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歯列矯正用アンカースクリューを用いたワイヤー矯正とは?通常の歯列矯正との違いや注意点を解説

 公開日:2026/01/23
歯列矯正用アンカースクリューを用いたワイヤー矯正とは?通常の歯列矯正との違いや注意点を解説

歯列矯正の技術は日々進化しており、近年では歯列矯正用アンカースクリューという小さなネジを用いる治療法が普及しています。
この記事では、歯列矯正用アンカースクリューを用いたワイヤー矯正の特徴や、従来の矯正治療との違い、そして治療を受けるうえでの注意点について解説します。

中山 雄司

監修歯科医師
中山 雄司(おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺)

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所属先:おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺
出身大学:大阪歯科大学歯科矯正学講座
経歴: 2012年3月 大阪歯科大学卒業
    2018年3月 大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了
    2019年4月 大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教
    2021年4月 大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任
    2024年6月 おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 開院
    2025年1月 大阪歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学)講師(非常勤)
取得資格:日本矯正歯科学会 認定医
所属学会:日本矯正歯科学会/ 近畿東海矯正歯科学会 / 日本舌側矯正歯科学会 / 日本顎変形症学会 / 近畿矯正歯科研究会

歯列矯正用アンカースクリューを用いたワイヤー矯正の特徴

歯列矯正用アンカースクリューを用いたワイヤー矯正の特徴

歯列矯正用アンカースクリューとはどのような器具ですか?

歯列矯正用アンカースクリューは、歯列矯正において矯正装置の固定源として顎骨に一時的に埋め込まれる、医療用の小さなネジです。
歯列矯正用アンカースクリューを使用することによって、従来の歯列矯正治療では動かしにくかった歯をより効率的に理想的な位置へと移動させることが可能になり、歯列矯正で対応可能な症例の幅が広がります。
歯列矯正用アンカースクリューは、軽く丈夫で安定性の高いチタンという金属で作られています。チタンはインプラント治療にも使用される金属で、金属アレルギーを引き起こしにくいことから安全性の高い治療が行えます。

どのようなケースでアンカースクリューを使用しますか?

アンカースクリューは、主に二つの目的で使用されます。一つは患者さんの負担を軽減して効率的に歯を移動するため、もう一つは従来の矯正治療だけでは困難な歯の移動を実現するためです。
具体的な症例としては、出っ歯のように前に突き出ている歯を大きく後ろに下げたいときや、抜歯した隙間を埋めるために奥歯全体を後ろに動かしたいとき、そして倒れている奥歯の傾きを改善したいときなどに使用されます。さらに、左右非対称の歯並びを細かく調整したい場合にも有効です。
小児矯正の場合は、患者さんがヘッドギアなどの自分で装着する口腔外装置を使いたくない、または使えないときの代替手段としてアンカースクリューが用いられることもあります。

ワイヤー矯正でアンカースクリューを使うメリットを教えてください

アンカースクリューを使用するメリットは多岐にわたります。
まず、治療時間の短縮があげられます。アンカースクリューを強固な固定源として矯正装置を装着することで、歯の移動をよりコントロールしやすくなり、治療効果が出やすくなるため、結果として治療にかかる時間が短くなります。
次に、ほかの歯列矯正方法では困難、あるいは治療自体が難しいとされた難症例でも、アンカースクリューを用いれば可能になることが、メリットに挙げられます。
歯が大きく重なっていたり、大幅な移動が必要な歯がある場合でも、アンカースクリューを埋め込むことで、狙った場所へ安定した力を加えて動かしやすくなります。

ワイヤー矯正でアンカースクリューを使うデメリットはありますか?

