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インフルエンザの予防接種は受けた方がいい? タミフルでの予防で充分? 接種の是非を問う

 公開日:2024/12/26

インフルエンザの予防接種は、感染予防だけでなく、重症化の防止に非常に有効です。接種後に感染する場合も、症状が軽く済むことが多く、インフルエンザ脳症や肺炎などのリスクを軽減できます。一方、抗ウイルス薬(タミフルなど)は濃厚接触時に一時的な予防効果を発揮しますが、持続性に欠けます。インフルエンザワクチンは打った方がいいのかどうかを「薬剤師」の上野さんに解説していただきました。

上野 園子

監修薬剤師
上野 園子(薬剤師)

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大学薬学部を卒業後、大手製薬会社のMR(医薬情報担当者)として、クリニックや中小病院の医師へ、正確な薬の情報提供を行う業務に従事。その後、調剤薬局や漢方専門薬局の薬剤師として、患者さんの幅広い相談に従事。大手臨床開発受託機関の新薬の開発担当として、治験の実施やモニタリングにも精力的に取り組む。現在は医療/美容専門のライターとして、正確でわかりやすい情報を発信している。

編集部編集部

日頃から感染対策をしていますが、インフルエンザの予防接種は受けた方がいいのでしょうか?

上野 園子さん上野さん

マスク、手洗いなど一般的な予防も大切ですが、それだけでは不十分です。予防接種をした人としていない人では、予防接種をした人の方が明らかに感染率は低いと報告されていますので、予防接種は非常に有効な予防法です。

編集部編集部

予防接種をしても、インフルエンザにかかる人もいるようですが?

上野 園子さん上野さん

確かに予防接種をしても、インフルエンザにかかる人はいらっしゃいます。しかし、症状が軽くすむことが多く、インフルエンザ脳症や肺炎などへの重症化を防ぐことが期待できます。

編集部編集部

インフルエンザの予防接種で、集団感染は防げるのでしょうか?

上野 園子さん上野さん

インフルエンザワクチンは「重症化」を防ぐということが、WHO(世界保健機関)をはじめ、世界各国で広く認められています。ただ「流行拡大を阻止」するかについては、さまざま議論があり結論がでていません。現行のインフルエンザワクチンは、「感染(ウイルスの細胞への侵入と増殖)」を完全に抑える働きはなく、「発病(発熱やのどの痛み等の症状の発現)」を抑える効果が一定認められています。たくさんの人がワクチンを接種しないと流行の拡大を阻止することは難しいかもしれませんが、重症化しなければほかの人への感染も少なくなり、感染する集団の規模を小さくできるのではないかとも言われています。

編集部編集部

抗ウイルス薬(タミフルなど)を予防投与すれば、ワクチンの代わりになるでしょうか?

上野 園子さん上野さん

家族や同居人がインフルエンザに感染して、濃厚接触した場合に予防内服薬(タミフルなど)が使われることはあります。ただ、接触から36時間以内に内服する必要がありますし、薬の投与中しか予防効果がないと言われています。ですので、1シーズン予防効果を発揮するには、ワクチンの接種が必要となります。

※この記事はMedical DOCにて【インフルエンザの予防接種は受けた方がいい? インフルエンザワクチンの効果を薬剤師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修薬剤師