薬物療法が基本!アトピー性皮膚炎の治療法 2020/02/17

アトピー性皮膚炎は、皮膚炎が起こりやすい肌に様々なアレルギー刺激が加わることで、炎症が慢性的に続く病気です。少しの刺激で皮膚炎が起こるため、生活に支障をきたす場合もあります。放置すると悪化する可能性もあるため、早めに治療を受けることが大切です。ここでは、アトピー性皮膚炎の治療法についてMedical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
神島 輪 (水道橋ひふ科クリニック 院長)

アトピー性皮膚炎の治療の目標

病気は、原因を解消することで治療できる場合があります。アトピー性皮膚炎の原因であるアレルゲンなどの刺激は取り除くことができますが、皮膚のバリア機能が低下することで皮膚炎が起こりやすいという状態を改善することは難しいとされています。そのため、アトピー性皮膚炎の治療目標は、一切の皮膚炎が起こらなくなるというものではありません。アトピー性皮膚炎の治療目標は、大きく2つに分けられます。

日常生活に支障をきたさない状態

アトピー性皮膚炎の治療目標の1つが、「症状が全く現れないか、軽い症状が現れる程度で、生活に支障をきたさない」ということです。また、アトピー性皮膚炎の主な治療法である薬物療法をほとんど必要しないことも目標に含まれています。軽い症状であれば薬を塗らなくても済むことがあります。症状がほとんど現れない状態にまで改善すれば、「薬物療法をほぼ必要としない」という目標も達成できるでしょう。

悪化してもその状態が続かない状態

もう1つの目標は、「アトピー性皮膚炎の症状は慢性的に続くものの、急激に悪化することはほとんどなく、仮に悪化したとしてもその状態が続かない」ということです。この場合は、薬を使って症状をコントロールすることになります。薬を使うのは面倒に感じるかもしれませんが、症状が軽ければ予防目的で薬を塗るだけで済みます。何種類もの薬を1日に何回も飲むような必要はないので続けやすいでしょう。

薬物療法が基本

アトピー性皮膚炎の治療方針は、現在起きている皮膚炎を抑えて、新たに炎症が起こることを防ぐことです。そのため、炎症を抑える薬の他、皮膚のバリア機能を補助する薬など、いくつかの薬を使い分けることになります。どのような薬を使用するのか確認しておきましょう。

治療に使用する薬

アトピー性皮膚炎の治療でよく使われるのがステロイド外用剤です。ステロイド外用剤は、副腎皮質ステロイドホルモンを含む薬で、炎症を抑える効果が期待できます。症状に合わせて、ステロイド外用剤と非ステロイド系抗炎症外用剤を組み合わせて治療します。抗炎症薬で皮膚炎を抑えつつ、保湿剤で肌のバリア機能を補います。そして、抗炎症薬は基本的に医師がよいと判断するまで使います。炎症をしっかり抑えつつ、保湿剤で新たな炎症が起こるのを防ぐことで、アトピー性皮膚炎をコントロールできるようになっていくのです。

懸念される副作用

ステロイド外用剤には、副作用が起きる可能性があります。ステロイド外用剤は効果の強さで分類されており、効果が強いものはそれだけ副作用が起こりやすいという特徴もあります。外用剤の吸収が良い顔や首に長期間にわたって強いステロイド外用剤を使い続けると、血管が浮いてきたり、皮膚が委縮し薄くなったりする場合もあります。

強いステロイド外用剤を使うことで、副腎という臓器の機能が抑えられたとの報告はあるものの、弱いステロイド外用剤ではこのような副作用の報告はありません。このような副作用は、適度な強さのステロイド外用剤を、医師の指示通りに、適切な期間で外用していけば避けることもできます。

日常生活での注意点

薬で炎症を抑えても、皮膚炎が起こりやすいという状態は簡単には改善できません。そのため、アレルゲンを遠ざけてスキンケアを継続して行うことが大切なのです。日常生活での注意点をご紹介します。

