目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 歯科TOP
  3. 矯正歯科TOP
  4. 矯正歯科コンテンツ
  5. 大人で矯正をしたら後悔する?後悔しないためのポイントや矯正治療のメリットについて詳しく解説します

大人で矯正をしたら後悔する?後悔しないためのポイントや矯正治療のメリットについて詳しく解説します

 公開日:2023/06/08
マウスピース

矯正は歯並びを改善するだけでなく、顔の印象も変えてくれる方法です。そのため、ご自分の歯並びが気になり、今からでも矯正を受けようか迷っている方もいるでしょう。

しかし、大人になってから矯正をした方の中には、後悔を感じた方も多いと聞いたことがあるのではないでしょうか。

そこで本記事では、大人で矯正をしたら後悔をするかについて解説します。後悔しないためのポイントや矯正治療のメリットについても詳しく紹介するので、参考にしてください。

古田 博久

監修歯科医師
古田 博久(歯科医師)

大人の矯正は後悔する?

頭を抱える女性
大人の矯正は後悔すると聞いたことがあるかもしれません。必ずしも全員が後悔するわけではありませんが、後悔をする方もいるようです。
後悔の内容としては、次のようなものが挙げられます。

  • 矯正を始める時期の後悔
  • カウンセリングに関する後悔
  • 抜歯やIPRの後悔

矯正は、大人になってからでなく子供の頃にも始められます。子供の頃であれば、顎の成長を調整しながら治療できるため、矯正に際しての抜歯などを防げる可能性があります。
また、顎の骨が柔らかく代謝が良いため、大人で矯正を始めるよりも矯正期間が短くて済む場合もあるでしょう。
このような事情から、もっと早く矯正を行っていればよかったと後悔するケースがあります。
また、カウンセリングに関して後悔を感じる方も多いです。矯正開始時には、カウンセリングによって矯正の治療方法や現状の症状などが説明されます。
矯正は歯を動かすため、さまざまな口内環境の変化を引き起こします。例えば、歯を動かす力が強すぎると歯根吸収や歯肉退縮などを引き起こす可能性があるのです。
カウンセリングは、ご自分の気になる点などを相談しながら、各種リスクなどに関する疑問を解決して矯正を進めるために、非常に重要なステップになります。
しかし、きちんと疑問やリスクを聞けていない方も多く、治療が進む中で先述したようなリスクなどに気づく方も多いです。
その結果、カウンセリングの時にきちんと聞いておけばよかったと後悔する方もいます。さらに、抜歯やIPRについての後悔も多いです。
IPRとは、研磨処理のことで、歯の表面を少し削る処理です。矯正は、ある程度のスペースがなければ歯を動かせません。
スペースがあれば問題ありませんが、ない場合は抜歯やIPRによって、歯を動かすスペースを作る必要があります。
この抜歯やIPRについて、事前に確認しておらず、矯正が始まってから気づく方も多いです。そのため、矯正を後悔したと感じるケースがあります。
このように、矯正の開始時期や事前の確認不足が、大人の矯正が後悔するといわれる主な理由です。

大人の矯正で後悔しないための4つのポイント

悩む女性
大人の矯正で後悔するケースをご紹介しました。それでは、このような後悔をしないためには、どのようなポイントに気をつけておけば良いのでしょうか。
ここでは、大人の矯正で後悔しないための4つのポイントをご紹介します。

自分に合った矯正の方法を選ぶ

大人の矯正で後悔しないためのポイントの1つが、ご自分に合った矯正の方法を選ぶことです。
矯正方法にも、ワイヤー矯正やマウスピース矯正と種類があります。ワイヤー矯正は、歯の上面にブラケットを取り付けてワイヤーを通し、歯に力を加えて矯正する方法です。
見た目が気になるという方は多いですが、対応できる症例が多い矯正方法です。マウスピース矯正は、透明なマウスピースを装着して歯列の矯正を行います。
透明であるため見た目が目立ちにくく、自由に取り外しが可能な点が特徴です。このように、矯正方法により特徴も異なります。
ご自分の症状・ライフスタイル・性格などに照らし合わせて、適切な矯正方法を選ぶことで、後悔を防げます。

歯医者で定期的にチェックをする

医療器具
歯医者で定期的にチェックする点も、後悔しないためのポイントの1つです。矯正を始めたら、定期的な診察は欠かせません。
矯正器具によって歯が動き始めると、状態に合わせて徐々に器具も調整しなければなりません。適切な調整を行わなければ、正しい効果は得られず、矯正期間も長くなります。
また定期的なチェックは矯正器具の調整だけでなく、破損・虫歯の発生・歯肉炎の発生などのトラブルの発見にも有効です。
リスクなどの確認不足による後悔を防ぐため、必ず定期的にチェックをしましょう。

