「形状記憶マウスピース型矯正」とは?従来の方法との違いを解説

矯正治療というと、ワイヤーやブラケットを装着する従来の方法をイメージされる方も多いでしょう。近年、透明なマウスピース型矯正が普及し、目立ちにくく取り外しも可能な選択肢が注目を集めています。マウスピース型矯正には様々な種類がありますが、その中でも特殊な素材を用いた「形状記憶マウスピース型矯正」という方法があるのをご存知でしょうか。本記事では、この形状記憶マウスピース型矯正とはどのようなものなのか、従来の方法との違いやメリット、注意点などを詳しく解説します。

監修歯科医師:
林 弘明(はやし矯正歯科クリニック)
1994年~2000年 明海大学歯学部附属明海大学病院矯正歯科 勤務
2000年 はやし矯正歯科クリニック 開院
目次 -INDEX-
形状記憶マウスピース型矯正とは

形状記憶マウスピース型矯正は、口腔内の温度によって形状を変化させる特殊な素材を用いたマウスピース型矯正装置のことです。60°C程度のお湯で軟化し、体温に近い温度になると記憶された形状に変化、持続的に歯に力を加える仕組みを持っています。従来のマウスピース型矯正と同様に、治療の段階に合わせてマウスピースを交換していく必要がありますが、形状記憶素材の特性により、一つのマウスピースがより持続的に力を加えられる点が特徴です。装置自体が柔軟性と適度な硬さを両立しており、装着感に配慮しながら効率的に歯を動かすことが期待されています。
形状記憶マウスピースの基本構造
形状記憶マウスピース型矯正に使用される素材は、一定の温度に達すると元の形状に戻ろうとする性質を持つ樹脂やポリマーです。この素材が口腔内の温度に反応することで、常に目標とする歯の位置へ向けて力が加わり続ける仕組みとなっています。
形状記憶マウスピース型矯正でも同様にマウスピースの交換は必要ですが、素材の特性により、一つのマウスピースが治療期間中、より安定した力を加え続けることができます。また、一般的なプラスチック素材に比べて適度な弾力性があるため、装着時の違和感を軽減できる点も特徴の一つです。
従来のマウスピース型矯正との違い
従来のマウスピース型矯正も形状記憶マウスピース型矯正も、治療の進行に合わせて段階的にマウスピースを交換していきます。
しかし形状記憶マウスピース型矯正は、形状記憶素材が持続的に力を加えるため、より計画通りに歯を動かしやすいといわれています。これにより、治療の進行がスムーズになることが期待されます。
どのような症例に適している?
形状記憶マウスピース型矯正は、軽度から中等度の歯並びの問題に適しています。たとえば、前歯のわずかなガタつきや軽度の出っ歯、すきっ歯などのケースでは、形状記憶素材の特性を活かして効率的に歯を移動させることが期待できます。ただし、すべての症例に対応できるわけではなく、重度の不正咬合や複雑な噛み合わせの問題がある場合には、従来のワイヤー矯正やほかの矯正方法との組み合わせが適している場合もあります。治療を開始する前には、歯科医師による精密な検査と診断が必要です。
形状記憶マウスピース型矯正のメリット

形状記憶マウスピース型矯正には、従来の矯正方法にはない独自のメリットがあります。
装着感が良く、目立ちにくい
形状記憶マウスピース型矯正は透明な素材でできているため、装着していても目立ちにくい点が大きな魅力です。また、形状記憶素材は適度な柔軟性を持っているため、装着時の違和感や痛みが少ないとされています。従来のワイヤー矯正では、金属のブラケットやワイヤーが口腔内を刺激することで痛みや不快感が生じることがありましたが、形状記憶マウスピース型矯正ではそのような心配が軽減されます。仕事や学校などで人前に出る機会が多い方にとって、見た目を気にせず矯正治療を続けられることは大きなメリットといえるでしょう。
効率的な歯の移動と治療効果の向上
形状記憶マウスピース型矯正の大きなメリットは、持続的な力によって歯を効率的に動かせる点にあります。従来のマウスピースでは、交換直後が最も力が強く、徐々に弱まっていくという課題がありました。形状記憶マウスピースは、口腔内の温度で常に理想の形に戻ろうとするため、安定した力を加え続けることができます。
これにより、治療計画通りに歯が動きやすくなり、治療効果の向上が期待できます。結果として、治療期間の短縮につながる可能性もあります。
注意点と知っておきたいデメリット

形状記憶マウスピース型矯正には多くのメリットがありますが、注意すべき点やデメリットも存在します。治療を検討する際には、これらの点についても十分に理解しておくことが大切です。
すべての症例に適応できるわけではない
形状記憶マウスピース型矯正は、軽度から中等度の歯並びの問題には適していますが、重度の不正咬合や複雑な噛み合わせの調整が必要な場合には、十分な効果が得られないこともあります。また、歯の根の移動が大きく必要な症例や、顎の骨格自体に問題がある場合には、従来のワイヤー矯正との組み合わせや外科的な矯正治療が適している場合もあります。治療を開始する前には、歯科医師による詳細な検査と診断を受け、自身の症例に適した方法を選択することが重要です。
扱える歯科医師が限られる
形状記憶マウスピース型矯正は新しい技術であり、すべての歯科医院で取り扱っているわけではありません。また、この治療方法を適切に行うためには、素材の特性を理解し、治療計画を立てる専門的な知識や経験が求められます。そのため、治療を受けられる歯科医院が限られる点には注意が必要です。信頼できる歯科医師を選び、十分な説明を受けたうえで治療を開始することが大切です。
費用や治療期間の個人差
形状記憶マウスピース型矯正の費用や治療期間は、患者さんの症例や歯科医院によって異なります。一般的に、マウスピース型矯正は保険適用外の治療となるため、費用は自費負担となります。また、治療期間についても、歯並びの状態や歯の移動量によって個人差が大きいため、事前にしっかりとカウンセリングを受け、費用や期間の見積もりを確認しておくことが重要です。
費用相場は、部分矯正で300,000〜600,000円(税込)、全体矯正で600,000〜1,200,000円(税込)ほどです。
形状記憶マウスピース型矯正はこんな人におすすめ

