男性更年期障害の症状や原因、治療方法とは?
男性更年期障害(読み方:だんせいこうねんきしょうがい)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
春名 令子 医師(はるなクリニック副院長)
男性更年期障害とは
男性更年期障害とは、中高年に発症する様々な身体的・精神的不調を指します。
加齢とともに男性ホルモンの産生が低下していきますが、緩やかに低下する場合は、身体もそれに順応していくため、激しい不調は感じられません。
しかし、急激に低下した場合には、ホルモンバランスの乱れに身体がとまどい、様々な不調が出現します。
つまり、男性ホルモンの急激な低下が、男性更年期障害を引き起こすのです。
最近では、「男性更年期」のことを、「加齢男性性腺機能低下症」Late Onset Hypogonadism syndrome、略してLOH症候群(ロー症候群)ともいいます。引用:医療法人社団 医新会
http://www.ishin-kai.or.jp/treat/about-male
男性更年期障害の症状
不安、イライラ、全身倦怠感、うつ傾向(うつっぽい)、不眠、頭重感、頭痛、肩こり、背部痛、動悸、息切れ、手や足のしびれなど、様々な不調が出現します。
特徴としては、同じ症状が毎日続くのではなく、様々な症状が日替わりで出てくることです。
毎日同じ症状が、長期間にわたって続く場合には、それらの症状をきたす病気を疑うことになります。引用:医療法人社団 医新会
http://www.ishin-kai.or.jp/treat/about-male
男性更年期障害の原因
その原因は男性ホルモン:テストステロンの低下です。男性ホルモンは20歳代にピークを迎えてから徐々に低下していき、加齢とともに症状が現われます。
引用:帝京大学医学部泌尿器科 アンドロロジー診療
http://male-urology.jp/male_menopause/職場の人間関係やリストラの不安、家庭内不和、介護の負担などが引き金要因となることも少なくありません。40歳代以降は、責任の重い役職に就き、仕事のプレッシャーに苦しむ局面も増えます。年齢とともに男性ホルモンが低下するのはごく自然なプロセスですが、それに職場や生活環境の大きなストレスが加わることで、男性ホルモンや全身の生理機能や精神活動に影響を及ぼすと考えられます。
引用:帝京大学医学部泌尿器科 アンドロロジー診療
http://male-urology.jp/male_menopause/
男性更年期障害の検査法
LOH症候群はテストステロンの測定や更年期症状の評価により行われています。
症状は次項のAMS調査票により行うことが一般的です。
40歳以上の男性でLOH症状や更年期症状があり、テストステロンの中でも遊離テストステロンが8.5pg/ml未満であれば、LOH症候群と判断され、ホルモン補充を第一に行います。
また、8.5pg/ml以上、11.8pg/ml未満の場合もホルモン補充が治療選択肢の一つとされています。
引用:大東製薬工業
https://www.daito-p.co.jp/loh/loh08.htm
男性更年期障害の治療方法
テストステロン値が正常で症状がある場合は、心理カウンセリングやメンタルクリニックをお勧めすることもありますし、漢方療法を試すこともあります。テストステロン値が明らかに低下していて、積極的に治療したい方には、自費診療になりますが、テストステロン補充療法といって、3-4週間毎のテストステロン注射やテストステロン軟膏を投与することになります。症状が回復するまで1年前後かかる人が多いですが、効果が実感できる方は初期の数ヶ月で症状が改善しています。最終的には、テストステロン補充なしでもやっていけるまで回復する方が多いですが、元々の精巣機能が弱く、十分に回復しないためテストステロン補充療法を継続する方もいらっしゃいます。
引用:帝京大学医学部泌尿器科 アンドロロジー診療
http://male-urology.jp/male_menopause/