【管理栄養士解説】卵は一日何個まで食べてよい? 食べ過ぎを気を付けた方がいい人は?
「卵を食べ過ぎるとコレステロール値が上がってしまう」というイメージから、食べるのを控えている方もいらっしゃると思います。一方で、卵は一日何個まで食べていいかご存知ですか? 管理栄養士の長井さんに解説してもらいました。
監修管理栄養士:
長井 彩子(管理栄養士)
卵の摂取で気をつけるべきポイント
編集部
1日何個までなら食べても問題ないのでしょうか?
長井さん
一概に何個までなら大丈夫とは言えません。健康な成人の場合は、卵1個あたりのコレステロール量185gなら問題はありません。しかし、フレイル対策として、高齢者はたんぱく質の摂取量が重要になってきます。コレステロールが高いからと言って、卵の摂取を制限してしまうとたんぱく質不足になってしまう可能性があります。したがって、バランスのよい食生活に配慮することが重要となります。
編集部
コレステロール以外にも気を付けることはありますか?
長井さん
卵はコレステロール以外にも飽和脂肪酸を多く含みます。飽和脂肪酸を摂りすぎると、肥満や脂質異常症、動脈硬化による高血圧や循環器疾患を誘発する原因になるため注意が必要です。
編集部
卵の摂取量で、特に気を付けた方がいいのはどんな人でしょうか?
長井さん
脂質異常症の人は、血液中で脂質の濃度に異常が起きている状態なので、飽和脂肪酸やコレステロールの摂取を控えなければいけません。したがって、卵の摂取量には特に気を付けるべきといえるでしょう。
編集部
最後に、読者へメッセージがあればお願いします。
長井さん
卵はコレステロールや飽和脂肪酸を多く含みますが、良質のたんぱく質やビタミン類を多く含んでおり、非常に優れた完全栄養食品でもあります。1日の摂取量については、病気の有無や年齢などによって個人差があるので、管理栄養士など適切な知識を持つ人に相談しながら、「自分にとって適切な量」を見つけて欲しいと思います。
編集部まとめ
コレステロールの摂取量の基準値は現在定められておらず、卵は1日に何個までなら食べて大丈夫という上限はないということでした。また、体内でもコレステロールは生産され、コレステロールの量は体内で常に一定に保たれるように調節されているということも分かりました。さらに、卵はコレステロールだけではなく、良質のたんぱく質やビタミン類を多く含む優秀な食材なので、ほかの食材とのバランスを意識しながら卵料理を楽しんでみてください。p>