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裏側矯正(舌側矯正)の真実|見えないだけじゃない、その治療の難しさとは

 公開日:2025/10/31
裏側矯正(舌側矯正)の真実|見えないだけじゃない、その治療の難しさとは

裏側矯正舌側矯正)は歯列矯正治療の一つで、矯正装置が表面に出ないため、目立ちにくい矯正治療を行いたい方に選ばれやすい治療法です。
しかし、裏側矯正舌側矯正)は表側矯正よりも治療の難易度が高く時間もかかるといわれています。歯科医師の高い技術力や専門的な知識も必要な治療法です。
この記事では裏側矯正舌側矯正)の仕組みやほかの矯正法との違い、注意点、向いている人の特徴など、知っておきたい“真実”を解説します。

桃沢 尚

監修歯科医師
桃沢 尚(医療法人社団PEACHもも矯正歯科)

プロフィールをもっと見る
北海道大学歯学部 卒業
歯学博士[東京医科歯科大学]
東京医科歯科大学附属病院 矯正診療科 入局
日本矯正歯科学会 認定医・臨床指導医

2011年 もも矯正歯科 開設

裏側矯正(舌側矯正)とは?

裏側矯正舌側矯正)とは歯の裏側に矯正装置を取り付けて歯列を整える矯正方法です。ここでは、裏側矯正舌側矯正)の特徴や仕組みと併せて、ほかの歯列矯正方法との違いなどを解説します。

裏側矯正(舌側矯正)の特徴と仕組み

歯を支えているのは歯槽骨という骨です。矯正装置によって歯槽骨に刺激が加えられると、圧迫された部分の骨は吸収され、歯はその方向へと移動します。また歯が移動してできた隙間には新しい骨が作られます。この繰り返しで歯を正しい位置に移動させるのが矯正治療の仕組みです。なお、力が強ければ強いほど歯の移動が進むわけではありません。あくまでも負荷を加えることで起こる骨の吸収、再生のサイクルに合わせて歯を移動させることが重要です。
裏側矯正舌側矯正)はブラケットとワイヤーを歯の裏側に取り付け、ワイヤーの力を利用して歯を少しずつ移動させます。基本的な力のかけ方は表側矯正と同じですが、歯の裏側は凹凸が多く、装置を装着する位置が限られるため、より高度な設計と調整が必要になります。また、歯の裏側から力をかけることにより、前歯を奥に引く動きがしやすく、出っ歯(上顎前突)のような症例に対しては特に効果的とされています。ただし、歯の裏側は舌に近いため、装置による違和感や発音への影響が出やすいこともあり、一定期間の慣れが必要です。費用相場は1,000,000〜1,500,000円(税込)程です。

表側矯正やマウスピース型矯正との違い

矯正治療の違い
骨の吸収と再生の繰り返しで歯を移動させる仕組みは、表側矯正やマウスピース型矯正でも変わりはありません。では、それぞれの違いはどこにあるのでしょうか。
表側矯正は歯の表面に装着するため目立ちやすく、大きくお口を開けたり笑ったりすると矯正装置が見えてしまうデメリットがあります。ただし、幅広い症例に対応できるというメリットがあります。費用相場は700,000〜1,000,000円(税込)程です。
マウスピース型矯正は透明なマウスピースを装着するため、目立ちにくいというメリットがあります。また、裏側矯正舌側矯正)や表側矯正の矯正装置が取り外しできないのに対し、マウスピース型矯正は取り外しが可能です。食事や歯磨きなど必要に応じて取り外しができるのは大きなメリットですが、一日20時間以上装着する必要があり、徹底した自己管理が必要になります。マウスピース型矯正の費用相場は800,000〜1,100,000円(税込)程です。

裏側矯正は、見えにくさと治療効果を両立した治療法ではあるものの、専門的な知識と技術を要するため、提供できる歯科医院が限られているという現状もあります。矯正治療を行う際は、それぞれのメリット・デメリットを理解し、適切な治療方法を選択することが大切です。

裏側矯正(舌側矯正)には高度な技術が必要?

裏側矯正(舌側矯正)には高度な技術が必要?
裏側矯正舌側矯正)は専門性が高く、高度な技術が必要な治療です。裏側矯正舌側矯正)を希望する際は、経験豊富で専門性の高い歯科医師を選ぶのが重要です。
ここでは裏側矯正舌側矯正)が難しいといわれる理由を解説します。

裏側矯正(舌側矯正)が難しいといわれる理由

裏側矯正舌側矯正)が難易度の高い治療とされる理由のひとつは、歯の裏側という視認性の低い場所に装置をつけることにあります。歯の裏側は表側と比べて形状が複雑なため、装置の取り付けに高度な技術が必要になります。また、表側矯正であれば特殊なゲージを用いて肉眼でブラケットの位置付けが可能です。しかし裏側矯正舌側矯正)の場合、特殊なゲージがなく専門的な技術と経験が必要です。
さらに、表側矯正とはワイヤーの太さや歯にかかる力の方向も異なります。治療計画を立てる段階から矯正装置の設計に細かく注意する必要があり、この点からも難易度が高くなります。
歯の裏側は外周が狭いため、操作が制限されやすい点も難易度を高める要因です。歯の表側より裏側の方が全体の距離が短く、一つ一つのブラケットの間隔も狭くなります。そのうえで見えない部分に施術を行う必要があるため、細かい調整操作が求められます。
これらの要因から表側矯正と裏側矯正舌側矯正)は似たような施術に見えても、全ての矯正歯科で対応できる治療法ではないというのが現実です。

