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巨大結腸症の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27
巨大結腸症

巨大結腸症とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

巨大結腸症とは

巨大結腸症とは、結腸に機械的閉塞がないにも関わらず、巨大に拡張してしまう状態をいいます。

新生児期から乳児期に診断されるヒルシュスプルング病などの先天性の病気や、成人以降になる後天性の病気があります。

巨大結腸症の症状

巨大結腸症は、結腸が弛緩し便を送り出す蠕動運動が弱くなることで頑固な便秘になります。
程度が強い場合は、排ガスも満足にできなくなり腹部膨満感が強くなります。
便秘が増悪すると腸閉塞状態になり、腹痛や嘔吐などをきたします。
さらに重症化すると腸管壊死や、腸管穿孔といって腸に穴が開いてしまうこともあり、その場合は強い腹痛、発熱などを来します。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説
巨大結腸症に至る原因によって症状が異なります。
習慣性便秘による巨大結腸症の場合は、自覚症状がないこともあります。
感染性腸炎による巨大結腸症の場合は、発熱や血便、強い腹痛などをきたすこともあります。

巨大結腸症の原因

先天性のヒルシュスプルング病は、腸の動きを制御する神経節細胞が生まれつき欠損しているため起こります。

後天性の巨大結腸症の原因はさまざまです。
慢性便秘、大腸がんなどによる通過障害、全身性エリテマトーデスなどの膠原病、パーキンソン病などの神経疾患、薬剤の副作用、下剤の乱用などがあります。また、明らかな原因がないこと(特発性)もあります。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説
炎症性腸疾患や感染性腸炎などで急性の経過でおこってくる場合と、習慣性便秘などにより慢性経過でおこる場合があります。

巨大結腸症の検査法

まず、腹部レントゲン検査や腹部CT検査で、結腸への異常なガス貯留を確認します。
また、腹部CT検査では、巨大結腸症の原因になる通過障害がないか、腸捻転をきたしていないかなどを評価します。
炎症性腸疾患などを疑う場合には、大腸カメラ検査を行います。
甲状腺機能低下症のような内分泌疾患を疑う場合には、血液検査でホルモン値測定を行います。
その他、ヒルシュスプルング病のような無神経腸管を疑う場合は、直腸肛門内圧測定検査や、直腸粘膜生検を行います。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説
原因はたくさん考えられるため、問診がとても重要です。既往歴や薬剤使用歴を確認します。
抗精神病薬など一見関係なさそうなものが、巨大結腸症の原因になることもあるためです。

巨大結腸症の治療方法

巨大結腸症の治療は、その根本原因の治療を行うことが大切です。

先天性のヒルシュスプルング病では、手術によって無神経腸管を切除するしか方法がありません。

習慣性便秘ならば排便習慣をつけるように薬剤処方したり、運動や水分摂取を励行するなどの生活習慣指導を行ったりします。
腹痛や嘔吐症状が強く、その根本原因の解決が早期に行うことができない場合に、一時的に腸管内圧を減圧するためのチューブを経肛門的に挿入し、ドレナージ(便やガスを外に出すこと)を行うこともあります。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説
症状が強くない場合には、特段の治療を行わず経過観察を行うこともあります。

巨大結腸症の予防法

先天性の場合には、予防法はありません。
後天性の場合でも、予防が可能なものとそうでないものがあります。
普段の生活の中でできる予防法としては、排便習慣をつけることです。
運動習慣、水分や食物繊維をよくとる、安易に下剤を頼らないなどにも気を付けましょう。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説
習慣的な排便を狙って下剤を乱用してはいけません。
心配な方は専門医を受診し、処方薬剤の見直し、生活指導などを受けるとよいでしょう。

この記事の監修ドクター

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