アレルギー性結膜炎、春季カタルの症状・原因・治療方法
アレルギー性結膜炎(読み方:あれるぎーせいけつまくえん)、春季カタル(読み方:しゅんきかたる)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
安里 良 医師 安里眼科 総院長
目次 -INDEX-
アレルギー性結膜炎、春季カタルとは
春季カタルはアレルギー性結膜炎の重症タイプで、青少年に多く発症します。アレルギー性結膜炎とは外来異物(アレルゲン、抗原)に対して、生態防御反応(アレルギー)が異常に亢進し、結膜に炎症を引き起こす病気です。アトピー体質(アレルギー反応を起こしやすい体質)の人にはとくに多く見られます。外来異物としては花粉、真菌(カビ)、ダニ、ハウスダスト、動物の毛などがあげられますが、花粉については季節性があります。
引用:ボシュロム
http://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-1/ketsumakunobyouki/vernal-conjunctivitis/
アレルギー性結膜炎、春季カタルの症状
症状の最たるものは掻痒感(かゆみ)で、結膜充血、浮腫、異物感、眼脂、眼瞼腫脹なども見られます。ときとして角膜(黒目)に傷ができることもあります。春季カタルに特異的な病変の一つは、上眼瞼結膜(上まぶたの裏側)にブツブツ(乳頭)ができることで、重症例では大きなブツブツ(巨大乳頭)となります。これは石垣状巨大乳頭と呼ばれています。
引用:ボシュロム
http://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-1/ketsumakunobyouki/vernal-conjunctivitis/
アレルギー性結膜炎、春季カタルの原因
私たちの身体には、体内に入ってくる異物を排除しようとするはたらきがあり、このはたらきのことを免疫といいます。本来、花粉などは異物と感じないしくみになっているのですが、アレルギー体質だと異物と認識して、免疫反応がはたらいてしまいます。この過剰な反応のことを、アレルギー反応といいます。
主なアレルゲンには次のようなものがあります。
スギ花粉(時期:1~5月)
ヒノキ花粉(時期:3~5月)
カモガヤ花粉(時期:5~7月)
ブタクサ花粉(時期:8~10月)
ハウスダスト(チリ、ホコリ、ダニ、カビなど)(1年中)
動物の毛(1年中)
コンタクトレンズの汚れ(1年中)引用:参天製薬
http://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/allergic_conjunctivitis/index2.jsp
アレルギー性結膜炎、春季カタルの検査法
アレルギー性結膜炎は、充血やかゆみなどの症状や結膜の状態から診断します。客観的に確定診断をするには、結膜上皮細胞を擦過採取し、顕微鏡で好酸球(アレルギーで出てくる炎症性細胞)がいるかどうかを観察する必要がありますが、実際の診療では涙液中、血清中の免疫グロブリンであるIgE量を測定して診断(準確定診断)します。採血をして血清中の抗原特異的IgE抗体濃度を測定することは、どの抗原に反応しているかを知ることができ、予防や治療の際に非常に有益な情報を得られます。
引用:慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイトKOMPAS
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000192.html
アレルギー性結膜炎、春季カタルの治療方法
眼科で行われるアレルギー性結膜炎の治療の基本は、薬物療法となります。薬物療法の目的は、日常生活に支障がないように、かゆみの症状を軽くすることが中心となります。
治療には、抗アレルギー点眼薬(抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエータ遊離抑制薬)が、主に使われます。重症の場合には、ステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬などを使用する場合があります。引用:参天製薬
http://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/allergic_conjunctivitis/index3.jsp
こういった症状をお持ちの方は、眼科専門医を受診されることをお勧めいたします。