涙腺腫瘍の症状・原因・治療方法をご紹介
更新日:2023/03/27

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涙腺腫瘍とは
涙腺腫瘍は涙腺から発生する悪性の腫瘍で、放置しておくと、腫瘍が大きくなり、疼痛、視力障害などを起こすばかりでなく、腫瘍細胞が全身に転移を起こし、生命を失う危険性があります。
引用:放射線医学総合研究所病院 http://www.nirs.qst.go.jp/hospital/conform/conform_11c.shtml
ドクターの解説涙腺は眉毛の部分の奥にある涙を作る組織です。涙がよく出る患者さんは、症状として「涙腺が詰まっている」という言い方をしますが、涙腺は目尻の眉毛の上辺りにあるため、目頭から鼻に抜ける鼻涙管とまちがえていることが多いです。
涙腺腫瘍は眼窩腫瘍の6%〜25%を占めると言われています。
涙腺腫瘍の症状
腫瘍が大きくなると眼球が押されて偏位しますが、視力はあまり落ちないため腫瘍が大きくなるまで発見されないことも少なくありません
引用:国立がん研究センター 希少がんセンター https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/eye_tumor/index.html
ドクターの解説症状としては、無症状です。
人に顔つきが変わったと言われ、眼科を受診して腫瘍が見つかった例もあります。
涙腺腫瘍の原因
腫瘍はこれらの組織で発生することもあれば、体のほかの部位にできた悪性腫瘍がこれらの組織に広がる(転移する)こともあります。
引用:MSDマニュアル家庭版 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/20-眼の病気/眼窩の病気/眼窩の腫瘍
涙腺腫瘍の検査法
CTやMRIで腫瘍を確認しますが、骨が破壊されている場合には悪性腫瘍の可能性が高いと判断します。
引用:国立がん研究センター 希少がんセンター https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/eye_tumor/index.html
ドクターの解説涙腺癌の場合、CTで確認すると約8割に骨破壊の所見が見られるため、CTでの診断価値は高いと言えます。
涙腺腫瘍の治療方法
その一般的な治療方法としては、手術療法が主体になっています。癌の広がりに応じて眼球を残したまま腫瘍を取る手術が行われることもありますが、多くの患者さんに眼窩内容除去術という眼球を含めた眼窩内の組織を全て取り去る手術が行われます。通常、放射線療法や化学療法だけで治癒を目的とした治療が行われることはなく、手術と組み合わせて取りきれなかった癌細胞の増殖を抑えたり、再発を予防する目的で用いられています。
引用:放射線医学総合研究所病院 http://www.nirs.qst.go.jp/hospital/conform/conform_11c.shtml
ドクターの解説涙腺腫瘍の中でも腺様嚢胞癌の場合は、5年生存率は50%、10年生存率は20%と言われていて予後の悪い病気です。また手術後もMRIやPET-CTで一生涯定期検査が必要と言われています。
