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前立腺がんの症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

前立腺がん(読み方:ぜんりつせんがん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
藤田 亨 医師(皿沼クリニック 理事・院長)

前立腺がんとは

前立腺がんは、前立腺の細胞が正常な細胞増殖機能を失い、無秩序に自己増殖することにより発生します。早期に発見すれば治癒することが可能です。また、多くの場合比較的ゆっくり進行します。

近くのリンパ節や骨に転移することが多いですが、肺、肝臓などに転移することもあります。

前立腺がんの中には、進行がゆっくりで、寿命に影響しないと考えられるがんもあります。がんではない、ほかの原因で死亡した男性を調べた結果、前立腺がんであったことが確認されることがあります。このように、生前にはがんが見つからず、死後の解剖によりはじめて見つかるがんをラテントがんといいます。

引用:国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/index.html

藤田了 医師(皿沼クリニック 理事・院長)監修ドクターのコメント
前立腺がんでは、乳製品の摂取が多いとなりやすいことが知られています。しかし、本当は、乳製品全体が悪い訳ではなく、逆に脂肪分ゼロの乳製品(ヨーグルトなど)では、前立腺がんになりにくいことが分かっています。女性の乳がんや卵巣がん等の生殖器系のがんでも脂肪分ゼロの乳製品を摂取した方が、なりにくくなるということが分かっています。ただし、脂肪分ゼロの乳製品を食べていても、合わせてバターを沢山食べることは、止めた方が良さそうです。

前立腺がんの症状

早期の前立腺がんは、多くの場合自覚症状がありません。しかし、尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの症状が出ることもあります。

進行すると、上記のような排尿の症状に加えて、血尿や、腰痛などの骨への転移による痛みがみられることがあります。

引用:国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/index.html

藤田了 医師(皿沼クリニック 理事・院長)監修ドクターのコメント
前立腺がんは、非常に転移が早いがんであることが知られています。高齢の男性が腰が痛いといって調べてみると前立腺がんからの転移であったなどという症例が当クリニックにもありました。また尿が出にくくなるというより、尿が全くでなくなる尿閉という状態になる人もおられます。本人に聞いてみると前立腺肥大で尿が出なくなったと考えていたということでした。前立腺肥大では、尿閉まで行くことは稀です。泌尿器科医のいる病院で数週間カテーテルを入れて、治療していましたが、良くならず、私の所で、PSAを計った所、高値を示したので、AWGという機械を使って治療した所、現在では、カテーテルも抜去し、元気に暮らしておられます。

前立腺がんの原因

加齢
前立腺がんは、60歳以上の男性では年齢の増加とともに急激に患者数が増加します。ホルモンのバランスの変化が原因ではないかと考えられていますが、詳しいことは分かっていません。

引用:アステラス製薬
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/prostatecancer/basicinformation02.html

遺伝
家族(とくに父または兄弟)に前立腺がんの方がいる場合は、前立腺がんになる確率が高いといわれています。家族の中に前立腺がんになった方が何人もいる場合、またその方が50歳くらいといった比較的若い時期に前立腺がんを発症している場合は、注意が必要です。

引用:アステラス製薬
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/prostatecancer/basicinformation02.html

人種・生活習慣
血液中の男性ホルモンの濃度の違いから、前立腺がんになりやすいのは、黒人種、白人種、黄色人種の順であるといわれています。しかし、同じ黄色人種でも、ハワイ在住の日系人では日本在住の日本人よりも前立腺がんが多いという報告があり、PSA測定をうけた人の割合とともに食習慣や生活環境の影響もあると考えられます。

引用:アステラス製薬
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/prostatecancer/basicinformation02.html

前立腺がんの検査法

前立腺がんの診断には、まず「スクリーニング検査」を行います。スクリーニング検査とは、前立腺がんの可能性がある人を見つけるための検査のことです。採血のみの「PSA検査」のほか、施設によっては「直腸内触診」、「画像検査(経直腸的超音波《エコー》検査、前立腺MRI検査)」を併用することがあります。

スクリーニング検査によってがんが疑われた場合には、次にがんの「確定診断」を行います。ここでがんが確定された場合には、続いて「病期診断」を行い、がんの進行度(広がり)を確認することになります。

引用:アストラゼネカ What’s?前立腺がん
https://www.zenritsusen.jp/diagnosis/

藤田了 医師(皿沼クリニック 理事・院長)監修ドクターのコメント
食事の欧米化は、深刻な問題です。そのため、当クリニックでは、食事療法のプリントを配布して、生活習慣を改めるように患者さんに申しあげています。前立腺がんの患者さんは、なおさら食事が西洋化しないように気を付ける必要があります。さる大学病院の泌尿器科に行って頂いた患者さんで、事前のエコーなどの検査で限りなく前立腺がんに近いと言われた方がおられました。針生検をやるまで一か月かかると言われたそうなので、その間、水素吸引をしてみたらと提案した所、水素吸引を真面目にやって頂いたおかげで、十数か所刺した針生検で一か所もがんを指摘されず、大学病院の先生が首をひねったと患者さんが言っておられました。

前立腺がんの治療方法

治療の選択肢は、病気の進行度によって異なってきます。
また、患者様の年齢・QOL(生活の質)の維持・社会的状況等を考慮して決定されます。

病期(A&)B
・待機療法
・手術療法(前立腺全摘除)
・放射線療法(体外照射・小線源療法・粒子線・陽子線等)
・内分泌(ホルモン)療法
・手術・放射線療法+内分泌療法など
病期C
・放射線療法(体外照射)
・手術療法+放射線療法(体外照射)・内分泌療法など
・内分泌(ホルモン)療法
病期D
・内分泌(ホルモン)療法 状況により放射線療法をあわせて行う

引用:順天堂大学医学部附属順天堂医院 泌尿器科
http://juntendo-urology.jp/disease/prostate_cancer/

藤田了 医師(皿沼クリニック 理事・院長)監修ドクターのコメント
10年以上前に、前立腺がんの末期の患者さんを在宅で診たことが、あります。奥さまが看護師であったため、「主人が痛がるのは、かわいそう」という奥さまの希望で、大量の麻薬の投与を行いました。その結果、自分が営業に出て、車を運転しているという幻覚を見ているのを目撃しました。がんの疼痛がひどい場合は、呼吸抑制が出ない程度に麻薬量を増やすことが可能で、幻覚などの副作用が出ることはないと主張している医師もいるようですが、それは幻想だということが良く分かりました。今、同じ患者さんを診たと仮定したら、AWGという医療機器や水素吸引、更にCPLというサプリを飲んでもらうことによって、麻薬を使わずに疼痛を緩和することができる可能性があるのにと悔しい思いにとらわれる日々です。

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