ベーチェット病の症状・原因・治療方法とは?
ベーチェット病(読み方:べーちぇっとびょう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
川原 由宏 医師(川原眼科医院 院長)
ベーチェット病とは
ベーチェット病は、1937年、トルコの医師ベーチェットにより提唱された疾患である。口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、眼のぶどう膜炎、外陰部潰瘍の4症状を主とし、急性炎症発作を繰り返すことを特徴とする。
引用:順天堂大学医学部附属順天堂医院 膠原病・リウマチ内科
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/kogen/about/disease/kanja02_11.html
ベーチェット病の症状
・口腔粘膜のアフタ性潰瘍
4つの主症状のなかでも必発といえるのが口腔粘膜のアフタ性潰瘍です。口唇や舌、頬粘膜、歯肉などに円形の潰瘍ができ痛みを伴います。しかし、これだけでは診断に至らず、病院に来る方も少ないです。そのため、アフタ性潰瘍に加えて皮膚症状や眼症状が現れたときに初めてベーチェット病が疑われます。・皮膚症状
皮膚症状としては、前腕や下腿に結節性紅斑様皮疹といわれる紅く腫れた発疹がみられます。また、皮下にしこりのようなものができ痛みを伴います。
顔や頸、胸部、背部などに、ニキビのような皮疹ができることや、皮膚が敏感になって‟かみそりまけ“などを起こしやすくなることもあります。その他にも、血栓性静脈炎という、主に下腿の皮膚表面に近い血管に沿って赤くなる症状がみられることもあります。・外陰部潰瘍
男性の場合は、陰茎や陰嚢、亀頭に、女性の場合は膣粘膜や大小陰唇に痛みを伴う潰瘍がみられます。・眼症状
ベーチェット病においてもっとも重要な症状といえるのが、この眼症状です。
ほとんどの場合、両眼が侵され、何度も繰り返すうちに視力が0.1未満になってしまうなど視機能障害を起こし、失明に至るケースも多いです。ただし、現在は薬の開発も進んでいるため、失明まで至ることは減っています。これら4つの主症状に加えて、消化器病変や血管病変、関節病変、男性の場合は副睾丸炎などが現れる場合もあります。また、神経症状がでることもあり、全面に神経症状が現れる病型を「神経ベーチェット病」と呼びます。男性に多く、喫煙との関連も注目されている病型です。
引用:横浜市立大学附属病院
https://www.yokohama-cu.ac.jp/fukuhp/section/center_disease/behcet/index.html#05
症状は、しばしば再発性で片目がよくなるともう片方がなることが多いと言われています。
ベーチェット病の原因
現在のところ明らかな原因は不明です。近年の研究によりHLA-B51やA26との関連性や、そのほかの疾患感受性遺伝子(病気の発症と関連性の高い遺伝子)も報告されていることから、遺伝的な関与が原因の一部にありそうです。しかし環境因子(公害や化学物質など)やストレス、または口腔内細菌の関与も指摘されており、今後も原因解明に向けて研究を進める必要があります。
引用:帝京大学医学部内科学講座 リウマチ・膠原病グループ/研究室
http://www2.med.teikyo-u.ac.jp/rheum/?page_id=25
ベーチェット病の治療方法
粘膜や皮膚の病変には副腎皮質ステロイドの外用薬を使って治療します。しかし、症状の強い場合や発作頻度が多い場合、重篤な臓器病変を合併する場合の治療には炎症を抑えるために、コルヒチンや副腎皮質ステロイド・シクロスポリン・メトトレキサートなどの免疫抑制薬を使用します。特に眼病変による視力低下や特殊型(腸管・血管・神経)に対しては強力な治療を必要とします。難治性網膜ぶどう膜炎に対しては生物学的製剤であるTNFα阻害薬(インフリキシマブ)が保険適応となり、良好な治療成績が報告されています。
引用:帝京大学医学部内科学講座 リウマチ・膠原病グループ/研究室
http://www2.med.teikyo-u.ac.jp/rheum/?page_id=25
生物学的製剤は、生物が作り出すタンパク質をもとに作られる薬です。生物学的製剤を用いた治療は新しい治療で、ベーチェット病に対しても有効だと言われていますが、副作用など十分に注意することが必要です。