片頭痛の症状・原因・治療方法についてご案内
片頭痛(読み方:へんずつう)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
相澤 摩周 医師(医療法人相沢内科医院 院長)
片頭痛とは
血管が拡張することでズキズキとした拍動性の痛みが生じるのが片頭痛です。
主にこめかみから目のあたりが発作的に痛み、痛みの発作は4時間~数日間続きます。
片側に現れることが多いですが、両側から痛むこともあり、痛みが起きると、光や音、においに敏感になるのが特徴です。
女性ホルモンと関連があるため女性に多く、20~40代女性に起こりやすい頭痛とも言われています。
片頭痛の症状
片頭痛の症状は発作的にひどい頭痛が現れて、数時間から2~3日持続します。典型的片頭痛では、頭痛に先立つ症状として目がチカチカしてギザギザした光が見えたり、閃輝暗点を伴うことがあります。続いて片側あるいは両側がズキンズキンと激しく痛む症状が現れ、吐き気を伴うこともあります。また、頭痛の最中に体を動かすなどして頭の位置を変えると痛みが悪化するのも片頭痛特有の症状です。典型的片頭痛の他に、前ぶれがなく頭全体が痛む普通型片頭痛もあります。
片頭痛の原因
片頭痛は、他の人よりも神経系が敏感な人、すなわち脳の神経細胞が刺激されやすく電気的な活動が生じやすい人に起こります。脳全体に電気的な活動が広がると、視覚、感覚、バランス維持、筋肉の協調運動、発話などの様々な機能に、一時的な障害が起こります。このような障害により、頭痛の前に様々な症状(前兆)が引き起こされます。頭痛は第5脳神経(三叉神経)が刺激されたときに起こります。第5脳神経は、眼、頭皮、前頭部、上まぶた、口、顎から脳に向かって信号(痛みに関する信号を含みます)を送ります。この神経が刺激を受けると、痛みを伴う炎症を引き起こす物質が脳血管と脳を覆う組織層(髄膜)に放出されます。この炎症によって、ズキズキする頭痛、吐き気、嘔吐、光や音に対する過敏性を説明することができます。
引用:MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/09-脳、脊髄、末梢神経の病気/頭痛/片頭痛
片頭痛の検査法
片頭痛の診断は国際頭痛学会の診断基準を確認して行います。日本では成人の8.4%、約840万人が片頭痛にかかっていると報告されています。
前兆のない片頭痛の診断基準(国際頭痛分類第2版、2004年)
A. B~D を満たす頭痛発作が5 回以上ある
B. 頭痛の持続時間は4~72 時間(未治療もしくは治療が無効の場合)
C. 頭痛は以下の特徴の少なくとも2 項目を満たす
1.片側性
2.拍動性
3.中等度~重度の頭痛
4.日常的な動作(歩行や階段昇降などの)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける
D. 頭痛発作中に少なくとも以下の1 項目を満たす
1.悪心または嘔吐(あるいはその両方)
2.光過敏および音過敏
E. その他の疾患によらない
片頭痛の治療方法
片頭痛の治療は大きくわけて2種類あります。頭痛発作がおこった時になるべく早く頭痛鎮めるための治療法を急性期治療(頓挫療法)といいます。もうひとつは頭痛がある日もない日も毎日お薬を飲んで頭痛発作を起こりにくくし、また、頭痛発作が起こっても軽くすむようにするための予防療法です。発作回数が月に数回以内で、片頭痛発作による生活への悪影響があまりなければ急性期治療を中心にします。発作回数が多い場合や、生活への影響が強ければ急性期治療と予防療法を組み合わせて治療をします。予防療法の効果が現れるまでに、通常1~2ヵ月の期間がかかりますので、少なくとも2ヵ月は継続してみて、効果を判定してください。