丹毒の症状や原因、治療方法とは?
更新日:2023/03/27

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丹毒とは
真皮を病変の主座とする急性びまん性の細菌感染症です。 新生児や年少児、高齢者が発症しやすいと病気です。
ドクターの解説皮膚や粘膜から感染する細菌感染症です。
真皮を中心とした浮腫性化膿性炎症性疾患です。
丹毒の症状
悪寒、発熱、全身倦怠感、嘔気などの全身症状と、主に顔面や下肢などに境界明瞭な紅斑が出現し、進行性に拡大していきます。
ドクターの解説顔面、耳介および下肢などに境界明瞭な紅斑が突然生じます。
次第に拡大して浮腫状になります。
局所の熱感や灼熱感があって、痛みを伴うことが多いですが、軽くかゆみがある程度の場合もあります。
浮腫性紅斑上に水疱(水ぶくれ)を形成すること(水疱性丹毒)や、同一部位に繰り返し発症する場合(習慣性丹毒)もあります。
丹毒の原因
主な原因菌は、A群β溶血性連鎖球菌です。 他群の連鎖球菌(新生児ではB群)、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、大腸菌などでも類似の症状をきたす場合があります。
ドクターの解説危険因子として、悪性腫瘍、肝硬変、糖尿病、腎不全、ネフローゼ症候群、慢性リンパ浮腫、好中球減少症、医原性免疫不全、低栄養などが挙げられます。
丹毒の検査法
丹毒の明確な診断基準はありません。 臨床的に発熱を伴う全身症状と、特徴的な局所の水庖を伴う浮腫性病変などの肉眼的所見で診断します。 血液検査や細菌検査も行います。
ドクターの解説鑑別診断として、紅斑性狼瘡、脂漏性皮膚炎、光線および薬剤性反応、接触性皮膚炎、サルコイドーシス、リンパ球腫、悪性リンパ腫、亜急性深在性皮膚エリテマトーデス、などが挙げられています。
丹毒の治療方法
全身的な抗生剤の投与(ペニシリン系など)で治療します。 皮下膿瘍は作らないため、切開排膿は要りません。 下肢病変では急性期は患肢を挙上させて、浮腫があれば急性期が過ぎてから圧迫療法を行います。
ドクターの解説抗生物質投与を行います。
再発や腎炎の併発を考慮して、軽快後も10日間は治療を続けます。習慣性丹毒の場合は治療に難渋することが多く、予防投与も考慮します。




