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自閉症の症状や原因、治療方法とは?

 更新日:2023/03/27
自閉症

自閉症とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントを交えつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

自閉症とは

自閉症や広汎性発達障害、アスペルガー症候群などのいろいろな名称で呼ばれていましたが、現在は自閉症スペクトラムというまとめられた診断名に統合されています。

自閉症スペクトラムは、対人関係が苦手で、興味や活動が偏るなどの特徴をもつ発達障害の一つです。

自閉症スペクトラムの人は、100人に1人程度いると報告されています。性別では男性に多く、女性の約4倍の発生頻度です。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説
自閉症スペクトラムには、精神疾患や身体疾患の併存が多く認められます。
約70%以上の人が1つの精神疾患を、40%以上の人が2つ以上の精神疾患を有しているといわれています。
特に、知的障害が多いといわれ、他には注意欠如・多動症、発達性協調運動症、不安症、抑うつ障害、学習障害などが併存疾患として挙げられます。また、身体疾患としては、てんかん、睡眠障害、便秘などを合併しやすいと言われます。

自閉症の症状

重症度はさまざまですが、言語やコミュニケーションの障害が多く認められます。

子どもの頃から同年代の人と交流することが苦手であることが多く、こだわりも強く見られます。
専門用語や四文字熟語の意味を理解しないで使用すること、自分の話したいことを一方的に話し続けること、など偏ったコミュニケーションをとることもあります。

それぞれの特性の強さや症状については個々人によって異なります。成長するにつれて特性が変化することもあります。

しかし、先天的な問題であるため完全に特性をなくすことは難しいとされています。

自閉症の原因

原因は不明です。
さまざまな遺伝的研究によると、生まれつきの脳機能の違いが影響していると考えられています。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

子どもの育て方やしつけが悪かったのだろうかと、ご自身を責めて悩まれる親御さんもいらっしゃいますが、その必要はありません。明確な原因はわかっていませんが、先天的な感情や認知といった部分に関与する脳の異常ではないかといわれています。

自閉症の検査法

問診や心理検査などを通して診断されます。

幼児であれば遊んでいる様子の観察などを通して、どのような種類の症状が現れているのか、またその程度について判断して診断することになります。

自閉症の治療方法

自閉スペクトラム症の治療の基本は治療教育になります。

環境を調整して個々人のペースに合わせた療育を行って、本人の力を引き出します。できることを少しずつ増やし、生活上の困難を減らす助けになります。

興奮やこだわり、多動などで問題が起こる場合には、薬物治療を行うこともあります。

コミュニケーション障害によって生じた被害感などによって、問題行動が見られることもありますが、その背景にある環境を改善していくことが必要です。

村上友太 医師 東京予防クリニックドクターの解説

自閉症スペクトラムの根本的な原因に対して治療することは、現在の医学では不可能です。できるだけ早く個々の特性を理解して、生活習慣や環境を整えることで、精神的な不安定性を軽減させることが大事になります。

自閉症の予防法

子どもが自閉症であると診断された場合に、親は子どもの発達を否定的に捉えることはせず、本人の特性を理解して、療育などの丁寧な教育的な支援を行うことが大切です。

また、本人が受ける過剰なストレスによって生活の中で挫折感を味わう可能性もあります。それに伴って何らかの身体症状や精神症状を発症したり、周囲とのトラブルに発展したりする可能性もあります。

これらの対策としては、本人の特性を理解して安心できる環境を整えることや、早めから専門家のサポートにつなげることが重要です。

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