形状記憶マウスピース型矯正は、その特性から特定のニーズを持つ方に適した治療方法といえます。ここでは、どのような方におすすめなのか紹介します。
周囲に目立ちにくい矯正治療を受けたい方
営業職や接客業、教育関係など、人と接する機会が多い仕事をされている方にとって、矯正装置が目立つことは大きなストレスとなる場合があります。形状記憶マウスピース型矯正は透明な素材でできており、装着していても周囲に気づかれにくいため、見た目を気にせず治療を進めることができます。また、大切なイベントや写真撮影の際には取り外すことも可能なため、ライフスタイルに合わせた柔軟な対応ができる点も魅力です。
より効率的な治療を求める方
治療計画通りに歯を動かし、効率的に矯正を進めたい方にとって、形状記憶マウスピース型矯正は適した選択肢だといえるでしょう。
形状記憶素材が持続的に安定した力を歯に加え続けるため、歯の動きが停滞しにくく、治療計画からのズレが少なくなることでよりスムーズな治療が期待できます。
結果として、治療期間の短縮につながる可能性もあり、通院回数を抑えられるケースもあります。治療の質を重視し、よりよい効果を求める方はもちろん、忙しい生活の中でできるだけ効率よく治療を進めたいと考える方にもおすすめです。
矯正治療ならはやし矯正歯科クリニックにご相談を

矯正治療を検討する際には、専門的な知識と豊富な経験を持つ歯科医師のもとで、自身の症例に合った適切な治療方法を選択することが重要です。ここでは、はやし矯正歯科クリニックの特長を紹介します。
形状記憶マウスピース型矯正に精通した歯科医師による矯正治療
はやし矯正歯科クリニックの院長である林弘明先生は、明海大学歯学部を卒業後、明海大学歯学部附属明海大学病院矯正歯科で勤務され、2000年に同クリニックを開院されました。日本矯正歯科学会 認定医の資格を持ち、矯正治療に関する専門的な知識と技術を備えています。
患者さん一人ひとりの口腔内の状態や症例を詳しく把握し、形状記憶マウスピース型矯正を含むさまざまな矯正方法の中から、適した治療計画を提案されています。矯正治療の目的は、歯並びを整えて噛む機能を高めることであり、機能が向上することで見た目の美しさも自然と改善されていくそうです。はやし矯正歯科クリニックでは、機能と審美性の両面を考慮した総合的な質の高い矯正治療を追求されています。
新しい設備による精密な診断と治療環境

はやし矯正歯科クリニックでは、スペインで開発されたNEMOというソフトを使用し、3DCTと口腔内スキャンのデータを重ね合わせて歯と骨の状況を把握したうえで治療計画を立てるといいます。さらにクリニック内で3Dプリンタを用いて形状記憶のマウスピースを作製しているそうです。
これらの設備を活用することで、患者さんの負担を軽減しながら、より精密で効率的な矯正治療を提供されています。
矯正治療に特化した高い専門性とサポート体制
はやし矯正歯科クリニックは、矯正治療に特化した歯科医院として、患者さんに寄り添った丁寧な治療を提供されています。初診相談は無料で行われ、患者さんの悩みや希望をしっかりと聞いたうえで、治療の問題点や改善点、治療のゴールをわかりやすく説明しています。
矯正治療は長期間にわたる治療となるため、患者さんが安心して治療を続けられるよう、スタッフ一同がサポート体制を整えるだけでなく、衛生管理にも力を入れています。安全で清潔な環境のもとで治療を受けられることは、患者さんにとって大きな安心材料となるでしょう。
はやし矯正歯科クリニックは、西武鉄道拝島線 東大和市駅より徒歩1分という好立地にあり、駐車場も完備されています。矯正治療を考えている方は、はやし矯正歯科クリニックへ相談してみてはいかがでしょうか。
はやし矯正歯科クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数
西武鉄道拝島線 東大和市駅より徒歩1分
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:00~12:00 | ● | ● | - | ● | ● | ● | - | - |
| 14:00~19:00 | ● | ● | - | ● | ● | ● | - | - |
※月に1度は日曜日にも診療しています。(12:00~17:00)
※月ごとの診療日についてはお問い合わせください。
【費用(税込)】
初診・相談料 無料
検査料 33,000円
レントゲン,3DCT,歯列模型,口腔内写真などの検査
診断料 11,000円
検査結果をもとに現在の歯並びの状態と治療方針を決定
矯正施術料金
永久歯列(約12歳~成人) 880,000~990,000円
舌側矯正(裏側矯正) 990,000~1,320,000円
形状記憶マウスピース型矯正 990,000〜1,100,000円
小児矯正 110,000~330,000円
混合歯列 110,000~330,000円
部分的治療 110,000~330,000円
処置観察料 5,500円(舌側矯正:8,800円)※毎月の診察時
【治療期間】
部分矯正:3ヶ月〜1年
全顎矯正:1年半〜3年
※歯並びによって大きく異なります。
【治療回数】3〜36回



