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軽度の受け口の治療方法|原因やセルフチェックなどわかりやすく解説!

 更新日:2026/01/31
軽度の受け口の治療方法|原因やセルフチェックなどわかりやすく解説!

軽度の受け口は、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音、将来の歯並びにも影響することがあります。特に軽度の場合は気付きにくく、成長とともに悪化するケースも少なくありません。

本記事では軽度の受け口について以下の点を中心にご紹介します。

  • 軽度の受け口とはどういう状態なのか
  • 軽度の受け口の原因
  • 軽度の受け口の治療方法

軽度の受け口について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

中山 雄司

監修歯科医師
中山 雄司(おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺)

プロフィールをもっと見る
所属先:おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺
出身大学:大阪歯科大学歯科矯正学講座
経歴: 2012年3月 大阪歯科大学卒業
    2018年3月 大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了
    2019年4月 大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教
    2021年4月 大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任
    2024年6月 おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 開院
    2025年1月 大阪歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学)講師(非常勤)
取得資格:日本矯正歯科学会 認定医
所属学会:日本矯正歯科学会/ 近畿東海矯正歯科学会 / 日本舌側矯正歯科学会 / 日本顎変形症学会 / 近畿矯正歯科研究会

軽度の受け口とはどういう状態?

軽度の受け口とはどういう状態?
軽度の受け口とは、上下の前歯の一部が逆に噛み合ってしまい、下顎がわずかに前へ出て見える状態を指します。骨格そのものに大きな異常があるわけではなく、前歯の被蓋が逆になることで起こるため、受け口のなかでも軽いタイプとされています。

お口を閉じたときの見た目の変化が少なく、横顔でも大きな違和感が出にくいため、周囲から気づかれにくいことが特徴です。そのため、成長期のお子さんでも本人が自覚していないケースが多く、学校生活や日常のなかで見過ごされやすい傾向があります。

噛み合わせや発音への影響は大きくありませんが、場面によっては声が少し出しにくい、言葉がこもる、前歯で噛みづらいといった軽い不便を感じることもあります。こうした小さな違和感が積み重なると、将来的な歯並びの乱れや顎への負担につながる可能性もあるため、早めに状態を把握することが大切です。

軽度の受け口の原因

軽度の受け口の原因
軽度の受け口にはどのような原因があるのでしょうか?
以下で解説します。

遺伝によるもの

受け口の原因として多いとされているのが、遺伝による影響です。親のどちらかが受け口の場合、子どもにも似た噛み合わせが見られることがあり、軽度の受け口もその一つとして起こりやすいと考えられています。

顎の形や大きさ、歯の並び方などは生まれつきの体質が影響することがあり、噛み合わせに微妙なズレが生じることにつながります。

また、成長の過程で下顎の発達が強かったり、上顎の成長がゆるやかだったりすることで受け口になる可能性もあります。

この場合でも、遺伝的な要因が関係していると考えられており、見た目の特徴と同様に、歯や顎の成長バランスにも遺伝が関係することがあります。

歯列の成長過程に起因するもの

歯が生える向きや位置がわずかにずれると、上下の一部の歯だけが反対に噛み合い、軽度の受け口につながることがあります。

例えば、歯が内側や外側に寄って生えたり、角度が傾いてしまったりすることで、受け口のような噛み合わせにつながる場合があります。

また、顎が発達していく成長期は骨がまだやわらかく、外からの力の影響を受けやすい時期です。頬杖や口呼吸、爪噛み、猫背の姿勢、舌で下の歯を押す癖などが長く続くと、少しずつ顎の形に影響し、受け口の原因となることがあります。

幼少期から習慣化した癖は力が弱くても積み重なることで歯列や骨格に変化を引き起こしやすく、噛み合わせの乱れにつながることが特徴です。

日々の癖によるもの

日常的な癖が積み重なることで、顎の位置や歯の向きに影響し、軽度の受け口につながることがあります。

成長期の顎は特に影響を受けやすく、弱い力でも癖が積み重ねると、噛み合わせが乱れやすくなるからです

低位舌により、常に舌が下顎にある状態だと下顎前歯を前方に押してしまい、反対被蓋になることがあります。また、顎を前に突き出す癖や、上唇を前歯で挟む癖は、前歯の傾きに影響し、上下の噛み合わせが逆転しやすくなります。

軽度の受け口かどうかセルフチェックする方法

軽度の受け口かどうかセルフチェックする方法
前歯をそっと噛み合わせたとき、上下の前歯が触れる場合は、受け口の程度が軽いことが多いとされています。反対に、前歯が届かず、前歯がどうしても噛み合わない場合は、中度以上の受け口が疑われます。

