【冬場に潜む危険】高齢者は「ヒートショック」を起こしやすい? よく発症する部屋の場所は?
冬になると注意すべき症状のひとつが「ヒートショック」。血圧の急激な変化によってめまいや意識を失う、ひどい場合には転倒による内出血や骨折を招く可能性があります。では、ヒートショックに気を付けるべき世代や注意が必要な状況はいつでしょうか? 介護福祉士の赤星さんに聞いてみました。
監修介護福祉士:
赤星 薫(介護福祉士)
編集部
ヒートショックが起きやすい人や注意が必要な人はいますか?
赤星さん
年齢が65歳以上の人、その中でも特に75歳以上の人はヒートショックに注意が必要です。さらに、不整脈や高血圧、糖尿病を患っている方はさらにリスクが上がります。また、過去に、心臓の病気や脳梗塞などの脳血管疾患の既往歴がある方も注意が必要です。
編集部
では、ヒートショックはどこで起きやすいものなのでしょうか?
赤星さん
場所としては、お風呂場で起こることが多い傾向にあります。実際、ヒートショックが原因で入浴中に亡くなられる方は、全国で年間約1万7000人とされています。高齢者に限ると、ヒートショックでの死亡者数は、室内における死因の4分の1程度を占めています。
編集部
ヒートショックになりやすい状況の特徴を教えてください。
赤星さん
まず、家の構造上の問題があります。①浴室、脱衣所、トイレに暖房設備がなく、冬場は冷えている②暖かい居室と浴室やトイレが離れている③北の方角に浴室、脱衣所、トイレがあるなどです。また、「トイレ」も注意が必要です。トイレの際には、肌着・ズボン・スカートを脱ぐことで下半身が急に冷え、それに加えて冷たい便座に座ると、急に体温が下がります。それによってヒートショックを起こすことがあります。ぜひ、これらの状況を把握して、対策をするようにしてください。
編集部まとめ
「ヒートショック」は体温や外気温の差によって血圧の急激な変動が起こり、動機やめまい、それらによる転倒での骨折などを発症させる症状です。冬場のお風呂場や、室内での注意はもちろんのこと、年齢や既往歴次第で気を付ける必要があります。ぜひ、これからの冬に備えてしっかり対策するようにしてみましょう。