高齢者の入浴介助は「衣服の着脱」にも注意を! 爪が剥がれてしまう事故が起こることも…
高齢者の「入浴介助」をおこなうにあたり、何に注意すればいいのかご存知でしょうか。介護福祉士の赤星さんは「入浴中だけでなく、入浴前後にも気を付けるべきことがある」といいます。詳しく話しを伺いました。
※この記事はMedical DOCにて【高齢者をお風呂に入れる時の介助手順はどうすればいいの? 正しい方法を教えて!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修介護福祉士:
赤星 薫(介護福祉士)
編集部
衣服の着脱について、注意すべきポイントはありますか?
赤星さん
体の状態に合わせて、上着の脱ぎ方に工夫が必要です。上半身に痛みのない場合は、左右の腕どちらから脱いでも構いませんが、脳梗塞の後遺症などで麻痺があるようであれば、動く腕、もしくは麻痺による痛みが少ない方の腕から脱ぐようにしてください。そうすることで、麻痺がある腕を無理に動かすことなく、楽に脱げます。着る場合は、手順が逆になり、麻痺している方から先に腕を通します。
編集部
衣服の着脱で、ほかに注意すべきポイントはありますか?
赤星さん
衣服に爪が引っかかってしまい、爪が剥がれてしまう事故がよく起きているため、腕を通す際は、衣服に爪が引っかからないように注意が必要です。次のような手順で行ってみてください。まず、介護者が袖口から手を入れて、高齢者の手を守るように掴みます。次に手を守ったまま袖を通します。それを両腕ともに行い、最後に頭を通します。
編集部
そのほかにも気を付ける点はありますか?
赤星さん
ケガや打ち身がないかなど、体の状態を日常的に確認するといいでしょう。高齢になるにつれ、「皮膚が弱い、固い、乾燥しやすい」などの変化があります。何かに軽くぶつけただけで、内出血したり、表皮剥離などを起こしやすくなったりします。クリームやオイルを塗り、皮膚を柔らかく、健やかに保つことが大切です。お風呂上がりの保湿やケガなどの確認は普段から行うようにするのがおすすめです。