「高齢者の入浴介助」安全におこなうための3つのポイントを介護福祉士が解説
介護では、一人での入浴が困難になった際「入浴介助」が必要になります。しかし、高齢者の入浴は転倒事故など、危険がたくさんあります。いったい何に気をつければ安全に入浴介助できるのでしょうか。介護福祉士の赤星さんに伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【高齢者をお風呂に入れる時の介助手順はどうすればいいの? 正しい方法を教えて!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修介護福祉士:
赤星 薫(介護福祉士)
編集部
湯船に浸かる際の安全な介助手順を教えてください。
赤星さん
湯船につかる際は、転倒のリスクが高く介助でも重要なポイントです。次のような手順で行うことで、より安全に入浴が可能です。
①体や足元をしっかりお湯で流しましょう。足元に石鹸の泡などがついていた場合、片足を上げて入る時に転倒する恐れがあります。
②手すりを両手でしっかりと持って、壁に向かって立つようにしてください。この時、介助者は背後から支えるようにします。
③浴槽に近い足から、片足ずつ入ります。足が上がりにくい場合は、介助者が背後に立って腰を支えたまま、膝裏かふくらはぎを持って、足を入れるサポートをします。
編集部
もし手足に麻痺がある場合は、どうすればいいでしょうか?
赤星さん
手足に麻痺があったり、足が上がりにくかったりする場合は、浴槽の縁の高さと洗い場の椅子の座面を合わせた状態にして座り、手すりを使って湯船に入ります。また、麻痺がある足を介助者が湯船へ入れてあげるようにすると、さらに安全です。
編集部
浴槽の縁の高さと椅子の高さが合わない場合もありますよね?
赤星さん
福祉用具では、座面の高さ調整ができるシャワーチェアーというものがありますので、そちらを活用するのがおすすめです。福祉用具には便利なものが数多くあり、それらを正しく使うことで介護が安全かつ、楽に行うことができるようになります。どれを選んでいいかわからないという方は、レンタルの福祉用具を利用したり、購入時に介護福祉士に相談したりするのがいいでしょう。