航空性中耳炎の症状や原因、治療方法とは?
航空性中耳炎(読み:こうくうせいちゅうじえん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
中島 規幸 先生 なかじまクリニック 院長
航空性中耳炎とは
車で急に高い山に登った時や、トンネルを通過した時に、耳がつまった感じ(耳閉感)がしたり、耳が痛くなった事がありませんか。特に飛行機に搭乗した時に、機内の気圧が変化に伴い耳の症状が出る場合があります。これを「航空性中耳炎」と呼びます。風邪をひいていたり、アレルギー性鼻炎などで鼻が悪い時には重症化して、症状がなかなかとれません。
たかはし耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック
http://www.takahashi-ent-clinic.com/mimi.html
航空性中耳炎の症状
●典型的な症状
一般の急性中耳炎や滲出性中耳炎と同様な耳症状をおこし
・耳痛(耳が痛い)
・耳閉感(耳がつまった感じ)
・難聴(聞こえにくい)
などが主たる症状です。
しかし、高度な場合は内耳のリンパ液が漏れてめまいや耳鳴をおこすこともあります。引用:南新宿クリニック
http://minamishinjuku-clinic.jp/cyujien/
もし着陸した後も1時間以上痛みが続いたりする場合等すぐに治らない場合は、中耳炎になったと考えられます。
航空性中耳炎の原因
中耳(鼓膜の内側)には少量の空気が入っており、耳管と呼ばれる管で咽頭部とつながっています。この耳管は通常閉じていますが、開閉し空気が通ることにより外部の気圧と中耳の気圧を一定に保っています。航空機では、離着陸時の急激な気圧の変化が起こるため、耳管が閉じたままになり、鼓膜の内側と外側で圧力の差が生じて耳が痛くなることがあります。
引用:関西空港検疫所
http://www.forth.go.jp/keneki/kanku/disease/dis02_07aer.html
航空性中耳炎の検査法
鼓膜を見ると、中耳腔が陰圧となっているため、鼓膜が内側にへこんでいる(内陥)状態が観察されたり、聴力検査や鼓膜の動きを調べる検査(チンパノメトリー)で病気の程度を確認することが出来ます。
引用:ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック
https://nagakura-ac.com/耳管狭窄症
航空性中耳炎の治療方法
軽症の場合は、水を飲む、アメなどをなめる、またはあくびをすることで症状が改善されます。これで改善されない場合や、やや重症の場合にはスキューバダイビングで用いられる「耳抜き」(バルサルバ法)を試みてください。ただし、あまり強くやると鼓膜を傷つけることになりますので、注意が必要です。
耳抜きの方法:最初に鼻をかみ(この時、偶然治ることもあります)、次に鼻をつまんで空気を吸い込み、口を閉じて吸い込んだ息を耳へ送り込みます。これを耳が抜ける感じがするまで数回繰返します。(あまり強くやると鼓膜に傷をつけ、逆効果となりますので注意して下さい。)どの方法も効果がなく、耳の痛みが緩和されない場合は、速やかに耳鼻科を受診してください。引用:関西空港検疫所
http://www.forth.go.jp/keneki/kanku/disease/dis02_07aer.html
●予防方法
・飛行機に乗る前に風邪やアレルギー性鼻炎の治療を受けておきましょう。またもし風邪やアレルギー性鼻炎の症状があったら、血管収縮剤入りの点鼻薬を搭乗前や下降前に使用するのがいいでしょう。