また、横から見たときに、下唇が大きく前に出ていないかも確認しましょう。大きな突出がなければ、軽度の範囲にとどまるケースが多い傾向にあります。ただし、前歯が噛み合っていても、顎が左右にずれている場合は軽度と判断しづらいことがあります。

セルフチェックは簡単に確認できる方法ですが、受け口の程度は検査によって正確に判断されます。「軽度の受け口かもしれない」と感じた場合でも、歯科医院での検査を受けると、噛み合わせの状態や治療が必要かどうかがより明確になります。

軽度の受け口でも放置しないほうがよい理由

軽度の受け口でも放置しないほうがよい理由
ここまで、軽度の受け口の原因やセルフで軽度の受け口であるかどうかをチェックする方法について解説してきました。
以下では、軽度の受け口でも放置しないほうがよい理由についてご紹介します。

一番に、まだ成長期の場合反対被蓋を放置しておくと、現時点では軽度であっても、成長とともに重度のものに変化していってしまいます。できるだけ早く反対被蓋を改善して上下顎の成長を正しい軌道に戻すことが重要になります。

口元の印象に影響があるから

受け口になると、成長とともに下顎が前に見えやすくなり、顔全体のバランスに変化が生じることがあります。顎が長く見えたり、しゃくれたような印象が強くなったりすることで、口元の見た目に自信を持ちにくくなる方も少なくありません。

そのため、写真で笑うときに口元を隠したり、人前で口を大きく開けることをためらったりするなど、日常の行動に影響が出ることもあります。見た目に関する悩みが積み重なると、気持ちの面で負担を感じることもあり、コンプレックスにつながるケースもみられます。

発音に支障が出るから

受け口の状態は、上下の歯の位置関係が通常とは異なるため、舌の動きや空気の通り道が制限されやすくなります。

その結果、“サ行”や“タ行”などの発音がぼやけたり、言葉がはっきりしにくくなったりすることがあります。特によく話す方や人前で話す機会が多い方にとっては、日常生活で不便を感じる場面が増えることもあります。

こうした発音のしづらさは自覚することが少なく、周囲から聞き取りづらさを指摘されて気付くケースもあります。噛み合わせが改善されると発音が安定することもあるため、気になる場合は歯科医院での相談が大切です。

咀嚼機能が低下する可能性があるから

受け口になると上下の歯がうまく噛み合わず、食べ物をしっかり噛み砕く動作が難しくなることがあります。噛む力が均等に伝わらないため、咀嚼に時間がかかったり、飲み込みにくかったりする可能性があります。

十分に噛めないまま飲み込む習慣が続くと、胃や腸などの消化器に負担がかかりやすく、体調面に影響を及ぼす原因になることもあります。日常の食事に関わる問題のため、生活の質にもつながる大切なポイントです。

歯や顎に負担がかかるから

受け口の状態は、噛み合わせに偏りが生じるため、特定の歯に力が集中しやすくなります。その結果、歯の表面がすり減ったり、ダメージが蓄積して欠けやすくなったりすることがあります。一度傷んでしまった歯は元の状態には戻らないとされているため、長期的には歯の寿命を縮める原因にもなりかねません。

また、前歯をうまく使って噛めないことで、奥歯や顎関節に過剰な負担がかかり、顎の痛みやお口が開けづらくなる顎関節症を引き起こす場合があります。噛み合わせの乱れが続くと顎周囲の筋肉にも負担が蓄積し、食事や会話に影響が出ることもあります。

むし歯や歯周病の原因になる可能性があるから

受け口の状態では、お口がきちんと閉じにくかったり、歯が重なって磨きにくい部分が生じたりすることがあります。その結果、歯みがきがしづらくなり、汚れが残りやすい環境になってしまいます。

また、口呼吸の習慣があると口腔内が乾燥し、細菌が増えやすい状態になります。この状態が重なることで、むし歯や歯周病、さらには口臭などのトラブルが発生しやすくなります。毎日のケアに影響が出やすいため、衛生面のリスクにも注意が必要です。

軽度の受け口の治療方法

軽度の受け口の治療方法
軽度の受け口は、顎の骨格に大きな問題が少ないとされているため、主に歯列矯正によって改善を目指せます。
具体的な方法について以下で詳しく解説します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットという装置を装着し、ワイヤーの張力を利用して歯を少しずつ動かしていく矯正方法です。取り外しができないタイプのため、装置の付け忘れがなく、しっかり歯を移動させられる点が特徴です。部分的な歯列矯正にも対応でき、治療開始までの準備期間が短いこともメリットとして挙げられます。

