「糖尿病のフットケア」を受けるメリットを看護師が解説 一生フットケアをしなくてはいけないの?
「糖尿病治療に終わりはない」と聞いたことがありますが、糖尿病になった人が受ける「フットケア」も、一生続けなくてはいけないのでしょうか。また、具体的にどのようなメリットがあるのか気になります。看護師の嶋谷さんに詳しく伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【糖尿病性足病変を予防する「フットケア」一体何をするの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修看護師:
嶋谷 裕美(看護師)
編集部
フットケアはどこでおこなうのですか?
嶋谷さん
糖尿病専門医が在籍していて、所定の研修を受けた看護師が常勤で勤務している病院の外来でおこないます。フットケアの対象患者さんは、「糖尿病の病名がついていること」が条件です。通院する病院は総合病院でもクリニックでも形態は問われません。しかし、病棟で入院中にはフットケア外来への通院はなく、病棟看護師が観察をおこないます。
編集部
患者にとってどんなメリットがありますか?
嶋谷さん
フットケア外来で観察したこと、処置の内容などはすべて主治医にも情報共有されます。患者さんは、医療従事者に観察してもらうことで、異常の早期発見、早期治療につなげられ、足の切断が予防できるのです。また、家でのケアの方法が分かります。
編集部
フットケアは一生通わないといけないのですか?
嶋谷さん
フットケアには一生通わなければいけない、ということはありません。自分で十分に足のケアや観察ができれば終了となることもあります。しかし、医師に進められた場合は、継続して通った方がよいでしょう。実際には、患者さん本人が希望して継続通院していることが多いのです。
編集部
最後に読者へメッセージをお願いします。
嶋谷さん
フットケアはもちろん大切ですが、それだけでなく日頃から糖尿病のコントロールをよくする生活を送ることが大切です。糖尿病の合併症は、体の細胞が高血糖にさらされ続けることで起きます。高血糖が長期間続くほど合併症は起こりやすいのです。足病変の予防は、フットケアと糖尿病の良好なコントロールで予防できます。