目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 歯科TOP
  3. 矯正歯科TOP
  4. 矯正歯科コンテンツ
  5. 親知らずがあっても部分矯正はできる?費用や治療期間、抜歯が必要な症例も解説

親知らずがあっても部分矯正はできる?費用や治療期間、抜歯が必要な症例も解説

 公開日:2026/01/08
親知らずがあっても部分矯正はできる?費用や治療期間、抜歯が必要な症例も解説

歯並びの一部だけを整える部分矯正を検討する際、親知らずの存在が気になる方は少なくありません。

親知らずがあると歯列矯正治療ができないのではないかと不安を感じる方もいるでしょう。

実際には親知らずがあっても部分矯正が可能なケースが多くあります。

ただし症例によっては抜歯が必要になることもあるため、事前に適切な診断を受けることが重要です。

本記事では親知らずと部分矯正の関係について詳しく解説していきます。

小田 義仁

監修歯科医師
小田 義仁(歯科医師)

プロフィールをもっと見る
小田歯科・矯正歯科
院長 小田 義仁
岡山大学歯学部 卒業
広島大学歯学部歯科矯正学教室
歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院
所属協会・資格
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎関節学会
日本口蓋裂学会
安佐歯科医師会 学校保健部所属
広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員
岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長
岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事
アカシア歯科医会学術理事

親知らずがあっても部分矯正ができるケース

男性医師と患者

親知らずがあっても部分矯正ができる症例を教えてください。

親知らずがまっすぐ生えていて、正常に機能している場合部分矯正が可能です。特に上下の親知らずが正しく噛み合っており、むし歯や歯周病などのトラブルがない状態であれば問題なく治療を進められます。また親知らずが完全に骨のなかに埋伏しており、周囲の歯や歯根へ悪影響がない場合も、歯列矯正治療が可能です。前歯のわずかなガタつきや隙間を改善する部分矯正では、親知らずの位置が治療範囲に直接影響しないケースが多く見られます。歯列矯正装置の種類によっては親知らずを避けて装着することも可能です。部分矯正は全体矯正と比較して動かす歯の本数が少ないため、親知らずの影響を受けにくい治療法といえます。ただし歯科医師による詳細な検査とレントゲン撮影を行い、正確な親知らずの状態把握が重要となります。

親知らずを使った部分矯正があると聞いたのですがどのような方法ですか?

親知らずを使った部分矯正とは、奥歯を失った部位へ親知らずを移動させて補う治療法です。この治療法はMTM(Minor Tooth Movement)と呼ばれています。例えばむし歯で第一大臼歯や第二大臼歯を抜歯した場合、健康な親知らずを歯列矯正装置で前方に動かして空いたスペースを埋めることができます。インプラントやブリッジといった補綴治療と比較して、自分の歯を活用できる点が大きなメリットです。隣接する歯を削る必要がないため、健康な歯質を保存できる利点もあります。治療期間は症例によって異なりますが、数ヶ月から1年程度かかることが一般的です。移動距離や親知らずの根の状態によっては、それ以上の期間が必要になる場合があります。ただしこの方法は、親知らずが健康で移動可能な位置にある場合に限られます。

親知らずがあることで治療後の後戻りに影響しますか?

親知らずが斜めや横向きに生えている場合、前方の歯を押す力が働き、歯列矯正治療後の後戻りの原因になる可能性があります。特に下顎の親知らずが手前の歯を押すように萌出していると、前歯の歯並びが乱れやすくなるでしょう。歯列矯正治療で歯並びを整えた後も、親知らずからの圧力が続くと治療効果が維持できないことがあります。そのため歯科医師は治療前に親知らずの生え方を確認し、後戻りのリスクを評価します。リスクが高いと判断された場合は、歯列矯正治療の前または治療中に抜歯を提案されることが少なくないでしょう。治療後はリテーナーと呼ばれる保定装置の使用と定期的な検診で、歯並びの安定を図ることが大切です。

部分矯正中に親知らずの抜歯はできますか?

部分矯正の治療中でも親知らずの抜歯は可能ですが、タイミングには注意が必要です。歯列矯正装置を装着している状態で抜歯を行う場合、口腔外科医師と歯列矯正歯科医師が連携して治療計画を立てることが一般的です。抜歯後は腫れや痛みが生じるため、歯列矯正装置の調整を一時的に中断する場合もあるでしょう。また抜歯部位の治癒期間を考慮して、次回の歯列矯正治療のステップを進める必要があります。親知らずが炎症を起こしている場合や、歯列矯正治療に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、治療途中でも抜歯が推奨されます。担当医師とよく相談し、治療全体のスケジュールを見直しながら進めていくことが重要です。

親知らずがある場合の部分矯正にかかる費用や治療期間

問診をする歯科医

部分矯正治療にはどのくらいの費用がかかりますか?

