「うつ病」の人にはどう接したらいい? 病院受診の勧め方はある?【専門家解説】
うつ病の人には、安易に「頑張れ」などと声をかけてはいけません。本人が「死にたい」などの意思表示をしたならば、病院の受診を勧めるようにすべきだと公認心理師の甘中さんは言います。ほかにも、うつ病の人への接し方について、詳しく話を聞きました。
監修公認心理師:
甘中 亜耶(公認心理師)
編集部
うつ病かもしれない人への接し方を教えてください。
甘中さん
うつ病は、単なる気分の落ち込みとは違い、努力だけではどうにもならない病気です。本人のつらさや焦りなどを理解しながら、あたたかく見守っていくことが大切です。具体的には、十分に休養するように勧め、可能であれば現実的に休める環境づくりを手助けします。本人がつらい思いを話した時には、否定せず共感的な姿勢で話を聞いてあげましょう。「頑張れ」などの安易な励ましや説教は厳禁です。ただし、「死にたい」など希死念慮が見られる時には早急に受診を促す必要があります。
編集部
どうやって受診を勧めたらいいでしょうか?
甘中さん
うつ病は本人が「うつ病ではない」「まだ大丈夫」と受診を拒否することが多く見られます。そんな時には、不眠や食欲不振などの身体症状の治療を目的に受診を促すと少しハードルが下がるのではないでしょうか。また、病院以外の相談機関に頼ることも1つの方法です。
編集部
病院以外ではどんなところで相談できますか?
甘中さん
社会人であれば職場の産業医やEAPサービス、学生であれば養護教諭やスクールカウンセラーが挙げられます。また、各自治体にはメンタルヘルスに関する相談窓口が設置されています。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
甘中さん
うつ病は、生涯を通して15人に1人がかかると言われており、決して珍しい病気ではありません。あなたが気になった相手の言動がうつ病のサインかもしれません。いざという時に適切に対応できるよう、普段から正しい知識を身に付けておけるとよいでしょう。
※この記事はMedical DOCにて【うつ病の人は顔つきが変わる? うつ病の人の特徴や気づくサインを公認心理師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。