矯正の費用について知っておく

電卓
矯正の費用について知っておくことも、後悔しないためのポイントに挙げられます。先述したカウンセリングに関する後悔にも、費用は大きく関わる項目です。
矯正費用は、矯正方法・歯列の状態・歯科医院などさまざまな条件によって、大きく異なります。
また、矯正治療には、矯正費用以外に検査代・診察代・保定観察費なども必要です。カウンセリングの時点で、具体的な費用を聞けておけば、後悔を防げる可能性は高いでしょう。

治療期間について知る

後悔しないためのポイントとしては、治療期間について知ることも挙げられます。大人の矯正は、子供の矯正と比べると長期化する可能性が高いです。
子供の骨は柔らかく顎の成長段階であるため成長を調整しながら矯正が行えるのに対し、大人の場合は、顎が成長しきってしまっているため調整に時間がかかるためです。
個人差もありますが、治療期間は1年~3年程度かかることも少なくありません。そのため、治療期間の認識が甘く、後悔を感じてしまう方も多いです。
後になって、治療期間が思っていたよりも長いと後悔しないためにも、カウンセリング時点や受診の時点でしっかりと把握しておきましょう。

大人の矯正治療のメリット

歯ブラシを持つ男性
早くに治療をしておけばよかったなどの後悔を感じるケースはありますが、もちろん大人の矯正治療にもメリットはあります。
今後の生活や対人関係にも大きく関わるポイントなので、メリットについてもしっかりと理解しておきましょう。

第一印象がよくなる

大人の矯正治療のメリットとして、第一印象が良くなる点が挙げられます。歯並びは、口元の印象を大きく左右する要素です。
笑顔の時などで見える歯並びは、きれいに整っていた方が印象は良くなります。また、歯並びによっては口を閉じていても口元の形を変えるものもあります。
そのため、歯列が整うと口元も整うでしょう。歯並びや口元が整うと、思い切り笑えるようにもなります。
それによって第一印象が良くなり、対人関係が良好となって、仕事やプライベートもより一層円滑に過ごせるでしょう。

虫歯や歯周病になりにくい

歯科器具
虫歯や歯周病になりにくい点も、メリットの1つに挙げられます。歯並びによっても異なりますが、状態によっては口内環境の悪化を招くものもあります。
例えば、歯と歯が重なっている場合や歯と歯の間の隙間が空いてしまっている場合です。磨き残しなどが生じやすく、汚れが蓄積すると虫歯や歯周病を引き起こします。
さらに、口内に残った汚れは口臭の原因にもなります。そのため、口臭が原因で相手に不快な思いをさせてしまうケースもあるでしょう。
歯並びを改善できれば、磨き残しを減らして清潔に保て、虫歯・歯周病・口臭のリスクを下げられます。

噛み合わせがよくなる

歯
噛み合わせが良くなる点も、大人の矯正のメリットです。矯正は、歯並びを整えるため、噛み合わせがこれまでよりも合うようになります。
噛み合わせが悪い状態では、噛みやすい歯で噛むようになってしまい、顔の骨格が歪んでしまうケースもあります。
しかし、矯正によって噛み合わせが改善すると、口の中をバランスよく使用可能です。その結果、顔の歪みが改善されて、左右対称に近づくようになるのです。
年齢とともに気になることが多い、頬やフェイスラインのたるみなども、矯正によってスッキリするでしょう。

横顔がきれいになる

大人の矯正のメリットとしては、横顔がきれいになる点も挙げられます。歯並びと横顔のフェイスラインは非常に大きく関係するのです。
横顔の印象には、Eラインと呼ばれる鼻先と顎先を直線で結んだ線が関わっています。一般的に、上下の唇がEラインに触れず、少し後ろの位置がベストだといわれています。
しかし、歯並びによっては、理想の位置から著しく離れているケースがあるのです。例えば出っ歯の場合、唇の先端がEラインよりも前に出ている場合があります。
矯正を行えば、前歯の突出を抑えられるため、口が正しい位置に戻り理想的な位置に戻る可能性があるでしょう。
他の歯並びでも、矯正によって横顔がきれいになるケースはあります。第一印象などにも影響するため、非常に大きなメリットといえるでしょう。

大人の歯科矯正をしなかった場合

歯を触る女性
大人の歯科矯正をしなかった場合、さまざまなリスクが発生する可能性があります。具体的には、次のような内容です。

  • 胃などの臓器に負担がかかる
  • 口が臭くなる
  • 口の健康状態が保てない

ここでは、それぞれの内容について解説します。

胃などの臓器に負担がかかる

お腹を抑える女性
大人の歯科矯正をしなかった場合のリスクとして、胃などの臓器に負担がかかる可能性が考えられます。
噛み合わせが悪いと、しっかりと食べ物をつぶせません。そのため、食べ物が大きいまま胃に運ばれてしまいます。
繰り返しこのようなことが起こると、消化不良を引き起こして、胃や他の臓器に負担をかけてしまいます。

