老視(老眼)の気になる症状、治療方法とは
老視(老眼)(読み方:ろうし、別名:ろうがん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
安里 良 医師 安里眼科 総院長
老視(老眼)とは
老視とは、遠くを見たり近くを見たり、自由にピントを変える力が衰えることによって起こるもので、近くのものを見る際に困難をきたした状況をさします。
昔から俗に「老眼」と呼ばれています。引用:日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_roshi.jsp
老視(老眼)の症状
だいたい40歳頃から、早い人では30代半ばから老眼が始まり、近くの物がぼやけたりにじむようになります。老眼が始まると65歳くらいまで症状が進行し、その後はゆるやかになります。本や新聞を目から30cm以上離さないと読みにくく感じたら、老眼が始まっている証拠です。目が無理にピントを調節しようとするために目が疲れやすくなり、暗い所ではより見えにくく、肩こりや頭痛をともなうこともあります。
引用:タケダ健康サイト
https://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=rougan
老視(老眼)の原因
老眼は病気ではありません。エイジング(年齢を重ねること)に伴う生理現象のひとつで、誰にでも起こる目の老化現象に過ぎません。
老眼とは、モノを見るときにピントを合わせる目の調節機能の衰えが原因で起こります。つまり、レンズの役目をしている「水晶体」が硬くなり、弾性力が低下して、近くを見るときに必要な“調節”ができなくなる状態をいいます。引用:参天製薬
http://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/hyperopia/index3.jsp
老視(老眼)の検査法
老眼(老視)も視力検査で評価します。が、この場合は近見視力検査といって30cmの距離でどこまで見えるかをチェックします。
引用:亀田グループ 医療ポータルサイト
http://www.kameda.com/patient/diagnostic/eye/index.html
老視(老眼)の治療方法
近用眼鏡(老眼鏡)を使用します。老眼鏡にもさまざまな種類があり、目的に応じて選ぶことができます。
(1) 近用専用の眼鏡
(2) 眼鏡レンズの上方は遠くを見るための、下方は近くを見るための二重焦点レンズ
(3) 中間距離も見えるようにした三重焦点レンズ
(4) 遠方と近方の境界が目立たないよう、段階的に変化していく多重累進焦点レンズ
また、最近は老視用のコンタクトレンズも販売されており、矯正方法の選択枝が増えました。引用:日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_roshi.jsp
治療方法としては、老眼鏡の使用が一般的です。老眼鏡には、近用タイプ(単焦点レンズ)と遠近両用タイプ(多焦点レンズや累進焦点レンズ)があります。また最近では、遠近両用コンタクトレンズも販売されています。
・遠近両用レンズ(多焦点レンズ)
多焦点レンズは、1枚のレンズに近用と遠用の2つの焦点を持ち、近視でかつ老眼の人には大変便利なものです。しかし、めまいや視力不良が現れる場合もあるので、眼科医に相談した上で利用しましょう。
●近視の人は老眼にならない?
一般に、近視の人は老眼になるのが遅く、遠視の人は老眼になるのが早いといわれていますが、この考えは正しくありません。
近視の人は老眼になっても、正視、遠視の人と比べて、もともと近いところにピントが合っているので、その分だけ水晶体の調節を必要とせず、見かけ上、老眼になっていないようにみえます。
また、近視の人は、近視用のメガネをかけた状態では、正視の人と何ら変わることはありません。近いところを見る場合には、正視の人が老眼鏡をかけるのと同じように、近視用のメガネをはずしたり、度を下げたりすることにより対処します。
老眼は、目の疲れを中心とした症状に身体の疲労が加わります。近くを見る作業を長く続けると、目や身体に疲れがたまります。あまり目が疲れやすいようであれば、眼科医に相談してみましょう。