裏側矯正(舌側矯正)のデメリットは?治療期間・メリット・費用も解説
歯列矯正にはさまざまな方法があり、歯の裏側に矯正装置をつける裏側矯正(舌側矯正)と呼ばれる治療法もあります。
本記事では裏側矯正(舌側矯正)のメリット・デメリットから治療期間、費用について解説します。裏側矯正(舌側矯正)に興味のある方は、参考にしてみてください。
監修歯科医師:
菅 藏人(すが矯正歯科クリニック)
2017年7月にすが矯正歯科クリニックを開設。矯正専門のクリニックとして、美しい歯並びだけでなく、正しい機能を持たせるよう、治療にあたっている。
日本大学大学院歯学研究科歯科基礎系専攻修了歯学博士、日本矯正歯科学会、東京矯正歯科学会、日本顎変形症学会に参加。
目次 -INDEX-
裏側矯正(舌側矯正)のデメリット
裏側矯正(舌側矯正)はワイヤー矯正の1つで、ブラケットと呼ばれる装置を歯の裏側に装着する治療法です。
裏側矯正(舌側矯正)は、歯の裏側に矯正装置をつけるため、矯正装置が舌に当たって滑舌が悪くなってしまうことや喋りにくくなったりすることがあります。ただし、これらは裏側矯正(舌側矯正)に限ったことではありません。ほかの矯正装置でも同じようなことが起こる可能性があり、慣れてくれば自然と改善していきます。
今回は、裏側矯正(舌側矯正)のデメリットとして以下の3つのデメリットをみていきます。
装置で舌を傷つける可能性がある
舌が矯正装置に接触し、舌を傷つける可能性があります。特に舌の癖がある方は注意が必要です。
無意識のうちに、舌で歯の裏側を押してしまう方もいるでしょう。そのような癖がある場合、舌をワイヤーに押し付けることで傷ついてしまう可能性があります。強い痛みを感じる時は、担当の歯科医師に相談してみるとよいでしょう。器具の調整やワックスの使用により、改善できることもあります。
歯磨きがしにくい
ワイヤー矯正は矯正装置を歯に固定するため、歯磨きがしにくいというデメリットがあります。特に裏側矯正(舌側矯正)の場合は、歯の裏側に矯正装置があるため、矯正装置の位置を確認しながら歯を磨くことが難しいでしょう。
矯正装置と歯の間に食べかすなどが残っていても気付きにくいため、デンタルミラーなどを使って、丁寧に歯磨きをするように心がけてください。フロスや歯間ブラシは使いづらいため、ジェットウォッシャーを使うのがおすすめです。
歯科医師の技術が必要となる
歯の裏側は表側と比べると面積が狭く、凹凸も大きいです。そこにブラケットを装着するため、治療の難易度が高くなります。そのため、歯科医師は高度な技術が必要となるのです。
歯列矯正に対応している歯科医院でも、裏側矯正(舌側矯正)は行っていない歯科医院も多くあります。裏側矯正(舌側矯正)を希望される方は、対応している歯科医院か、症例数などを確認するようにしてください。
裏側矯正(舌側矯正)のメリット
デメリットをみてきましたが、裏側矯正(舌側矯正)はメリットも多いです。
それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
矯正装置が見えにくい
裏側矯正(舌側矯正)の大きなメリットは、矯正装置が見えにくいことです。矯正装置が歯の裏側にあるため、表からは矯正装置が目立ちにくくなります。
歯列矯正をしていることを周りに知られたくない方や、矯正装置が目立つのが気になる方にはおすすめといえます。
むし歯になりにくい
デメリットで、歯磨きがしづらいことをお伝えしました。そのため、むし歯や歯周病のリスクがあるのですが、裏側矯正(舌側矯正)はむし歯になりにくいという特徴があります。
なぜなら、歯の裏側は唾液量が多いためです。唾液には自浄作用があり、むし歯菌が繫殖しづらいといわれています。表側よりもエナメル質の層が厚く、歯質が強いこともむし歯になりにくい理由です。
歯の表面をきれいに保てる
ワイヤー矯正は、矯正装置を外す時に歯の表面を傷つけることがあります。しかし先程も述べたように、歯の裏側はエナメル質の層が厚いので傷がつきにくいです。
万が一、傷がついたとしても、歯の裏側なのであまり目立たず、さほど気にはならないでしょう。
スポーツ時に口を切る心配が少ない
歯列矯正によるスポーツの制限はありません。しかし、表側矯正の場合、顔面に衝撃が加わった時に矯正装置で唇・歯茎・頬の粘膜などを傷つける可能性があります。
裏側矯正(舌側矯正)なら万が一、顔面に衝撃が加わっても矯正装置による怪我のリスクを軽減できます。スポーツ時に口を切る心配がないので、日常的にスポーツを行う方向けの矯正装置だと言えるでしょう。
矯正装置の汚れによるストレスを軽減できる
ワイヤー矯正をしている方のなかには、矯正装置に食べかすなどが挟まってしまうのが気になる方も少なくないでしょう。特に人前では汚れを取ることができないため、外食などが楽しめない方もいるようです。