アンカースクリューは難症例の治療においてとても有効な手段ですが、使用するうえで知っておくべきデメリットやリスクも存在します。
まず、アンカースクリューは外科的な方法で顎骨に固定するため、埋め込んだ箇所が感染による炎症を引き起こす可能性があります。
また、アンカースクリュー自体に想定以上の強い力が加わったり、顎骨への固定が不十分だったりした場合に、破損したり、外れてしまったりすることがあります。そうなると当然ながら歯列矯正治療の進行に影響を与え、再度埋入する必要が生じるなど、身体的な負担も発生します。

さらに、アンカースクリューを埋入する際に、稀に健康な歯根を傷つけてしまう恐れがあります。これは、適切な位置に正確に埋め込むことができれば起こらないことですが、技術的に未熟な術者が行なった際に生じる可能性があるトラブルです。

このようなリスクをできるだけ抑えて安全性の高い治療を行うためには、経験豊富な歯科医師を選ぶことがとても重要です。

アンカースクリューを用いる場合のワイヤー矯正の流れを教えてください

治療はまず、レントゲンや歯科用CTなどによる検査を行い、アンカースクリューを埋め込むための適切な位置を決定します。スクリューがしっかりと固定され、外れたり破損したりしないようにするためには、この埋入位置の決定がとても重要です。
次に、実際にアンカースクリューを埋め込みます。局所麻酔をしたうえで、専用の電動ドライバーでゆっくりと回転させながら埋入します。施術は数分で終わり、麻酔が効いているため痛みはほとんどないといわれていますが、埋入時の振動を感じることはあります。

埋入後は、感染予防のために消毒を行います。埋入直後からアンカースクリューに歯を引っ張るためのゴムや金具をセットすることが可能ですが、傷跡の状態、安定性などを確認するため、しばらく期間を空けてから、アンカースクリューを使用した本格的な歯列矯正装置の取り付けを行うこともあります。
埋入当日は、麻酔が切れた後に痛みを感じる方もいれば、あまり痛みを感じないという方もいます。痛みが気になる場合は、歯科医院に連絡し痛み止めを処方してもらいましょう。通常は埋入して数日後に、アンカースクリューを併用した歯列矯正治療を開始する場合が多いです。

歯列矯正用アンカースクリューを用いたワイヤー矯正に関する疑問

歯列矯正用アンカースクリューを用いたワイヤー矯正に関する疑問

アンカースクリューによる治療は痛みが強いですか?

アンカースクリューを埋入した直後、麻酔が切れてから数時間後に痛みを感じることがあります。しかし、その場合も数時間から1〜2日後くらいには痛みが引いていきます。
アンカースクリューが埋まっている箇所が、歯列矯正中に継続して痛むということはありません。

まれに、埋入した箇所が数日経ってから痛くなってくることがあります。この場合は埋入箇所が細菌感染などを起こして炎症している可能性があるため、すぐに歯科医院に相談することが必要です。

アンカースクリューが抜けてしまうことはありますか?

アンカースクリューが抜けたり、破損してしまったりすることはあり得ます。
適切に埋め込まれていれば自然に抜けることはありませんが、想定以上の強い力が加わったり、顎骨にしっかりと固定されていなかったりした場合に、アンカースクリューが抜けてしまう可能性があります。

アンカースクリューを使用すると追加費用がかかりますか?

歯科医院によって異なります。

ワイヤー矯正治療後にアンカースクリューの跡は残りますか?

アンカースクリューを外した後、傷跡が残ることはありません。
アンカースクリューによって骨にできた小さな穴は、数ヶ月かけて骨が再生していき自然に埋まります。その後は元の状態に戻り、外見上の傷跡も残りません。

編集部まとめ

編集部まとめ
歯列矯正用アンカースクリューは、ワイヤー矯正の可能性を大きく広げ、治療期間の短縮や難症例の治療を可能にするとても有効な手段です。しかし、外科処置を伴うため、感染や脱落などのリスクを理解し、そのリスクをできるだけ抑えるためにも、信頼できる経験豊富な歯科医師に相談することが何よりも重要です。

この記事の監修歯科医師

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