小児矯正はいつから始める?開始時期の目安と成長に合わせた治療の考え方

子どもの歯並びや噛み合わせが気になり始めたとき、「いつ頃から矯正を始めればよいのだろう?」と疑問を感じる保護者の方は少なくありません。小児矯正は、単に歯並びを整えるだけでなく、顎の成長を正しい方向へ導くという大切な役割を持っています。開始時期の目安や治療の考え方を正しく理解することが、お子さんの健やかな成長を支える第一歩となるでしょう。

監修歯科医師:
勝俣 弾(Smile Fit Dental Studio)
2010年 東京歯科大学水道橋病院 臨床研修医 修了
2011年 都内歯科クリニックにて勤務
2013年 横浜市内歯科クリニックにて勤務
2018年 同クリニックにて院長就任
2019年 勝俣歯科医院(現Smile Fit Dental Studioスマイルフィットデンタルスタジオ)にて副院長就任
2022年 勝俣歯科医院(現Smile Fit Dental Studio スマイルフィットデンタルスタジオ) 院長 ~ 現在に至る
目次 -INDEX-
小児矯正はいつから始める?開始時期の基本的な考え方

小児矯正の開始時期は「永久歯が生えてから」と考える方も多いかもしれませんが、実際にはそれよりも早い段階から対応できるケースが存在します。お子さんの口腔の状態や成長のペースによって、適切なタイミングは一人ひとり異なります。まずは基本的な考え方を整理しましょう。
小児矯正の開始時期は6〜9歳頃が目安とされる理由
一般的に、小児矯正の開始時期として6〜9歳頃が目安として挙げられることがあります。この時期は、乳歯から永久歯へと生え替わりが進む「混合歯列期」にあたり、顎骨がまだ柔らかく成長が活発です。骨格の成長を利用しながら治療を進めることができるため、顎の幅を広げたり、歯が正しく並べるようにスペースを確保したりするアプローチが取りやすい時期といえます。
口呼吸や舌を前に押し出す癖など、歯並びに悪影響を与える習慣が定着しやすいのも、まさにこの成長期です。こうした習慣を早期に発見し、改善に向けて働きかけることで、歯並びの乱れそのものを予防できる可能性があります。
永久歯が生えそろってからでは遅い場合もある
永久歯がすべて生えそろうのは、おおよそ12〜13歳頃です。この時期になると顎骨の成長がほぼ落ち着き、骨格的なアプローチは難しくなります。すでに形成された歯並びに対して歯を動かす「2期治療」が中心となり、場合によっては抜歯やワイヤー矯正が必要になることもあります。
成長を活かした治療を望むのであれば、永久歯が生えそろう前の段階で歯科医師に相談しておくことが望ましいでしょう。もちろん、永久歯が生えそろってからでも治療は可能ですが、選択肢の幅は成長期のうちに相談を始めた場合と比べると異なる場合があります。
歯並びだけでなく「顎の成長」と「お口の機能」を見るのが小児矯正
小児矯正の大きな特徴は、歯並びそのものよりも「顎の成長」と「お口の機能」を見据えた治療が可能な点にあります。顎が正しく発達し、お口の機能が正常に働いていれば、永久歯が正しい位置に並びやすくなります。逆に、口呼吸や悪い姿勢、舌の位置の異常など、お口の機能が正しく使えていないと、顎の成長が妨げられ、将来の歯並びに影響を及ぼすことがあります。
成長期の段階で顎の状態を評価し、必要に応じて骨格的なアプローチを加えることで、より自然な歯並びの獲得を目指すことができます。これが小児矯正が「大人の矯正とは異なる」といわれる理由です。
成長段階によって異なる小児矯正の治療ステップ

