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「認知症のリハビリ」はどのようなことをするのか【理学療法士監修】

 公開日:2025/12/15

超高齢化社会の日本では、認知症の患者さんも増加傾向にあります。根本治療がほとんど確立されていない現在では、認知症の進行を遅らせるリハビリが重要だと言われています。いったい、具体的にどのようなリハビリをおこなっているのか、認知症患者のリハビリに数多く携わってきた理学療法士の岡田さんを取材しました。

岡田 彰一

監修理学療法士
岡田 彰一(理学療法士)

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関西理学療法専門学校卒業。専門学校卒業後、京都の総合病院へ就職。地域密着型の病院へ転職し、理学療法士を10年経験した後に言語聴覚士を取得。理学療法士、言語聴覚士のダブルの知識、技術の下に脳血管障害、運動器疾患、年間500名以上の誤嚥性肺炎や摂食嚥下障害の患者に関わり、多岐にわたる疾患と背景をもつ患者のリハビリ、支援などサポートを行う。

編集部編集部

認知症のリハビリはどんなことをするのですか?

岡田 彰一さん岡田さん

よくおこなわれるのは、「回想法」と「認知刺激療法」ですね。「回想法」は最も幅広く用いられているもので、過去の自分自身に焦点をあてた「回想」の取り組みを通じて、楽しかった、辛かった、大変だった、興味深かった、など様々な感情をも思い出しつつ、心的な活動を活性化させるという治療です。「認知刺激療法」はトランプや簡単な計算を使って活動を楽しめるようにすることで、脳全体の働きを活性化させる治療です。

編集部編集部

ほかにもありましたら教えてください。

岡田 彰一さん岡田さん

音楽療法」という、昔から馴染みのある歌謡曲や童謡など楽器を使用しながら楽しむことを目的とした治療もおこなわれます。個人やグループで一緒に楽しみ、リズムに合わせて楽器を使い、歌を歌うだけでなく体全体を使いながら音楽を楽しめるといった治療ですね。

編集部編集部

より効果を発揮するために出来ることがあれば教えてください。

岡田 彰一さん岡田さん

家族と一緒に写真をみて、昔のことを振り返りながら話をすることや体を動かすことが、より効果的な方法と言われています。認知症の症状の中には最近のことは覚えにくいが、昔のことは記憶から抜けにくいといった特徴があるため、昔のことを思い出すことで脳の活動を活性化させることができます。ほかには体を動かすことによって脳全体的に刺激が与えられるようになるため、散歩などもおこなうと良いでしょう。

編集部編集部

日常生活で取り組めるリハビリはありますか?

岡田 彰一さん岡田さん

一人ではおこなわず、家族と一緒に料理やほかの家事を手伝うことが良いとされています。特に料理は調理の過程を考え、順を追いながら効率的に物事を進めることが必要とされる作業です。昔から料理経験のある方では「手続き記憶」という、体で覚えた動作や技能の記憶は忘れにくいとされています。そのような手続き記憶にも刺激を与えると共に、手を使うことで脳への刺激が加わるとされており、料理は非常に良い作業と言えます。

※この記事はメディカルドックにて【認知症のリハビリはどんな内容をおこなっているのか 理学療法士が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修理学療法士