「トローチ」が咳に効く理由をご存知ですか? トローチの成分を薬剤師に聞く
公開日:2024/02/27
喉が痛いとき、「トローチ」を服用する方も多いでしょう。口の中で溶かす飴のようなイメージのあるトローチですが、なぜ咳や喉の痛みに効果的なのでしょうか。薬剤師の本多さんに伺いました。
監修薬剤師:
本多 修平(薬剤師)
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九州保健福祉大学薬学部を卒業後、総合病院で経験を積み、現在は精神科の門前薬局に勤務。薬についての正しい情報を発信するため、地域住民の啓蒙活動に力を入れている。2022年1月〜ライターとしても活動中。
編集部
トローチが効く仕組みを教えてください。
本多さん
トローチに含まれる有効成分が唾液に溶け出し、その唾液が患部に触れることで直接作用します。体内に吸収されて効果を示す内服薬と異なり、トローチの成分はほとんど吸収されません。触れている部分にのみ作用します。
編集部
有効成分にはどんなものがありますか?
本多さん
殺菌剤の「塩化セチルピリジニウム」や消炎成分の「アズレンスルホン酸ナトリウム」が代表的です。のどの炎症の多くは病原微生物が原因となっています。殺菌剤はそれらの病原体を殺菌することで、症状の悪化を防いだり、緩和を早めたりします。消炎成分はその名の通り、炎症を鎮めて修復を手助けする成分です。殺菌剤と消炎成分は、その作用から口内炎にも使われます。
編集部
穴が空いているのはどうしてですか?
本多さん
万が一のどに詰まらせてしまっても、窒息しないようにするためです。真ん中に空いた穴が空気の通り道の役割を果たします。窒息事故を防ぐ、とっても大事な存在なのです。