花粉症、鼻アレルギーの症状や原因、治療方法とは?
花粉症、鼻アレルギーとはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントを交えつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
村上 友太 医師(東京予防クリニック)
花粉症、鼻アレルギーとは
花粉症は、鼻腔内に入ってきた植物の花粉に対する免疫反応によって引き起こされるアレルギー反応です。
体から花粉を外に出そうとしてくしゃみや、鼻水、涙が出るなどの症状が現れます。
花粉症、鼻アレルギーの症状
花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などです。
また、くしゃみは風邪やインフルエンザの時よりも回数が多く、連続して何度も起こるという特徴があります。
目のかゆみ、充血、皮膚のかゆみ、喉のイガイガ感、頭痛、だるさ、不眠、集中力の低下などが現れることもあります。
花粉症、鼻アレルギーの原因
スギなどの植物の花粉がアレルギーの原因物質といわれています。
花粉症を引き起こす植物は多岐にわたり、日本では約50種類が報告されています。代表的なものはスギで、花粉症の約70%はスギ花粉症といわれています。
これは、日本の国土に占めるスギ林の面積が、国土の12%と大きいためでもあります。
関東地方では、2月から4月はスギ花粉、4月から5月はヒノキ花粉、6月から8月はカモガヤなどのイネ科花粉、8月から10月はブタクサやヨモギなどの雑草類の花粉が主として飛散します。
また、北海道と本州の一部では4月から6月にかけて、口腔アレルギー症候群と関連の深いシラカバが飛散します。
花粉症、鼻アレルギーの検査法
花粉症の診断は、花粉飛散時に症状が出ているかどうかと、血液中にある花粉に対する抗体の存在で診断されます。
鼻の粘膜を直接見て、アレルギー反応を観察することもあります。
花粉症、鼻アレルギーの治療方法
花粉症の治療には、症状を軽減する対症療法と、根本的に治す根治療法があります。
対症療法には、点眼薬や点鼻薬、内服薬など薬を服用するもの、レーザーなどによる手術療法などがあります。
根治療法には、花粉の除去回避、原因となるアレルゲンを投与して体のアレルギー反応を弱めるアレルゲン免疫療法などがあります。
また、症状がない早い段階から薬で治療し、重症化を防ぐ「初期療法」が勧められています。
花粉飛散予測日の2週間程度前か、もしくは花粉症の症状が少しでもあらわれた時点で薬物治療を開始します。
アレルゲン免疫療法は、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていますが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。
「舌下免疫療法」は、日本ではスギ花粉とダニが保険適用になっています。決められた一定量を数年間に渡り継続して服用します。
花粉症、鼻アレルギーの予防法
大量の花粉に出会うと、体が花粉に対する抗体を産出する可能性が高くなり、花粉症を発症しやすくなります。花粉症にならないためには、花粉になるべく接しないことが重要です。
花粉は、全身に付着しやすいので、頭髪は帽子で、目や鼻はメガネやマスクで、首はマフラーやスカーフで付着を防ぎ、花粉が付着しにくいような表面がツルツルした上着を選びましょう。
帰宅時は、家の中に花粉を持ち込まないように玄関前で花粉を払い、すぐに着替えて外気に露出した顔などを洗い流しましょう。また、手洗いとうがいも効果的です。