経験豊富で専門性を持つ歯科医師を選ぶべき理由

上記のような理由から、表側矯正と裏側矯正舌側矯正)は歯科医師の臨床経験数や技術によって治療に差が出る可能性が高いです。一般的に表側矯正よりも裏側矯正舌側矯正)の方が時間がかかるといわれているのもこれらの技術的な難易度が原因です。
経験豊富で専門性を持つ歯科医師や、裏側矯正舌側矯正)の症例数が多いクリニックであれば、患者さんごとの個別対応にも柔軟に対応できる体制が整っているといえます。また、精密な治療計画を立てるためには、3Dシミュレーションやデジタル技術を活用した設備が整っていることもポイントです。カウンセリングの段階で疑問や不安をしっかり聞いてくれ、納得できるまで説明してくれるかどうかも、信頼できるクリニックを見極めるうえでの大切な指標となります。
裏側矯正舌側矯正)の効果と安全性を引き出すためには、専門性の高い歯科医院選びが成功の鍵となります。信頼できる歯科医師に相談し、自分に合った矯正治療法を見つけましょう。

裏側矯正(舌側矯正)のメリット・デメリット

裏側矯正(舌側矯正)のメリット・デメリット
裏側矯正舌側矯正)に限らず、矯正治療にはそれぞれメリット・デメリットがあります。そのため、自身の生活スタイルや目的に合った方法を選ぶことが大切です。
ここでは裏側矯正舌側矯正)のメリット・デメリットを解説します。

【メリット】周囲から見えにくく審美性に優れている

裏側矯正舌側矯正)の大きなメリットは、矯正装置が外から見えにくいという点です。歯の裏側に矯正装置を取りつけるため、笑ったり話したりしても、矯正していることに気づかれにくくなります。特に、営業職や受付など人と会話をするケースが多い職種の方や、結婚式などのイベントを控えている方にとって、目立ちにくいことは大きな安心材料となるでしょう。
また、歯の表側のエナメル質への物理的な影響がないため、審美性に優れている点裏側矯正舌側矯正)の特徴です。

【デメリット】発音や装着感、ケアの難しさ

裏側矯正舌側矯正)のデメリットの一つとして、装着時の違和感があります。今まで何もなかった場所に矯正装置が取り付けられるため、舌癖があるとうっかり矯正装置に触ってしまったり、矯正装置を意識して違和感が強くなったりすることがあります。装置が舌に触れる位置にあるため、発音に影響が出ることがありますが、数週間で慣れるといわれています。
また裏側に矯正装置を装着するため歯磨きの際に十分な目視ができず、磨き残しが発生しやすい点もデメリットです。

【対処法】生活の中での工夫

発音や装着感などは、慣れてくるうちに改善するケースも多くあります。舌癖がある場合は、装置に触れないよう意識することで、舌癖の改善にもつながります。また磨き残しを減らすために、歯ブラシだけでなくデンタルフロスも使用して、丁寧に歯をケアすることも有効な手段です。
このほかにも矯正装置に食べ物が詰まったり挟まったりしないよう、食生活を見直すことも効果的です。繊維質な食べ物や粘着質な食べ物などは歯列矯正中はなるべく控えるようにしましょう。また煎餅やナッツ類などの固い物も矯正装置の故障につながるので控えた方がよい食品です。
裏側矯正舌側矯正)は審美的なメリットがある一方で、デメリットや注意点も伴います。ただし、適切な対策を講じれば、これらは十分に乗り越えられるものです。大切なのは、自分に合った治療法を理解し、適切な治療法を選択することです。

裏側矯正(舌側矯正)に向いている人は?

裏側矯正(舌側矯正)に向いている人は?
裏側矯正舌側矯正)は、矯正中の見た目が気になる方にとって魅力的な治療法ですが、全ての方に適しているわけではありません。ここでは、どのような方が裏側矯正舌側矯正)に向いているのか、具体的な特徴やライフスタイルの面から紹介します。

裏側矯正(舌側矯正)に向いている人の特徴

裏側矯正舌側矯正)に向いているのは、以下のような方です。

  • 接客業や営業職など人と接する機会が多い方
  • 面接や結婚式などのイベントを控えている方
  • スポーツをする方や管楽器などを演奏する方
  • 審美性を重視する方

周囲から矯正装置が見えにくい裏側矯正舌側矯正)は、人と接する機会が多い方におすすめの矯正治療法です。また、面接や結婚式などのイベントを控えている方も、矯正装置を見せたくない場合の有効な治療法だといえるでしょう。このほかにも接触の多いスポーツをする方や、トランペットなど管楽器を演奏する方も、口内を傷つけにくい裏側矯正舌側矯正)が向いています。
また、ホワイトニングを併用したい方や、エナメル質への影響が少ないため治療後の歯の見た目まで気にする方など、審美性を重視する方にも適しています。

