レイノー現象の症状・原因・治療方法とは?
レイノー現象(読み方:れいのーげんしょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
石田 博 医師 石田内科リウマチ科クリニック 院長
レイノー現象とは
レイノー現象とは寒冷刺激や精神的緊張などによって誘発される血管れん縮による手指などの皮膚の色調変化であり、典型的には蒼白、紫色、発赤の順に3相性の色調変化を認めます。さまざまな全身疾患の症状として認められることが多いため専門医の受診が勧められます。
引用:太田綜合病院
https://www.ohta-hp.or.jp/n_etc/80med/dep/dep15/d15_03.htm
レイノー現象の症状
部位は手指末端(特に第2~5指)におこることが多いが、足、耳、鼻、舌、口唇にも起こり、対称、非対称のいずれにもあり得ます。寒冷刺激や精神的緊張を受けると手指の小動脈のれん縮が起き、血流が途絶するため手指が蒼白となります(第1相)。この時指先のしびれ、冷感、疼痛、知覚低下など自覚症状がでます。数分後にはチアノーゼとなり、皮膚の色は紫色となります(第2相)。次いで、低酸素により、血管が反応性に拡張するため、皮膚の色は赤色を呈し(第3相)、やがて正常に戻ります。この過程は数分から数10分持続します。第2相または第3相のいずれかを欠く場合もあります。
引用:太田綜合病院
https://www.ohta-hp.or.jp/n_etc/80med/dep/dep15/d15_03.htm
レイノー現象の原因
レイノー現象を認めた場合は、二次性の可能性、特に膠原病が背景になっている可能性を考慮する。後に膠原病を発症することもあり、特に全身性硬化症の前駆症状となることがある。血管攣縮が多いが、血管攣縮以外の鑑別も必要になる場合がある。
鑑別すべき病態としては血管炎、血栓症、神経疾患、血管閉塞、血液疾患、薬剤性、職業性が挙げられる。
診断当初にはっきりとした疾患がみつからなくても、引き続き注意が必要である。特に、爪上皮毛細血管異常を認める場合には膠原病の可能性が高い。引用:今日の臨床サポート
https://clinicalsup.jp/contentlist/406.html
レイノー現象の検査法
広く受け入れられている厳密な診断基準がなく、診断は臨床診断であり、寒冷曝露による四肢末端の白、紫、赤色などの変化がある場合に診断となる。
引用:今日の臨床サポート
https://clinicalsup.jp/contentlist/406.html
検査方法としては
・血液検査
採血で抗核抗体を測ります。SScが原因の場合は、抗トポイソメラーゼI(Scl-70)抗体、抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼ抗体などの特殊な抗体が陽性反応を示します。MCTDが原因の場合は、抗U1RNP抗体が陽性となります。SKEでは、抗二重鎖DNA抗体が陽性となります。
・チャレンジテスト
冷水で負荷をかけて誘発し、継時的に回復するか確認する検査です。
主に上記のようなものがあります。
レイノー現象の治療方法
生活上で気をつける事は、冷たい水を使わない、外出時には手袋をつけてカイロを手放さないなど手足の保温に努めましょう。日頃から寒冷にさらされないよう心がけて、極端な疲労やストレスを避けることも大切です。
治療は、原因疾患がある場合にはその疾患の治療が第一です。レイノー症状に対する治療としては末梢血管の収縮や血小板の凝集を抑制する飲み薬である、血管拡張薬やプロスタグランジン製剤(内服、軟膏、注射)などがあります。
まず、レイノー現象の元々の原因となっている疾患(膠原病など)を治療することが最優先です。
それに加え、血管を拡張する「ビタミンE製剤」「プロスタグランジン製剤」「抗血小板剤」「イコサペント酸エチル(EPA)」などのお薬を使用します。
日常生活においては、手足を保温すること(手袋や靴下等)を心がけてください。ストレスが原因の場合はそれを軽減することも大切です。
もし、レイノー現象のような症状がでてきた場合は、速やかに膠原病の専門医の診察を受け、詳しい検査をしてもらうことをおすすめします。その原因疾患がSSc、MCTD,SLE,RAなどのどれかによって治療方針が変わることもあります。