虚血性視神経症の症状や原因、治療方法とは?
更新日:2023/03/27

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虚血性視神経症とは
虚血性視神経症は、血液供給が途絶えることにより視神経組織の酸素が奪われ、視神経がダメージを受けてしまいます。 これは、視神経の中で起きる小さな脳卒中である、ということができます。
ドクターの解説虚血性視神経症は、視神経への血液供給が妨げられて起こる視神経の損傷です。
虚血性視神経症の症状
虚血性視神経症は、非動脈炎性と動脈炎性の2種類があります。 非動脈炎性では、突然起こる急激な片眼の視力低下・視力欠損という症状が現れます。 数分から数時間、時には数日間かかることもあります。 視力への影響は様々で、ほぼ正常なこともあれば、完全に失明する場合もあります。 起床時または起床後に初めて気付く、目の痛みや顔面痛、頭痛はないです。 動脈炎性では、片側の視力低下があり、頭痛や発熱、全身倦怠感や咀嚼痛、側頭動脈の痛みなど全身症状などを伴うことが多いと言われています。 視神経乳頭膨張もみられます。
ドクターの解説急な視力低下や視野欠損が起こります。
視野の上半分または下半分がぼんやりと薄暗くかすんで見える、見ようとするところが見えない(中心暗点)という症状を認めます。
虚血性視神経症の原因
非動脈炎性は、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの基礎疾患を背景とすることが多く、視神経乳頭が小さい人に起こりやすい傾向があります。 40歳以上の人に多くみられます。 喫煙や動脈硬化、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、夜間の低血圧などが危険因子となります。 動脈炎性は、炎症により血管が閉塞することが原因で発症し、非動脈炎性よりも高齢者に多くみられます。 50歳以上の女性に多く、70歳以上になると急激に増加します。 過去に一過性の黒内障や複視を自覚していることが多いです。
ドクターの解説原因はまだ完全に解明されておりません。
非動脈炎性、動脈炎性に関わらず、視神経を栄養する血管が何らかの理由で詰まった場合は、栄養不足に陥った視神経が機能しなくなります。
虚血性視神経症の検査法
視力検査、視野検査、眼底検査、MRI検査、血液検査、蛍光眼底造影検査、側頭動脈生検などを行います。 非動脈炎性の虚血性視神経症は、水平な視野欠損を生じることが多く、診断の決め手になることがあります。 一方、動脈炎性の虚血性視神経症は、全身症状を伴うことが多く、内科と連携して診断することになります。虚血性視神経症の治療方法
非動脈炎性の虚血性視神経症では、有効な治療法は見つかっていません。 今後の再発リスク低下のため、血圧および糖尿病の管理を含む、動脈硬化の危険因子を減らす治療が行われます。 動脈炎性の虚血性視神経症では、直ちにステロイド点滴の開始が必要となります。 点滴終了後も少なくとも4-6ヶ月、症例によっては1年投薬が必要です。 これは視力回復のためではなく、この治療を行わなければ反対眼に同様の症状が出現する可能性が高いからです。
ドクターの解説非動脈炎性、動脈炎性に関わらず、虚血性視神経症に対し視力回復を目標とした有効な治療法はありません。
動脈炎性の虚血性視神経症の場合、放置すると両眼ともに発症する可能性があるため、反対の目に起こす可能性を低くする治療が中心になります。




