組み合わせでステージが決定されます。骨転移は遠隔転移(M1)に該当するため、骨転移が確認された時点でステージIVと診断されます。4)
乳がんが骨転移した場合の余命
骨転移がある乳がんの余命は、一概に断定することはできません。患者さん一人ひとりの状態によって大きく異なるためです。余命に影響を与える主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。4)
- がんのサブタイプ
ホルモン受容体陽性、HER2陽性、トリプルネガティブなど、乳がんの性質によって治療への反応性が異なり、予後にも影響します。 - これまでの治療歴と効果
過去にどのような治療を受け、その効果がどうだったかによって、今後の治療選択肢や予後が変わります。 - 全身状態(パフォーマンスステータス)
患者さんの体力、活動能力、合併症の有無なども、治療の選択肢や予後に影響します。 - 治療への反応性
治療が奏功し、がんの進行が抑えられている期間が長いほど、予後は良好となる傾向があります。
近年、乳がんの治療は目覚ましく進歩しており、骨転移があっても長期にわたり病状をコントロールし、良好なQOLを維持できる患者さんが増えています。
乳がんについてよくある質問
ここまで乳がんを紹介しました。ここでは「乳がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
骨転移した乳がんが完治することはありますか?
現在の医療では、骨転移した乳がん(ステージIV)の完治は難しいとされています。しかし、これは治療法がないという意味ではありません。治療の目的は、がんの進行を抑制し、病状を長期にわたってコントロールすること、そして患者さんのQOLを維持・向上させることです。
乳がん骨転移の初期症状を教えてください。
乳がん骨転移の最も一般的な初期症状は痛みです。特に、安静時や夜間に痛みが強くなる、特定の動作で痛みが生じる、といった特徴があります。また、骨折しやすい、手足のしびれ、麻痺、倦怠感、吐き気などの症状も現れることがあります。
まとめ

乳がんの骨転移は、患者さんの生活に大きな影響を与える可能性がありますが、治療法の進歩により、がんと共存しながら良好なQOLを維持できる期間が延びています。主治医や医療チームと密に連携し、ご自身にとって適切な治療とケアを選択していくことが、充実した日々を送るための鍵となります。
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関連する症状
- 持続する骨の痛み
- 原因不明の骨折
- 手足のしびれや麻痺