一方で、装置が見えやすいことや、初期に痛みを感じることがある点には注意が必要です。また、ブラケットとワイヤーの周囲は汚れが残りやすいため、普段より丁寧な歯磨きが大切です。目立ちやすさが気になる場合は、白く目立ちにくい素材の装置を選ぶことも可能とされています。

ワイヤー矯正は幅広い症例に対応できるため、軽度の受け口だけでなく、歯の移動量が必要な場合にも用いられている治療方法です。

裏側矯正(舌側矯正)

裏側矯正舌側矯正)は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かす方法で、矯正装置が外から見えにくい点が特徴です。見た目を気にせず治療を進めたい方や、仕事柄矯正装置を目立たせたくない方に採用されやすい治療法です。ワイヤー矯正と同様の力を用いるため、軽度の受け口にも対応できます。

ただし、装置が舌に近い位置にあるため、発音しづらく感じたり、舌が装置に触れて違和感が出たりすることがあります。また、裏側は歯ブラシが届きにくく、ケアにコツが必要です。

「マウスピースは続けられるか心配だけれど、表側のワイヤーは目立つので抵抗がある」という方には、おすすめの矯正方法です。

マウスピース型矯正

マウスピース型矯正は、透明なマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かしていく治療法です。取り外しができるため、食事や歯みがきの際に装置が邪魔にならず、口腔ケアをしやすい点が大きな特徴です。また、装置が透明で目立ちにくいため、周囲に気付かれず矯正を進めたい方にも適しています。

一方で、1日20時間以上の装着が必要となるため、継続して装着できるかどうかが重要です。つけ忘れや紛失があると治療期間が延びる可能性があるため、自己管理のしやすさも大切です。

以前は受け口には向かないとされていたマウスピース型矯正ですが、技術の進歩により、軽度の受け口であれば適応となるケースも多い傾向にあります。見た目の目立ちにくさと生活のしやすさを両立したい方に採用されている治療法です。

治療が難しいケース

軽度の受け口でも、原因によっては矯正治療のみでは改善が難しいことがあります。主な理由は骨格、外科的対応の必要性、噛み合わせの3つです。

まず、見た目では軽度に見えても、下顎の成長が強く、上顎の発育が弱いなど骨格自体に問題がある場合、歯の移動だけでは整えられません。こうした骨格性の受け口は遺伝の影響が多いといわれています。

さらに、骨格のズレが大きい場合には、噛み合わせや口元のバランスを整えるために外科手術が必要になるケースもあります。顎骨を合う位置に移動する手術と矯正を組み合わせる外科矯正が採用されることもあります。

また、噛み合わせの基準となる奥歯にズレがあると、部分矯正だけでは整わず、前歯だけ治しても再び乱れることがあります。このような場合は歯列全体の矯正が必要になります。

軽度の受け口の治療期間

軽度の受け口の治療期間
軽度の受け口で、歯の傾きのみを整える治療であれば、短期間での改善を目指せます。治療期間には個人差がありますが、1〜2年程度を目安に治療が進むことが多いとされており、部分的な矯正で対応できる場合では、より早い段階で変化が見られることもあります。

ただし、前述したとおり、治療期間には個人差があります。どの程度歯がずれているか、治療計画の内容、患者さんの日々のケアの状況などによって、進み方に違いが出ることがあります。途中で追加の装置が必要となるケースでは、期間が延びる可能性も考えられます。

無理のないスケジュールで治療を進めることで、負担も少なく継続しやすくなるでしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで軽度の受け口についてお伝えしてきました。軽度の受け口の要点をまとめると以下のとおりです。

  • 軽度の受け口とは、上下の歯の一部が逆に噛み合うことで、前歯がわずかに反対側へずれている状態のこと
  • 軽度の受け口の原因には、遺伝によるもの、歯列の成長過程に起因するもの、日々の癖によるものが挙げられる
  • 軽度の受け口の治療方法には、ワイヤー矯正、マウスピース型矯正裏側矯正舌側矯正)がある

骨格の問題が大きい場合は、矯正単独での改善が難しく、外科的処置が必要となることもあります。軽度の段階で気付き早めに対処することで、負担を抑えながら治療を進められるため、不安がある場合は歯科医院での検査と相談が重要です。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師

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