薬物依存の症状・原因・治療方法について
薬物依存(読み方:やくぶついぞん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
高橋龍太郎 医師(タカハシクリニック 院長)
薬物依存とは
薬物依存症とは、薬物の効果が切れてくると、薬物が欲しいという強い欲求(渇望)がわいてきて、その渇望をコントロールできずに薬物を使ってしまう状態をいいます。薬物依存ともいいます。
古くは薬物中毒と呼ばれてきましたが、それは薬物依存という概念が確立されていなかった時代のことで、現在は薬物乱用、薬物依存、薬物中毒という3つの概念を分けて考えることが大切です。
引用:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」
薬物依存の症状
薬物の乱用をくりかえすと、薬物依存という「状態」におちいります。
薬物依存という状態は、WHOにより世界共通概念として定義づけられています。簡単にいえば、薬物の乱用の繰り返しの結果として生じた脳の慢性的な異常状態であり、その薬物の使用をやめようと思っても、渇望を自己コントロールできずに薬物を乱用してしまう状態のことです。引用:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」
薬物依存の原因
今日、この薬物依存の原因として、脳内の神経系の異常が明らかになっています。
脳のどの部分に作用するかは、薬物によって異なります。しかし、どの薬物であっても、依存性のある薬物というからには、中脳の腹側被蓋野から側坐核に至る脳内報酬系と呼ばれるA10神経系に共通して異常が起きていることが明らかになっています。
このA10神経系で最も主要な役割を果たす神経伝達物質がドパミンです。引用:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」
薬物依存の検査法
診断は、本人・家族などからきちんと使用薬物やその使用状況、離脱症状の経過などが聴取できれば、比較的容易です。
合併する肝臓障害、末梢神経障害などの身体障害や精神障害は、それぞれ専門的な診断を必要とします。
静脈内注射による使用者では、とくにB型・C型肝炎、HIV感染をチェックする必要があります。引用:gooヘルスケア
https://health.goo.ne.jp/medical/10420200
薬物依存の治療方法
中毒性精神病が発病していれば、まず精神科病院に入院して、依存対象の薬物から隔離(かくり)・禁断することと、幻覚・妄想などの精神病症状を抗精神病薬によって治療することが必要です。
本人が承諾しない時は、家族の依頼と精神保健指定医の診断によって医療保護入院で対応します。
中毒性精神病を合併しない場合では、できるだけ本人から治療意欲を引き出して、任意入院で対応するのが原則です。
薬物依存の治療には、認知行動療法が有効です。
薬物依存者の薬物中心の生活に巻き込まれ、イネイブラーの役割を演じている家族などが、自分の行っている余計な支援にきちんと限界を設けて、薬物依存の過程でみられる各種の問題の責任を依存者自身に引き受けさせるようにしていけば、依存者は「底付(そこつ)き体験」をすることによって断薬を決意します。
底付き体験とは、社会の底辺にまで身をおとすということではなく、自分の本来あるべき姿(同級生の現状で代表される)と現在の自分の姿を比較するなどして、このままではどうしようもないと自覚することをいいます。
さらに、断薬継続のためには、NA(ナルコティクス・アノニマス)などの自助グループのミーティングに参加することが有効です。引用:gooヘルスケア
https://health.goo.ne.jp/medical/10420200