角膜潰瘍の症状や原因、治療方法をご紹介
角膜潰瘍(読み方:かくまくかいよう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
小島 孚允医師 小島眼科医院 院長
角膜潰瘍とは
角膜は、表面を覆う涙や上皮細胞で守られています。しかし感染、外傷など、何らかの原因により 、角膜の実質まで深く障害が及ぶ場合があります。この状態を角膜潰瘍といいます。自覚症状としては目の痛みなどをともないますが、この状態がひどくなると、角膜に穴があく角膜穿孔(かくまくせんこう)に至る場合があります。角膜実質障害の原因が感染性であればその治療を行います。症状が重い場合には角膜移植術を行うこともあります。
引用:千寿製薬
http://www.senju.co.jp/consumer/note/disease_kmk.html
角膜潰瘍の症状
白目の充血、痛み(ときに激痛もある)、目のごろつき感、流涙、眼脂の増加、視力低下などが主な症状です。
引用:ボシュロム・ジャパン
http://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-1/kyoumakunobyoki/corneal-ulcer/
角膜潰瘍の原因
原因は外傷やヘルペス、細菌、真菌(カビ)、アメーバなどによる感染が主たるものです。このほかに、免疫反応の異常による場合(蚕蝕性角膜潰瘍)、酸やアルカリが目に入って起こる場合(角膜化学腐蝕)、また糖尿病の合併症で知覚神経が障害されて起こることもあります。
引用:ボシュロム・ジャパン
http://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-1/kyoumakunobyoki/corneal-ulcer/
角膜潰瘍の検査法
医師は、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡(拡大鏡下に眼を診察できる器具)を使って潰瘍を評価します。潰瘍をよりよく観察するため、フルオレセインという黄緑色の色素を含む点眼薬が使用されることがあります。フルオレセインを使用すると、潰瘍で傷ついた部分に一時的に色がつき、普段は目に見えない角膜の損傷部が観察しやすくなります。
場合によっては、大きな潰瘍の表面をこすって病変のサンプルを採取することがあります。サンプルは、検査室で微生物を増殖させ(培養し)、これにより感染症を引き起こしている細菌、真菌、ウイルス、または原虫が特定されます。病原体が特定されると、医師はその感染症に最適な薬剤を選びます。
引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/20-眼の病気/角膜の病気/角膜潰瘍
角膜潰瘍の治療方法
角膜潰瘍は、速やかな治療を要する緊急事態です。
通常は、抗菌薬、抗ウイルス薬、または抗真菌薬を直ちに点眼する必要があり、その後も頻回の点眼、ときには1時間毎に1日中点眼しなければなりません。
アトロピンまたはスコポラミンなどの瞳孔を散大させる点眼薬は、痛みと合併症の発生を抑えるのに役立ちます。
角膜移植が必要となることもあります。引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/20-眼の病気/角膜の病気/角膜潰瘍