大腸がんの症状や検査方法、治療方法とは?
大腸がん(読み方:だいちょうがん)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。
この記事の監修ドクター:
藤田 亨 医師(皿沼クリニック 院長)
大腸がんとは
大腸がんは、長さ約2mの大腸(盲腸・結腸・直腸・肛門)に発生するがんで、日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいといわれています。
大腸粘膜の細胞から発生し腺腫(せんしゅ)という良性のポリープの一部ががん化して発生したものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。粘膜の表面から発生したあと、大腸の壁に次第に深く侵入していき、進行するにつれてリンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移します。引用:国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/
大腸がんの症状
早期の段階では自覚症状はありませんが、多い症状としては、血便、下血、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、原因不明の体重減少などがあります。中でも出現の頻度が高い血便については、痔(じ)などの良性疾患でも同じような症状が起こるため、大腸がんの早期発見のためには早めに消化器科、胃腸科、肛門科などを受診することが大切です。時には、がんによる腸閉塞(へいそく)症状から嘔吐(おうと)などでがんが発見されることや、大腸がんの転移が、肺や肝臓の腫瘤(しゅりゅう)として先に発見されることもあります。
引用:国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/
大腸がんの原因
生活習慣に関わる大腸がんのリスク要因として、運動不足、野菜や果物の摂取不足、肥満、飲酒などが挙げられています。
この20年で大腸がんによる死亡数は1.5倍に拡大していて、生活習慣の欧米化(高脂肪・低繊維食)が関与していると考えられています。
また、大腸がんの家族歴がある方はリスクが増加します。腫瘍性大腸炎を長期間患う事でも大腸がんのリスクを高めます引用:日本医師会
https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/largeintestine/cause/
大腸がんの検査法
検査:便潜血検査
大腸がんでは、排便時に大腸粘膜にできたがんに便が接触し出血することで、便に血液が付着することがあります。便潜血(べんせんけつ)検査は、便の表面を採便棒でこすり採り、便に混じった出血を見つけるための検査です。
自覚症状がない早期にがんを発見できる検査法として、一般的に40歳以上を対象とした大腸がん検診などで広く行われています。
便潜血検査で陽性(+:出血反応あり)となった場合には、病気の有無を確認するため、必ず大腸内視鏡検査を行います。
※癒着などにより大腸内視鏡検査を行うことが困難な場合は、注腸X線検査を行うことがあります。検査:大腸内視鏡検査
内視鏡検査は先端にCCD(固体撮影素子)を搭載した電子スコープを用いて、直接、消化器粘膜を観察する方法です。
内視鏡検査は病巣(びょうそう)部を直接観察できることが大きな特徴です。主病巣の位置や大きさだけでなく、病巣の拡がりや表面の形状(隆起(りゅうき)や陥凹(かんおう))、色調などを詳しく観察します。また、色素内視鏡検査といい、発見困難な凹凸のない病巣は色素と呼ばれる染色液を使って探す方法もあります。
もう1つの内視鏡検査の大きなメリットは、直接細胞を採り(生検:せいけん)、病理(びょうり)検査ができるため、病気の判定に役立っています。
大腸内視鏡検査では、通常約1日分、便秘の方で2~3日分の便が腸内にたまっているため、事前に腸内を空にしなくてはなりません。そのため通常当日に下剤を服用し、腸のなかの残留物をきれいに洗い流します。肛門から大腸内視鏡を挿入し、腸粘膜表面の様子をモニターで観察します。大腸がん、大腸ポリープ、大腸炎などの疑いがあれば、一部を採取し組織検査をします。進行型大腸がんの約80%は潰瘍型なので、潰瘍とそれを囲む堤防様にがんができていることが発見できます。
また、粘膜下層への浸潤(しんじゅん)の深さを調べるため、大腸用超音波内視鏡が用いられることもあります。引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/large-intestine/large-intestine-cancer/02.html
大腸がんの治療方法
大腸進行がんの第一の治療法は、外科的にがん細胞を取り去ることです。
今日では、早期がんは開腹手術せずに大腸内視鏡で取り去ること(摘除:てきじょ)ができるようになり、早期大腸がん全体の約60%は内視鏡による治療を行うようになりました。しかし、大腸内視鏡で摘除できないないがんは、深達度(しんたつど)、リンパ節への転移、遠隔転移(大腸がんの場合は肝臓と肺に転移する傾向)の3つの状態に基づいて切除範囲を決め、開腹手術を行います。
引用:オリンパス おなかの健康ドットコム
https://www.onaka-kenko.com/various-illnesses/large-intestine/large-intestine-cancer/03.html