花粉症、鼻アレルギーの症状や原因、治療方法とは?
更新日:2023/03/27

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花粉症、鼻アレルギーとは
花粉症は、鼻腔内に入ってきた植物の花粉に対する免疫反応によって引き起こされるアレルギー反応です。 体から花粉を外に出そうとしてくしゃみや、鼻水、涙が出るなどの症状が現れます。
ドクターの解説花粉症は、季節性アレルギー鼻炎とも呼ばれ、花粉の飛散量に比例して症状が悪くなる傾向にあります。
花粉症、鼻アレルギーの症状
花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などです。
ドクターの解説花粉症の鼻水は、水のようにサラサラで粘り気のない透明なものが、止まらず出てくることが特徴です。
また、くしゃみは風邪やインフルエンザの時よりも回数が多く、連続して何度も起こるという特徴があります。
目のかゆみ、充血、皮膚のかゆみ、喉のイガイガ感、頭痛、だるさ、不眠、集中力の低下などが現れることもあります。
花粉症、鼻アレルギーの原因
スギなどの植物の花粉がアレルギーの原因物質といわれています。 花粉症を引き起こす植物は多岐にわたり、日本では約50種類が報告されています。代表的なものはスギで、花粉症の約70%はスギ花粉症といわれています。 これは、日本の国土に占めるスギ林の面積が、国土の12%と大きいためでもあります。 関東地方では、2月から4月はスギ花粉、4月から5月はヒノキ花粉、6月から8月はカモガヤなどのイネ科花粉、8月から10月はブタクサやヨモギなどの雑草類の花粉が主として飛散します。 また、北海道と本州の一部では4月から6月にかけて、口腔アレルギー症候群と関連の深いシラカバが飛散します。
ドクターの解説花粉症はアレルギー疾患であるため、ご自身あるいはご家族の方がアレルギー体質であれば、花粉症になりやすい傾向にあると考えられています。喘息や通年性のアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎にかかっている人は注意しましょう。
花粉症、鼻アレルギーの検査法
花粉症の診断は、花粉飛散時に症状が出ているかどうかと、血液中にある花粉に対する抗体の存在で診断されます。 鼻の粘膜を直接見て、アレルギー反応を観察することもあります。
ドクターの解説問診のほか、鼻の中を見る鼻鏡検査、鼻汁検査、花粉エキスを腕に垂らして反応をみる皮膚テスト、花粉エキスを鼻の粘膜に付着させて反応をみる鼻誘発テスト、血液による抗体検査などがあります。
花粉症、鼻アレルギーの治療方法
花粉症の治療には、症状を軽減する対症療法と、根本的に治す根治療法があります。 対症療法には、点眼薬や点鼻薬、内服薬など薬を服用するもの、レーザーなどによる手術療法などがあります。 根治療法には、花粉の除去回避、原因となるアレルゲンを投与して体のアレルギー反応を弱めるアレルゲン免疫療法などがあります。 また、症状がない早い段階から薬で治療し、重症化を防ぐ「初期療法」が勧められています。 花粉飛散予測日の2週間程度前か、もしくは花粉症の症状が少しでもあらわれた時点で薬物治療を開始します。
ドクターの解説薬物療法としては、鼻水を抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬や、鼻の炎症を抑える点鼻ステロイド薬、鼻づまりを改善する作用があるロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます。それでも症状が抑えられない場合は、鼻の粘膜をレーザーで凝固する下鼻甲介粘膜焼灼術や、粘膜を焼きながら後鼻神経を切断する後鼻神経切断術などの手術療法を考慮されることがあります。
アレルゲン免疫療法は、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていますが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。
「舌下免疫療法」は、日本ではスギ花粉とダニが保険適用になっています。決められた一定量を数年間に渡り継続して服用します。