アレルゲンを遠ざける

アレルゲンは人によって異なりますが、ホコリやダニの死骸・フン、花粉、金属、食物などが原因となります。例えば、卵アレルギーの方は、卵を含む食品を避けることが大切です。ただし、卵を含む食品を一切食べないのではなく、アレルギー反応による皮膚炎などの症状が起こらないラインを知るために、少量ずつ試すことはできます。

また、ホコリやダニの死骸・フンなどを含むハウスダストはアトピー性皮膚炎の原因になりやすいので、こまめに掃除をしたり空気を入れ替えたりして対策しましょう。

スキンケアを継続する

アトピー性皮膚炎の方は、肌が乾燥しやすい傾向があります。肌が乾燥している状態では肌のバリア機能が低下しているため、アレルゲンなどの影響を受けやすいのです。

体を洗うと乾燥することがありますが、だからと言って汗やホコリなどをそのままにしておくと、黄色ブドウ球菌などの常在菌が増える原因になります。黄色ブドウ球菌が出す毒素が皮膚炎の悪化を招くともいわれているので、身体を清潔に保つことが大切です。そして、入浴後はできるだけ早く保湿剤を塗って、肌の水分の蒸発を防ぎましょう。

症状を和らげるための対策

薬で症状を抑えつつ日常生活でのケアを続けるだけで、アトピー性皮膚炎の症状は和らいでいくでしょう。しかし、ストレスが強かったり、かゆみが強いためにかいたりすることで、症状が悪化する場合があります。次のように、症状を和らげるために対策しましょう。

ストレスを減らす

ストレスは、アトピー性皮膚炎の悪化に関わっているといわれています。皮膚炎が起きているところ見られるのが嫌で外出できなくなったり、肌が荒れているためメイクができなかったりすることで、ストレスが溜まります。

ストレスの原因がアトピー性皮膚炎である以上は、簡単にストレスは取り除けないでしょう。趣味に没頭するなど気分転換をして、少しでもストレスを減らすことが大切です。

かゆみを抑える

強いかゆみが起こると、患部をかいてしまうことで症状が悪化する場合があります。薬によってかゆみを抑えたとしても、ふとしたときに強いかゆみに襲われてかいてしまうこともあるでしょう。

このような場合は、保冷剤や冷たいタオルなどで冷やすと、かゆみが和らぐかもしれません。また、かいたときの被害を抑えるために、常に爪は短くしておくことが大切です。その他、肌に直接触れるシーツや服は刺激が弱い綿のものを選ぶなど、しっかり対策しましょう。

アトピー性皮膚炎は症状のコントロールが大切

アトピー性皮膚炎の治療には、症状のコントロールが欠かせません。症状を抑えられないでいると、強いかゆみによって患部をかいてしまい、炎症を悪化させることに繋がります。

ステロイド外用剤は副作用が恐いというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、正しく使用すれば副作用はほとんど心配いらないといわれています。間違った自己流の治療によって炎症をしっかり抑えられないでいると、いつまでもステロイド外用剤を使い続けることになりかねません。医師に処方された薬を正しく使うと共に、アレルゲンを遠ざけたりスキンケアを継続したりして、アトピー性皮膚炎の症状をコントロールすることが大切です。

アトピー性皮膚炎が疑われる場合には、早めにクリニックを受診しましょう。

神島 輪 医師 水道橋ひふ科クリニック 院長監修ドクターのコメント
日本には小さなお子さんから成人の方まで、多くのアトピー性皮膚炎の患者さんがいらっしゃいます。アトピー性皮膚炎の薬物治療は外用薬が基本になります。ですが、外用薬で症状が良くなってもしばらくするとまた悪くなる、という経験をされている方も多いのではないでしょうか。外用薬はその量や塗り方、期間、タイミングなどで同じ薬でも効果が違ってしまいます。ですので、外用薬を使用する際はしっかりと医師の説明を受け、納得して使用することをおすすめします。

監修ドクター:神島 輪 医師 水道橋ひふ科クリニック 院長

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