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心膜炎の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27
心膜炎

心膜炎とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントを交えつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

心膜炎とは

心臓は、心膜という膜組織に包まれていますが、その心膜に炎症が起こった状態のことをいいます。

心膜液が増加すると心臓の動きが悪くなります。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

心膜炎は、心膜という心臓を包む膜の炎症による病気です。軽症例も多いため、医療機関を受診しても見過ごされることがあり、正確な発症頻度は不明です。

心膜炎の症状

多くの症例で胸痛が見られます。

胸痛は、深呼吸や咳、体を動かすときに強くなります。

また、仰向けや左側臥位(左側を下にして横になる)で痛みが悪化し、座って前屈みになると軽快することも特徴であるといわれます。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

急性心筋炎では、喉の痛み、咳、発熱、筋肉痛、全身倦怠感などの風邪症状が見られた後に、心膜炎の典型的な症状である胸痛が見られます。

さらに症状が悪化すると、心タンポナーデや急性心筋炎などを引き起こす可能性があります。

慢性心膜炎では、継続した息切れや咳、易疲労感などが見られます。

心膜炎の原因

心膜炎の原因は、突発性、ウイルス感染、急性心筋梗塞、尿毒症、放射線、薬剤性、最近回線、開心術後、結核、悪性新生物、外傷などがあります。
ほとんどがウイルス感染によるものです。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

心膜炎の原因は、ウイルス感染、自己免疫性、肺高血圧や心不全に伴うものが多いです。

自己免疫疾患には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ベーチェット病などがあります。

また、がんが原因で心膜炎になることがあります。

心膜に腫瘍ができる場合と、乳がんや肺がん、リンパ腫が転移して発生する場合があります。

心膜炎の検査法

問診、聴診、心電図、心臓超音波検査、胸部X線検査をします。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

心膜炎では、聴診で心膜摩擦音を認めることがあります。

心電図では、ST上昇がみられることが多いです。

心臓超音波検査では、心嚢液(心膜と心臓の間の液体)貯留が認められることがあります。

また、血液検査で炎症の程度を調べます。

心膜炎の治療方法

心膜炎の多くは、ウイルス感染によるものと考えられているため、特別な治療法はありません。

内服薬により痛み、炎症のコントロールを行います。

再発性、難治性の場合は、コルヒチンという薬を併用することもあります。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

多くの場合、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤による薬物療法のみで治療可能です。

心嚢液が多量に存在する場合、血行動態が不安定な場合、細菌感染が原因である場合、腫瘍が原因である場合、収縮性心膜炎を呈している場合などは、心嚢ドレナージや心膜切開術などの治療法を検討することもあります。

心膜炎の予防法

心膜炎の多くは、ウイルス感染症と考えられているため、うがいや手洗いなどの一般的な感染予防をしましょう。

ウイルス性以外の原因としては、膠原病、自己免疫性、がんなどが多いのですが、そのような持病がある場合には、主治医に相談しましょう。

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