注意が必要なケース

裏側矯正舌側矯正)は、発音に敏感な方や違和感に弱い方は注意が必要です。最初は「話しづらい」「舌が当たって痛い」と感じる方もいます。これは時間とともに慣れることが多いものの、ストレスを感じやすい方は負担になるかもしれません。
また、骨格的な問題や重度の噛み合わせの不正がある方は、裏側矯正舌側矯正)だけでは理想的な治療結果を得られない場合もあります。どの治療法が適しているか専門の歯科医師による精密な診断を受け、自分に合った矯正方法を見極めることが大切です。

裏側矯正(舌側矯正)ならもも矯正歯科にご相談を

もも矯正歯科
裏側矯正舌側矯正)は、見た目を気にせずに歯並びを整えられる治療法ですが、高度な技術と丁寧なサポートが求められます。だからこそ、治療を任せる歯科医院選びが重要です。JR大森駅から徒歩1分にあるもも矯正歯科は、矯正治療に特化したクリニックならではの経験と体制が整っており、患者さん一人ひとりに寄り添った丁寧な治療を行っています。
審美性だけでなく、長期的な歯並びの安定と口腔内の健康を重視した歯列矯正を行っているもも矯正歯科の特長を紹介します。

経験豊富な日本矯正歯科学会 認定医・臨床指導医による矯正治療

矯正治療は、科学的な分析と実践の積み重ねをもとに治療方針を決定することで信頼性を生み出します。単にでこぼこの歯を並べるのではなく、噛み合わせや顎関節、筋肉の相互機能的な調和なども考慮し、長期的に安定した噛み合わせと歯並びを残すことが重要です。さまざまな治療学と診断学を組み合わせ、審美面だけでなく健康面も考えた根本的な矯正治療が必要になります。
もも矯正歯科では、20年以上矯正臨床に携わっている日本矯正歯科学会 認定医・臨床指導医である経験豊富な歯科医師が矯正治療を行います。特に裏側矯正は、装置の設計や力のかけ方、歯の動きの予測まで高度な技術が必要となるため、経験豊富な歯科医師の存在はとても心強いものになるでしょう。初回のカウンセリングから治療後のフォローアップまで、全て同じ歯科医師が一貫して診療にあたるため、安心して通院できるのではないでしょうか。

清潔な環境と新しい設備で快適な治療空間

もも矯正歯科
もも矯正歯科は診療設備にもこだわり、精密な分析ができる3Dスキャナーや、治療後のシミュレーションが可能なソフトなど、新しい機器を導入しています。口腔内スキャナーを使用してデジタルに歯型を取るだけでなく、頭部X線装置や歯科用CTなどの先進的な設備を取り入れ、治療結果の精密な予測を提示することで安心感の高い治療環境を整えています。また、治療の精度を高めるだけでなく、患者さんにもわかりやすく治療内容を説明しているそうです。
院内は白と木目を基調とした温かみのある雰囲気で、リラックスして治療を受けられるよう配慮されているだけでなく、感染対策も徹底し使い捨て器具の使用や器具の滅菌処理、空気清浄機の設置など、安全面にも細やかな配慮がなされています。

患者さんに合わせた丁寧なカウンセリングと治療計画

矯正治療は、ほとんどの方が初めて経験する歯科治療です。また期間も長く、患者さんが不安に感じるケースも少なくありません。そのため、もも矯正歯科では患者さんとの対話を大切にしています。経験豊富なスタッフが毎回の通院時に困りごとや不安点を丁寧に確認し、治療中の不安を取り除いているそうです。一人ひとりの悩みや希望をしっかりと聞き、顔貌や噛み合わせ、ライフスタイルなども考慮したうえで、適切な治療法を提案してくれます。
裏側矯正舌側矯正)に関しても、希望に応じた柔軟なプランニングと丁寧な説明からはじまり、通院のたびに治療経過や今後の見通しも丁寧に共有してくれるため、モチベーションを保ちながら前向きに治療を続けられるでしょう。

裏側矯正舌側矯正)を検討している方は、専門の歯科医師による高い技術力と患者さんに寄り添う丁寧なケアで患者さんの理想の笑顔をサポートしてくれる、もも矯正歯科に相談してみてはいかがでしょうか。

もも矯正歯科の基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用・治療回数・治療期間

JR 大森駅 徒歩1分

京浜急行電鉄 大森海岸駅 徒歩7分

東京都品川区南大井6-28-12 ヒューリック大森ビル5階

診療時間
10:30~13:30
15:00~19:00

★:9:30~13:00/14:30~18:00

【費用(税込)】
 検査 33,000円
 診断 22,000円
 ワイヤー型表側装置 880,000~935,000円
 ワイヤー型裏側装置 1,210,000~1,430,000円
 マウスピース型装置 935,000~1,045,000円
【治療期間】6ヶ月~3年
【治療回数】6~36回

この記事の監修歯科医師