「花咲乳がんの前兆となる3つの初期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!
花咲乳がんとは?Medical DOC監修医が花咲乳がんの症状・原因・生存率・治療法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「花咲乳がんの前兆となる3つの初期症状」はご存知ですか?原因も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
山田 美紀(医師)
目次 -INDEX-
「花咲乳がん」とは?
乳がんが進行し、皮膚の表面に顔を出し、潰瘍を形成した状態を「花咲乳がん」と表現します。「花咲乳がん」は局所進行乳がんの一つであり、正式な病名ではありません。
花咲乳がんの代表的な症状
代表的な症状として、出血、痛み、悪臭があります。
出血
潰瘍部分からじわじわと出血します。まず圧迫止血を行いましょう。ガーゼを直接あてると、はがすときに再度出血してしまうため、軟膏を厚く塗る、または非固着性ガーゼで被覆します。出血が多い場合は貧血になる可能性があるため、早めに乳腺科を受診しましょう。止血作用のあるアルギン酸塩ドレッシング材を出血部にあて、処置を行います。
痛み
潰瘍を形成すると、痛みを伴います。痛みの状態に応じて、鎮痛剤を使用します。痛みのコントロールが難しい場合は、主治医と相談して薬の量や種類の調整をしましょう。NSAIDs(ロキソニンなど)、アセトアミノフェンや医療用麻薬などを使用します。
悪臭
花咲乳がんは独特な臭いがあります。腫瘍の壊死によって発生する物質と嫌気性菌による感染が悪臭の原因と言われています。創部を洗浄し清潔を保つことが大切です。早めに乳腺科を受診しましょう。メトロニダゾール外用薬(ロゼックスゲル)が潰瘍部の殺菌、消臭に効果があります。
花咲乳がんの前兆となる初期症状
花咲乳がんは花が咲く前に乳房のしこり、赤みや変形などの症状があります。気が付いたら、放置せずに早めに受診をすることが重要です。
乳房のしこり
乳がんが皮膚に顔を出す前に、まず乳房のしこりを自覚する可能性があります。しこりを長期間放置することで、潰瘍を形成する場合があります。乳房のしこりに気が付いたら早めに乳腺科を受診しましょう。
皮膚の赤み
乳がんが皮膚の近くにあり、進行すると、おできのように皮膚の赤みが出現します。放置すると、潰瘍を形成してしまうため、早めに乳腺科を受診しましょう。
乳房の変形
乳がんが皮膚の近くにできるとえくぼのように陥凹することがあります。放置すると皮膚の表面に浸潤し、潰瘍を形成してしまうため、早めに乳腺科を受診しましょう。
「花咲乳がん」についてよくある質問
ここまで花咲乳がんの症状・原因・生存率・治療法などを紹介しました。ここでは「花咲乳がん」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
花咲乳がんの末期症状について教えてください。
山田 美紀 医師
花咲乳がんの場合、すでに遠隔転移があるケースも多いです。骨に転移がある場合は、転移部位の痛み、肺に転移がある場合は息苦しさや長引く咳、肝臓に転移が進行した場合はお腹の張り、脳に転移した場合は頭痛や麻痺、けいれんがある場合があります。
花咲乳がんは完治しますか?
山田 美紀 医師
花咲乳がんであっても遠隔転移がなく、抗がん剤が良く効き、手術を行えた場合に完治することがあります。あきらめずに治療を行うことが大切です。
花咲乳がんを発症するとどんな臭いがしますか?
山田 美紀 医師
花咲乳がんは腫瘍の壊死組織と嫌気性菌の感染による、強く、独特な腐敗臭がします。創部の洗浄、メトロニダゾール外用薬の使用、空気清浄機などで匂いのケアをすることで軽減されます。
花咲乳がんを放置するとどうなりますか?
山田 美紀 医師
花咲乳がんを放置すると、潰瘍部分の範囲が拡大し、カリフラワー状にもりあがり、陥凹が出現する場合があります。そのような状態になると、さらに出血や感染が悪化しQOLが著しく低下します。
編集部まとめ
花咲乳がんはステージ3以上の局所進行乳がんです。乳房のしこりや赤みを放置すると、潰瘍からの出血、浸出液、悪臭、そして痛みが生じ、QOLを著しく損ないます。このような状態は精神的にもつらく、受診が遅れてしまう場合があります。何よりも大切なのは早期に発見し、早期に治療を開始することです。一人で抱え込まずに、早めに受診をすることが重要です。
「花咲乳がん」と関連する病気
「花咲乳がん」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
皮膚科の病気
- 皮膚腫瘍(炎症性粉瘤など)
乳腺科の病気
- 肉芽腫性乳腺炎
乳房の皮膚にできた炎症性粉瘤や肉芽腫性乳腺炎はしこりと発赤の症状があり、花咲乳がんの初期症状と似ています。異変に気が付いた場合は早めに皮膚科や乳腺科を受診しましょう。
「花咲乳がん」と関連する症状
「花咲乳がん」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 出血
- 痛み
- 悪臭
花咲乳がんは潰瘍部からの出血、痛み、悪臭があり、QOLが著しく低下します。治療をすればこれらのつらい症状を和らげることができます。一人で悩まずに、早めの受診をおすすめします。