部分矯正の費用は使用する装置や治療範囲によって異なりますが、一般的に110,000~770,000円(税込)程度が相場となっています。ワイヤーを使用したブラケット矯正の場合は330,000~660,000円(税込)程度、マウスピース型矯正装置を選択すると220,000~495,000円(税込)程度かかる傾向があります。親知らずがある場合でも基本的な費用は変わりませんが、親知らずの抜歯が必要になった場合は別途費用が発生するでしょう。全体矯正が770,000~1,100,000円(税込)程度かかることを考えると、部分矯正は費用面で大きなメリットがあります。ただし医療機関によって料金設定は異なるため、治療前に詳細な見積もりを確認することが大切です。

部分矯正は保険が適用されますか?

部分矯正を含む歯列矯正治療は基本的に自由診療となり、健康保険は適用されません。歯並びの改善は審美目的や機能改善を目的とした治療であり、通常は病気の治療とは見なされないためです。そのため治療費は全額自己負担ですが、医療費控除の対象にはなります。確定申告の際に歯科医師の診断書を提出し、所得税や住民税の控除を受けられる可能性があるでしょう。ただし例外として、厚生労働大臣が定める特定の先天性疾患や顎変形症と診断された場合には保険適用となることがあります。この場合も指定された医療機関での治療が条件となり、通常の唇側矯正装置を使用する必要があるでしょう。親知らずの抜歯は歯列矯正治療のために行う場合は自費診療ですが、むし歯や炎症などの治療目的であれば保険適用になる場合もあります。

部分矯正の治療期間を教えてください。

部分矯正の治療期間は症例の程度や動かす歯の本数によって異なりますが、一般的に3ヶ月~1年程度で完了する場合が多くなっています。前歯の軽度なガタつきや隙間を改善する場合は3ヶ月から6ヶ月程度で済むケースもあるでしょう。親知らずを前方に移動させる場合は移動距離が長くなるため、1年程度かかることが一般的です。全体矯正が1~3年程度必要なことと比較すると、部分矯正治療期間が短く済むメリットがあります。ただし症例によっては予定よりも期間が延びることもあるため、担当医とよく相談しながら進めることが重要でしょう。治療終了後は後戻りを防ぐためにリテーナーを使用する期間が必要です。この保定期間も治療の一部として考え、しっかりと装着することが重要です。

部分矯正で親知らずの抜歯が必要な症例

虫歯が痛い・しみて頬を押さえる女性の横顔

親知らずの抜歯が必要な症例について教えてください。

親知らずが斜めや横向きに生えている場合は、部分矯正の前に抜歯が必要になる症例があります。このような生え方をしていると手前の歯を押す力が働き、歯列矯正治療の効果を妨げたり後戻りの原因になったりするためです。また親知らずがむし歯や歯周病になっている場合も、治療が困難なため抜歯が推奨されます。歯を並べるスペースが不足しており、親知らずを抜くことでスペースを確保できる症例でも抜歯が検討されるでしょう。さらに親知らずが一部だけ歯肉から露出している状態では、清掃が困難で炎症を繰り返すリスクがあります。歯列矯正治療の妨げになると判断された場合は、治療前または治療中に抜歯を行うことになるでしょう。

親知らずを抜歯した後のケア方法を教えてください。

親知らずの抜歯後は処方された抗生物質をきちんと服用するようにし、感染への予防が重要です。抜歯部位には血餅と呼ばれるかさぶたができるため、抜歯後1日から3日程度は強いうがいを控えましょう。血餅が剥がれると治癒が遅れたり、痛みが増したりする可能性があります。抜歯部分を舌や指で触ることや、歯ブラシで強く擦ることも避けてください。痛みがある場合は処方された鎮痛剤を服用し、濡れタオルで患部を冷やすと痛みが和らぐことがあります。ただし冷やしすぎると血流が悪くなり治癒が遅れるため注意が必要です。喫煙や飲酒、刺激物の摂取も控えることをおすすめします。

編集部まとめ

ペンチを持っている女医と患者の男性
親知らずがあっても部分矯正は可能なケースは多く存在します。

親知らずがまっすぐ生えて正常に機能している場合や、完全に埋まっていて悪影響がない場合は、そのまま治療を進められるでしょう。

一方で斜めや横向きに生えている場合や、むし歯や歯周病がある場合は抜歯が必要になることもあります。

部分矯正は全体矯正と比較して治療期間が短く、費用面でもメリットがあります。基本的に保険適用外ですが医療費控除の対象にはなるでしょう。

抜歯が必要と判断された場合は、血餅を守るために強いうがいを避けるなど、抜歯後のケアをしっかり行うことが大切です。

親知らずの状態は個人差が大きいため、まずは歯科医師に相談し、精密検査を受けて適切な治療計画を立てることをおすすめします。

この記事の監修歯科医師