「肺がんステージ3」で行う”3つの治療法”は?副作用なども医師が解説!

肺がんステージ3の治療法は?メディカルドック監修医が、手術・放射線・薬物療法の組み合わせを詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「肺がんステージ3の余命」はご存知ですか?ステージ3の症状も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
福田 滉仁(医師)
目次 -INDEX-
ステージ3肺がんの治療法

ステージ3の肺がんでは、手術療法もしくは放射線療法に、薬物療法を組み合わせた治療が行われるのが一般的です。治療方針は肺がんの組織型(非小細胞か小細胞か)や腫瘍の広がり方、患者さんの体力などによって決定されます。
手術療法
非小細胞肺がんでは、ステージ3Aの一部など腫瘍が局所に限られ、切除可能な場合は手術が検討されます。ステージ1や2に比べ手術の適応は限られますが、リンパ節転移が限局的であれば肺葉切除などの手術によって根治を目指すこともあります。実際にはステージ3期の一部までが手術でがんを取り切れる範囲とされ、対象となる場合は術前後に薬物療法を併用して再発予防を図ります。
薬物療法
小細胞肺がんの治療の中心は薬物療法です。小細胞肺がんのステージ3は限局型と進展型に分けられます。、限局型では可能な限り薬物療法を放射線治療と併用(化学放射線療法)します。この同時化学放射線療法によって、一部の患者さんで長期生存が得られる可能性があります。一方進展型では腫瘍の範囲が広いため放射線治療を行うことができず、薬物療法のみを行います。シスプラチンまたはカルボプラチンにエトポシドを組み合わせたプラチナ併用レジメンに、免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体)を併用する治療が標準的です。
放射線療法
限局型小細胞肺がんでは、薬物療法に加えて放射線治療を行います。この化学放射線療法により根治を目指しますが、食道炎や骨髄抑制など治療中の副作用は強まる傾向があり、注意深い管理が必要です。副作用の管理を慎重に行いながら、照射をスケジュール通り進めることが目標です。さらに、小細胞肺がんでは脳への転移が起こりやすいため、初回治療で腫瘍が完全寛解した後、予防的全脳照射を行います。
ステージ3の肺がんについてよくある質問
ここまでステージ3の肺がんについて紹介しました。ここでは「ステージ3の肺がん」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
ステージ3の肺がんが完治することはありますか?
ステージ3まで進行した肺がんは治療後に再発するリスクが高く、完治が得られる可能性はステージ1や2と比較すると低くなります。しかし、非小細胞肺がんのステージ3Aで腫瘍が手術で完全に切除できた場合や、化学放射線治療を行った場合、長期にわたり再発せず過ごせる場合があります。一方、小細胞肺がんのステージ3、特に進展型では完治がとても難しく、多くの患者さんは残念ながら再発を経験します。それでも治療によって長期生存や寛解状態が得られる場合もあり、近年は新薬の登場で治療成績も向上しています。
ステージ3の肺がんと診断された場合の日常生活における注意点を教えてください。
ステージ3の治療中および治療後の生活では、規則正しい生活習慣を心がけることがまず重要です。具体的には禁煙を厳守し、飲酒は控えめに、栄養バランスのよい食事をとり、無理のない範囲で適度な運動を続けるよう意識しましょう。喫煙は予後の悪化やほかのがん発症リスクにも直結するため、たとえ治療前から喫煙習慣があった方も必ず禁煙を続けることが大切です。
感染症予防も重要なポイントです。肺機能が低下していたり、抗がん剤治療で免疫力が落ちていたりする場合、風邪や肺炎にかかると重症化しやすいので、手洗いやマスク着用、人混みを避けるなど基本的な感染対策を心がけます。以上のような生活習慣の改善と定期フォローを継続することで、治療の効果を最大限に引き出しつつ日常生活の質(QOL)を維持することが期待できます。
まとめ

肺がんステージ3は、がんが肺から周囲組織およびリンパ節へ広がった進行期であり、治療の難易度が上がる段階です。患者さんは主治医と十分に相談し、自身の肺がんのタイプや状態に合わせた適切な治療計画を立てることが重要です。そして、治療後も規則正しい生活習慣と定期フォローを続けることで、少しでも再発リスクを減らし、日々の生活の質を保つよう心がけましょう。肺がんステージ3は厳しい病期ですが、適切な治療と自己管理によって前向きに病気と向き合うことが可能です。
関連する病気
肺がんと似た症状を示す、または同時に発生する可能性のある病気には以下のようなものがあります。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 肺炎
- 結核
- 間質性肺疾患
- サルコイドーシス
関連する症状
肺がんに関連する症状は以下のような症状が挙げられます。これらの変化を正しく把握することが鑑別に役立ちます。
- 持続する咳
- 血痰
- 息切れ・呼吸困難
- 胸痛
- 体重減少
- 全身の倦怠感