心臓腫瘍の症状や原因、治療方法とは?
心臓腫瘍(読み方:しんぞうしゅよう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
品川 弥人 医師(しながわ内科・循環器クリニック 院長)
心臓腫瘍とは
腫瘍という用語は、それががんであるか(悪性)がんではないか(良性)に関係なく、異常に増殖する組織のことを指します。心臓の腫瘍は以下のように分けられます。
・原発性(良性または悪性)
・転移性(常に悪性)原発性心臓腫瘍とは、心臓で発生した腫瘍のことです。原発性心臓腫瘍はまれな病気で、その頻度は2000人に1人を下回ります。
転移性心臓腫瘍は、体内の別の臓器で発生したがんが心臓に転移してきたものです。ほとんどの心臓腫瘍は転移性の悪性腫瘍(がん)です。
引用:MSDマニュアル 家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/06-心臓と血管の病気/心臓腫瘍/心臓腫瘍の概要
心臓腫瘍の症状
症状の主なものは、腫瘍占拠に伴う血流障害と塞栓症(そくせんしょう)です。粘液腫の場合は左心房に発生することが多く、腫瘍が大きくなり、血流を障害するようになると、僧帽弁という左心房と左心室の間の扉を塞ぐことで僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう)と似た症状が出現します。すなわち、失神、めまい、息切れなどです。
引用:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトKOMPAS
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000240.html
心臓腫瘍の原因
横紋筋種は結節性硬化症にしばしば合併する。結節性硬化症では、TSC1遺伝子(タンパク質チュベリン)やTSC2遺伝子(タンパク質ハマルチン)の異常が認められることがある。時に家族性を呈する。
その他の心臓腫瘍の原因は不明である引用:小児慢性特定疾病情報センター
https://www.shouman.jp/disease/details/04_19_023/
心臓腫瘍の検査法
腫瘍の存在そのものは、心エコー検査やCT検査(図3)などで容易にわかります。特に心エコー検査では、低侵襲で腫瘍と心機能との相関がわかるので非常に有用な検査であると言えます。しかし、質的診断、すなわち腫瘍の種類に関しては単純な血栓を含め鑑別が困難なこともあり、切除して初めて診断が付く場合もあります。
引用:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトKOMPAS
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000240.html
心臓腫瘍の治療方法
・良性原発性:切除
・悪性原発性:緩和療法
・転移性:腫瘍の原発巣に依存する良性原発性腫瘍の治療は外科的切除であり,その後は5~6年間にわたる継続的な心エコー検査により再発のモニタリングを行う。手術の禁忌となる他の疾患(例,認知症)がない限り腫瘍を切除する。通常は手術により治癒に至る(3年生存率95%)。例外として,横紋筋腫はその大半が自然に退縮するため治療が不要であり,心膜奇形腫には緊急の心嚢穿刺が必要となることがある。線維弾性腫患者には,弁修復または弁置換が必要になることがある。横紋筋腫または線維腫が多発性に生じた場合は,外科的切除は通常無効であり,生後1年以降での予後は不良で,5年生存率は15%程度となる可能性がある。
引用:MSDマニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/04-心血管疾患/心臓腫瘍/心臓腫瘍