小児矯正は、成長の段階によって治療の内容や目的が変わります。大まかに「1期治療」と「2期治療」の2段階に分けて考えることが一般的です。それぞれの段階でどのような治療が行われるのかを理解しておくと、治療の見通しを立てやすくなります。
乳歯と永久歯が混在する時期に行う「1期治療」
1期治療は、乳歯と永久歯が混在している混合歯列期(おおよそ6〜12歳)に行われる治療です。この時期の主な目的は、顎の成長を正しい方向へ誘導し、永久歯がきれいに並ぶためのスペースを確保することにあります。取り外し可能なマウスピース型の筋機能装置や、顎の幅を広げるための顎顔面矯正装置などが用いられることがあります。
1期治療は、歯を動かすことよりも「土台となる顎を整える」ことが中心です。そのため、見た目の歯並びがすぐに大きく変わるわけではなく、治療の成果が現れるまでには時間がかかります。ご家庭での装置の装着や日々のトレーニングが治療の鍵となるため、保護者の方のサポートが欠かせません。
永久歯が生えそろった後の「2期治療」
2期治療は、永久歯が生えそろった後(おおよそ12歳以降)に行われる治療です。1期治療で整えられた顎の土台に、永久歯を正しい位置へ移動させることが主な目的となります。ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置を用いて、歯並びを整えていく段階です。
1期治療を適切に行っていた場合、2期治療が必要なくなったり、治療の範囲が小さくなったりするケースもあります。ただし、骨格的な問題が大きい場合や、歯が並ぶスペースが不足している場合には、2期治療でも抜歯や複雑な装置が必要になることもあります。
成長を活かした治療ができるのが小児矯正の特徴
大人の矯正治療では、顎の骨格そのものを大きく変えることは難しく、歯を動かすことに治療の中心が置かれます。一方、成長期にある子どもの場合、顎骨はまだ発育途中にあるため、骨格的な問題に早期からアプローチできるというメリットがあります。
成長の力を治療に活かせることが、小児矯正の大きな特徴です。顎の成長を正しい方向へ誘導しながら、歯並びの乱れを根本的な部分から改善していくという考え方が、小児矯正の根幹にあります。成長期を過ぎてしまうとこのアプローチが難しくなるため、早めの相談と適切なタイミングでの対応が求められます。
小児矯正を始める前に知っておきたいポイント

小児矯正を始めるにあたっては、「とにかく早く始めればよい」というわけではありません。お子さんの成長の状態や口腔内の状況をしっかりと見極めたうえで、適切なタイミングを判断することが大切です。
必ずしもすぐ治療を始める必要があるとは限らない
歯並びに乱れが見られるからといって、すぐに矯正治療を開始しなければならないとは限りません。子どもの口腔は日々成長しており、永久歯が生えてくる過程で自然に改善されることもあります。とくに乳歯の段階での多少のすき間や重なりは、永久歯への生え替わりとともに変化することがあるため、状態を注意深く観察することが重要です。
歯科医師の判断によっては、「今すぐ治療を始めるよりも、成長の経過を見守る方がよい」という結論になる場合もあります。焦って治療を始めるのではなく、まずは歯科医師に相談して現在の状態を正確に把握することが第一歩です。
成長に合わせて治療計画が変わることも
小児矯正では、治療計画が一度決まったとしても、成長の状況に合わせて内容が変更されることがあります。顎の成長の速度や方向、永久歯の生え方の変化などによって、当初の計画を見直す必要が生じる場合もあるのです。
このため、小児矯正は1ヶ月〜数ヶ月ごとに経過を確認しながら進める、長期的な取り組みとなります。保護者の方が治療の目的や経過についてしっかり理解し、歯科医師と継続的にコミュニケーションをとることが、治療を成功に導くうえで大切な要素となります。
早めの相談で適切なタイミングを判断
「まだ小さいから」「もう少し様子を見てから」と思っているうちに、治療の適切な時期を逃してしまうこともあります。気になることがあれば、早めに歯科医師に相談することが大切です。
相談の段階で必ずしも治療を始める必要はなく、「今は経過観察でよい」という判断になることもあります。大切なのは、専門家の目でお子さんの口腔の状態を定期的に確認し、適切なタイミングで必要な対応を取れるよう備えておくことです。
口腔機能を育て、小児矯正を成功に導くためのアプローチ

小児矯正を成功させるには、装置による治療だけでなく、歯並びの乱れを引き起こす根本原因、特にお口の機能の問題に対応することが不可欠です。口腔機能を正しく育てるためのアプローチは、治療の成果を大きく左右します。
歯胚抜歯で将来の歯並びへの影響を予防
「歯胚(しはい)」とは、まだ生えてきていない歯の芽のことです。将来的に歯並びの乱れや周囲の組織への悪影響が予測される場合、この歯胚の段階で抜去を行う「歯胚抜歯」という予防的処置が選択されることがあります。
歯胚抜歯は、すでに生えてきた歯を抜くよりも身体への負担が少ないとされており、将来の歯並びへの影響を早期に防ぐための選択肢です。ただし、適応の判断には精密な検査と歯科医師による慎重な評価が必要です。
上唇小帯・舌小帯(リップタイ・タングタイ)への対応とお口のトレーニング
上唇小帯とは上唇と歯茎をつなぐ帯状の組織のことで、これが過度に発達していると前歯の間にすき間(正中離開)が生じることがあります。舌小帯は舌と口の底をつなぐ組織であり、短すぎると舌の動きが制限され、発音への影響や舌を正しい位置に置けないことによる歯並びへの悪影響が生じることがあります。これらは、お口の“筋力低下”や“誤った使い方”のサインでもあります。
こうした機能的な問題は、矯正治療の効果を妨げる要因にもなります。状態によっては小帯の処置を行うとともに、専門的なトレーニングでお口の正しい使い方を再学習させることが、治療の重要な一環となります。
レーザーによる小帯切除と機能訓練の組み合わせ
小帯切除は、特に問題がなければ歯科用レーザーなどを用いて短時間で行うことができる処置です。上唇小帯や舌小帯の異常によって歯並びや機能に支障が生じている場合、切除により問題の改善が期待できます。さらに、切除後に舌や唇の正しい動かし方をトレーニングすることで、機能の再獲得を促します。
口腔の機能を正常化することは、矯正治療の土台を整えることそのものです。歯並びを整える装置治療と、原因にアプローチする機能訓練を組み合わせることで、治療全体の成果を高め、後戻りのリスクを減らす効果が期待できるでしょう。
お口の機能を育てる小児矯正ならSmile Fit Dental Studioにご相談を

