【薬剤師解説】高齢者が薬を服用する際に気を付けるべきポイントは?
高齢者が薬を飲む時の注意点は、服用時間を守ることや飲み間違い・飲み忘れを防止することです。具体的にどのようなポイントがあるのか、薬剤師の上野さんにお聞きしました。
監修薬剤師:
上野 園子(薬剤師)
編集部
服用時間というのは守らないといけませんか?
上野さん
内服薬は「食前」「食後」「食間」など指示どおりの時間で飲むことが必要です。それぞれの薬の効果を発揮しやすい時間が設定されているので、正しく飲まないと効果が得にくくなります。
編集部
飲み忘れたり、飲み間違えたりはありそうですね。何か工夫はあるでしょうか?
上野さん
処方された薬を、薬管理用のケースや服用カレンダーでわけて管理するといいですね。最近は100円ショップなどでも、便利なお薬ケースが出ていますよ。粉薬の包みや錠剤のPTPシートに、日付を書いておく、ご家族に声をかけていただくなどの工夫もあるでしょう。なかなか難しい場合は、調剤薬局で一包化(飲むタイミングで薬をまとめる)をしてもらうのも一つの手です。
編集部
むせてしまって、薬が飲みにくい場合なども対処はありますか?
上野さん
高齢者は嚥下機能(飲み込む力)が低下していますので、誤嚥に気をつけていただきたいです。お薬が飲みにくい場合は、ゼリー状のオブラートが、薬局で購入できます。どうしても飲めない場合、カプセル→錠剤や粉薬→錠剤への変更ができる場合もあります。困ったら、医師や薬剤師にまず相談してみてほしいです。
編集部まとめ
高齢者では、薬の効き目や副作用が強くでやすいため、注意のいる薬が多いことがわかりました。まずは、患者さんやご家族で、飲んでいる薬を把握して、服用中の体調変化を記録いただくこと。自己判断で減量や、中止をするとかえってトラブルになるケースもあることがわかりました。何か気になった際は、医師、薬剤師に相談するようにしましょう。