乗り物酔いの原因・治療方法・予防方法とは?
乗り物酔い(読み方:のりものよい)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
石島 健 医師(石島耳鼻咽喉科 院長)
目次 -INDEX-
乗り物酔いとは
車や電車、船などの乗り物に乗ったときに、めまいや吐き気などの一過性の症状があらわれるのが乗り物酔いです。乗り物酔いは、「動揺病」あるいは「加速度病」ともいわれ、疾患の一つに数えられています。
引用:タケダ健康サイト
http://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=norimonoyoi
ストレスなど、精神的な不安感が強い場合、症状がよく現れることがあります。乗り物酔いというと、小さな子どもがなるイメージが強いですが、成人した方でも乗り物酔いの症状に悩まされることもあります。
乗り物酔いの症状
乗り物酔いの兆候として、頭重感・頭痛、生つば、あくびなどの初期症状がみられます。その後、吐き気や顔面蒼白、冷や汗、手足の冷感、ふらふら感といった症状を経て、ついに嘔吐を引き起こします。乗り物酔いの症状は脳が警報を鳴らしている状態なので、それを無視していると症状はどんどん重症化します。
引用:タケダ健康サイト
http://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=norimonoyoi
そして症状が進行していくと、だんだんと胃に不快を感じるようになります。胃の部分がズシッっと重たく感じるようになります。
また、顔面が蒼白したり、脂汗が出てくることもありますが、症状は人によりさまざまです。
いよいよ胃の不快感が強まってくると、嘔吐に至ります。気分が悪くなり嘔吐を繰り返していると、脱水症状になってしまう危険性があるので、こまめな水分の補給がたいせつになってきます。
胃に不快感を覚えている最中は、食事をすることはできないでしょう。これらの症状は、乗り物に乗っている最中のみ現れる一過性のものです。
乗り物酔いの原因
乗り物に乗って、発進・停止の反復、スピードの変化、前後・左右・上下(最も酔いやすい刺激)・回転などの刺激を内耳が受けると、その情報が脳へ送られるのですが、慣れない刺激がくり返されると情報過多となり、脳が混乱して、自律神経に異常な信号を送ってしまいます。そうすると、生あくび、生つば、冷や汗、顔面蒼白、手足の冷感、気持ち悪さなどをおこし、ついには吐くなどの症状が出てしまうのです。
引用:日本耳鼻咽喉科学会
http://www.jibika.or.jp/citizens/handbook/mimi10.html
情報過多になる要因は、乗り物自体の不規則な揺れやスピードなどの情報を処理しきれないことに起因します。
すると脳が情報を処理しきれなくなり、胃や腸などの消化器官をコントロールしている自律神経が乱れ、結果的に吐き気や嘔吐といった症状があらわれます。
乗り物酔いの治療方法
予防法として、寝不足や空腹や車中での読書、急発進・急ブレーキを避けることが大切です。他には、不安感を与えない、楽しく過ごす、酔い止めの薬を飲んで乗ることも大切です。乗り物酔いの薬は自律神経の興奮を鎮める抗ヒスタミン剤が中心です。乗り物酔いでも、内耳や眼球の動き、もしくは脳などに原因がある可能性もありますので、なるべく検査をして頂くことをおすすめします。
「自分は乗り物に乗っても気分よく楽しむことができる」などと、自分の身体を信じることがたいせつです。
また、予防の一環として、大型のバスなど席を選べる乗り物であれば、進行方向に向かって前方の運転席に近い位置を選ぶのも良いでしょう。
さらに睡眠不足の状態で乗り物に乗らないこともたいせつです。船であれば、進行方向に向かって、真ん中の位置を選ぶと酔いにくいと言われています。
また、医学的な根拠があるわけではありませんが、冷たい氷を口に含むと乗り物酔いの症状が軽減するとも言われています。
これは氷の冷たい刺激に気を取られることで、自律神経の命令をストップするためと考えられています。