お子さんの歯並びを土台から整えたいけれども、「どこに相談すればよいのか」と迷われる保護者の方も多いのではないでしょうか。東京都目黒区祐天寺にあるSmile Fit Dental Studio(スマイルフィットデンタルスタジオ)は、歯並びだけでなく口腔機能の発達まで見据えた小児矯正に取り組まれている歯科医院です。ここでは、お子さんの自然な成長を引き出すことを大切にした同院の特長を紹介します。
オーラルフィットネストレーナーによる小児矯正
「ポカン口」「口呼吸」「舌がいつも下にある」「正しくない飲み込み方」…これらはすべて、お口の“筋力低下”や“誤った使い方”が原因だといいます。Smile Fit Dental Studioは、その根本原因にアプローチする「オーラルフィットネストレーナー(OFT)」が、トレーニングを通じて口腔機能の改善をサポートされています。まるでパーソナルトレーナーが体幹を鍛えて姿勢や代謝を変えるように、オーラルフィットネストレーナーは、舌・唇・頬の筋肉を鍛え、呼吸や姿勢を整えることで、子どもたち自身の力で“健やかな成長”を引き出すお手伝いをしているそうです。
Smile Fit Dental Studioの矯正プログラムは、単に“歯並びを整えること”だけをゴールとして目指しているわけではないそうです。舌・呼吸・姿勢・飲み込み方といった機能の一つひとつを整えることで、結果として歯が“正しく並ぶ”方向へ導かれるといいます。矯正器具で無理に“力をかける”のではなく、子どもが本来持つ力が“正しく働けるようにする”のが、Smile Fit Dental Studioのプログラムだそうです。
さらに、口腔筋機能療法(OMT)も積極的に採用しています。これは、舌や唇・頬の筋肉の機能を改善し、歯並びにかかる力のバランスを整えることで歯を正しい位置へ導く治療で、長期的な歯並びの安定にも寄与するとされており、お子さんだけでなく成人の矯正治療にも取り入れているそうです。
根本治療を目指すオーダーメイドの治療計画

カウンセリングでは、なぜ歯並びが乱れたのかという根本原因を、歯科用CTなどを用いた精密な診査・診断に基づいて丁寧に説明されています。そのうえで、お子さん一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドのトレーニングプログラムを提案し、治療の選択肢を十分に理解して納得したうえで判断できるようサポートされています。
院内は木目を基調とした温かみのある待合室や、個室または半個室の診療室を備えており、プライバシーに配慮しながらリラックスして受診できる空間づくりにも配慮しているそうです。
口腔機能の改善が全身の健康につながる
Smile Fit Dental Studioが口腔機能の改善に重きを置くのは、それが歯並びだけでなく、全身の健康に深く関わるという考えからだそうです。例えば、口呼吸から鼻呼吸へ改善されると、睡眠の質が向上し、将来的には睡眠時無呼吸症候群のリスク軽減にもつながるといいます。
同院のプログラムでは、口周りの筋力トレーニングを中心に、舌や唇の使い方、呼吸や飲み込みの癖など、歯並びが悪くなる根本原因に働きかける「原因療法」を取り入れられています。患者さんが生涯にわたって自分の歯で食事を楽しみ、健やかに過ごせるよう、口腔から全身の健康を守り育てるという長期的な視点で診療を行われています。
お子さんの歯並びの根本原因から改善したい、成長の力を最大限に引き出してあげたいと考える保護者の方は、Smile Fit Dental Studioに相談してみてはいかがでしょうか。
Smile Fit Dental Studioの基本情報
アクセス・住所・診療時間
東急東横線 祐天寺駅 徒歩2分
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:30〜13:00 | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ▲ | ⚫︎ | ⚫︎ | ▲ | - |
| 14:30〜18:00 | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ▲ | ⚫︎ | ⚫︎ | ▲ | - |
▲:木曜日曜は月1〜2回診療(詳しくは診療カレンダー参照)
参考文献