口が臭くなる

口が臭くなる点も矯正をしなかった場合のリスクの1つです。先述したように、歯並びが悪いと、食べかすが残りやすく磨き残しが発生する可能性があります。
磨き残しが溜まり、口内環境が悪くなると虫歯や歯周病を招く可能性があります。そして、これらの口腔トラブルは、口臭の発生源となる可能性が高いです。
口臭は対人関係においても大きく影響します。そのため、非常に大きなリスクだといえるでしょう。

口の健康状態が保てない

口の臭いを嗅ぐ男性
口の健康状態が保てない点も、大人で矯正をしない場合のリスクに挙げられます。リスクは、虫歯や歯周病などの口内環境の悪化だけではありません。
口の健康という意味では、例えば口周りの筋肉や骨格も当てはまります。歯並びが悪く、片方ばかりで食べ物を噛み続けると、顔の骨格が歪んでしまうかもしれません。
また歯並びが悪いため、噛んだ時の力が均等に分散されず、顎の関節痛を引き起こす可能性もあります。
その他にも、歯並びが悪いことで菌が増殖して細菌感染を引き起こしたり、それによって一部の歯が抜けてしまったりといったリスクを招く可能性もあります。
大人で矯正しないことが、大きな後悔につながる可能性もあるでしょう。

大人の矯正治療法

マウスピース
大人の矯正を行うには、適切な矯正方法を選択することも大切です。そのためには、どのような矯正方法があるかを、あらかじめ知っておいた方が良いでしょう。
ここでは、大人の矯正治療をご紹介します。

マウスピース矯正

マウスピース
マウスピース矯正は、透明な目立ちにくいマウスピースを装着して行う矯正方法です。近年注目が集まっており、次のようなメリットがあります。

  • 目立ちにくい
  • 取り外しが可能
  • 痛みが少ない

マウスピースは透明のもので、薄く滑らかな器具であるため、目立ちにくい点が特徴です。違和感も少なく、話しづらさもほとんどありません。
取り外しが可能な点も大きな特徴です。食事の時や会話で気になる時など、自由に取り外せます。歯磨きの時も、取り外して清潔に保てます。
痛みが少ない点も特徴の1つです。ワイヤー矯正とは異なり、器具が粘膜や舌にあたる心配が少なく、痛みを感じにくいです。
しかし、装着中に着色の心配があるものなどの飲食制限がある点や、適応できる症例が少ない点がデメリットとして挙げられます。

クリア矯正

クリア矯正も、矯正方法の1つです。この方法は、歯と同じ色や白い固定式装置(セラミックブラケット等)を使用することで、一般的なワイヤー矯正と比べて、見た目が目立ちにくい点が特徴です。

通常のワイヤー矯正では、歯の表面に付けたブラケットと、ブラケットに通す金属のワイヤーが目立ちます。
しかしクリア矯正の場合は、同じように歯の表面にブラケットとワイヤーを装着しますが、歯と同様の色合いの器具であるため目立ちにくいです。
また、通常のワイヤー矯正と同様に、ほとんどの全ての不正歯列に対応できる点も特徴です。金属アレルギーのある方は歯科医と相談の上、治療を行うことをお勧めします。

大人の矯正治療をする場合はカウンセリングを受けてみよう

白衣を着た男性
大人で矯正を行い、後悔するケースは確かにあります。それは、事前に正確な矯正に関わる内容を聞いていなかったり、子供の頃にやっておけばよかったと思うためです。
しかし、大人になってからの矯正にもメリットはあります。また、矯正が必要な歯並びにも関わらず放置しておく方が、リスクを伴う可能性もあります。
大人の矯正治療をする場合やまだ迷っている場合でも、まずはカウンセリングを受けて、矯正の情報や必要性を理解しましょう。

後悔しない大人の矯正について知りたいときは?

クリニックの写真
矯正は、歯並びを改善するだけでなく、顔の印象も改善できる効果のある治療方法です。
早くになっておけばよかったなどの後悔を感じることもありますが、決して大人の矯正でも遅くありません。
また、思っていた以上に治療期間がかかってしまった場合や、虫歯などの思わぬトラブルを招いた時にも後悔を感じてしまいがちです。
しかしこれらの後悔も、あらかじめきちんと矯正にあたっての情報を把握しておけば、ある程度は防げる可能性があります。
後悔しない矯正にするためには、歯科医に相談の上で、きちんと治療計画・期間・内容を把握して進めましょう。

編集部まとめ

歯医者
大人の矯正は、全く後悔がないといい切れません。治療を進めていく上で、子供の頃に早く行っておけばよかったと感じることもあるためです。

しかし、決して大人の矯正が遅いわけではありません。大人で矯正を行うメリットもあり、重度の状態が悪い歯並びであれば、放置するリスクも伴います。

後悔は、歯科医からの説明を受けた上で、きちんと内容を把握することで防げる可能性が高いです。

少しでも不安な点がある場合は、事前に相談して適切なアドバイスなどを受けた上で、矯正を進めましょう。

この記事の監修歯科医師