血液をサラサラにする薬「ワーファリン」をご存知ですか? どのような時に服用する薬なのか
世の中には数多くの薬があり、「ワーファリン」もその一つです。“血液をサラサラにする薬”ということですが、いったいどのようなときに、どのような人が服用する薬なのでしょうか。病院薬剤師として勤めている尾田さんに解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【ワーファリン(抗凝固薬)服用時に禁忌の食べ物3選! 食べると命にかかわる可能性もある?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修薬剤師:
尾田 健志(薬剤師)
編集部
「ワーファリン」とは、どのような薬なのでしょうか?
尾田さん
ワーファリンは一言で言うと「血液をサラサラにする薬」です。主に不整脈の一種である心房細動の方や、人工弁の手術歴がある方が服用する薬ですね。これらの方は血栓ができやすくなっているので、ワーファリンを服用することで、血栓を予防しています。
編集部
心筋梗塞や脳梗塞の方もワーファリンを服用すると聞いたのですが、いかがでしょうか?
尾田さん
半分本当ですね。実際のところ、まったく服用しないわけではありませんが、心筋梗塞では、心房細動を一緒に発症している場合や心臓における左側部分に血栓を認める場合などに限って推奨する程度で、積極的な推奨はされていません。また、脳梗塞は心房細動が原因で起こる場合、積極的に服用することがあります。その違いとして、血液を全身に送る血管である動脈側で血栓ができる場合、ワーファリンはあまり効果を発揮しません。他方、血液が全身から心臓へ戻る血管である静脈側で血栓ができる場合、ワーファリンの効果が期待できます。
編集部
ワーファリン以外の抗凝固薬は何がありますか?
尾田さん
ほかにも「アスピリン」や「クロピドグレル」「エドキサバン」「リバーロキサバン」「アピキサバン」という薬など、多くの種類があります。ただし、先ほど解説した部分と少し重複するのですが、アスピリンやクロピドグレルの場合、動脈側で主に起こる血栓に対する薬であり、使用する疾患が異なります。他方、エドキサバン、リバーロキサバン、アピキサバンという薬は、静脈側で起こる血栓に作用するため、ワーファリンの代わりに使用されることがあります。