しかし、裏側矯正(舌側矯正)は矯正装置が見えづらいため、食べかすなどが挟まっていてもまわりに気づかれにくいでしょう。
歯が前に出ている場合の治療が行いやすい
裏側矯正(舌側矯正)は、歯が前に出ている場合の治療が行いやすいというメリットがあります。
これは、歯が矯正装置の方向へ動くためです。そのため、前に出た歯を後ろに引っ張るのに適しています。また、舌癖によって舌を傷つけることがあると先程述べましたが、矯正装置があることでこの癖が治る可能性があります。
裏側矯正(舌側矯正)の治療期間
裏側矯正(舌側矯正)の治療期間はどのくらいなのでしょうか。
表側矯正よりも時間がかかると思っている方も少なくないでしょう。しかし、表側であっても裏側であっても治療期間はあまり変わりません。どちらも治療期間は、2~2年半程です。治療回数は、24~30回程になります。ただし、患者さんの歯並びの状態によって治療期間や治療回数は変わります。
表側と裏側のどちらが早く終わるかは、患者さんの歯並びによって変わってくるので、どちらの治療法がよいのかは担当の歯科医師に相談してください。裏側矯正(舌側矯正)は矯正装置が見えないため、早い段階で歯並びの改善を実感できるでしょう。
裏側矯正(舌側矯正)の費用
ここまで、裏側矯正(舌側矯正)のデメリットやメリット、治療期間などを見てきました。続いて、費用についてみていきましょう。
歯列矯正は自由診療のため、費用は高額になります。特に、裏側矯正(舌側矯正)は表側矯正よりも費用が高額になる傾向があるようです。また、フルリンガルとハーフリンガルの場合でも費用は異なります。
フルリンガルの場合
フルリンガルは、上と下のどちらも裏側矯正(舌側矯正)で行う治療法です。費用相場は、800,000〜1,200,000円(税込)程です。裏側矯正(舌側矯正)は表側矯正よりも費用が高額になり、フルリンガルは上と下ともに裏側のため費用がかかります。
フルリンガルのデメリットとして、矯正装置をすべて裏側につけるため違和感を覚えやすいというのが挙げられます。しかし、矯正装置が裏側にあるので目立ちにくいというメリットがあります。
下の歯は表側矯正のハーフリンガルの場合
ハーフリンガルは、上の歯は裏側、下の歯は表側に矯正装置をつける治療方法です。費用相場は、700,000〜1,000,000円(税込)程です。
ハーフリンガルは、コストと見た目のバランスを重視する治療法です。上の歯は裏側、下の歯は表側に矯正装置をつけるため、矯正装置が目立つことはあまりありません。フルリンガルと比べると費用が安価で、違和感や発音の影響が少ないのが特徴です。
裏側矯正(舌側矯正)ならすが矯正歯科クリニックにご相談を
裏側矯正(舌側矯正)を検討しているのなら、すが矯正歯科クリニックへ相談してみてはいかがでしょうか。
最後に、すが矯正歯科クリニックの特徴を紹介します。
成人矯正から小児矯正まで幅広く対応
すが矯正歯科クリニックは、成人矯正から小児矯正まで幅広く対応しています。
小児矯正では取り外しができる矯正装置を主に使い、永久歯が生えそろってからワイヤー矯正を行うそうです。
裏側矯正(舌側矯正)とホワイトニングを並行した治療も提供しています。
表側矯正では矯正装置があるためホワイトニングができませんが、矯正装置が裏にある裏側矯正(舌側矯正)ならホワイトニングも可能です。そのため、きれいな歯並びときれいな歯の両方を手にすることができます。
ホワイトニングと歯列矯正を同時に行えるため、通院の手間なども省くことができるでしょう。歯科医院でのホワイトニングはセルフでするよりもムラなくきれいにできるのがメリットです。ただし、個人差があることや薬剤がしみる場合があるなどのデメリットがあります。
すが矯正歯科クリニックのホワイトニングの費用は、ホワイトニングのみで22,000円(税込)、裏側矯正を受けている方は11,000円(税込)です。
裏側矯正(舌側矯正)の経験が豊富で難症例も相談可能
裏側矯正(舌側矯正)のデメリットでお伝えしましたが、裏側矯正(舌側矯正)は歯科医師の技術力が求められる治療法です。矯正装置が合わないと不快感があり、治療を続けるのも難しいでしょう。
しかし、すが矯正歯科クリニックの院長は裏側矯正(舌側矯正)の経験が豊富で、過去に治療が難しいといわれたような難症例でも相談を受け付けているそうです。
矯正装置が目立ちにくいため、接客業などで人と接する方や、結婚式などのイベントが控えている方でも裏側矯正(舌側矯正)であれば治療を受けやすいでしょう。
患者さんのQOL向上を目指した治療を提供
すが矯正歯科クリニックでは、歯列矯正は患者さんのQOLを向上させ、人生がより楽しく豊かになるための治療と考えているそうです。
歯並びが悪いと人前で笑うことに抵抗を感じる方も少なくありません。また、噛み合わせが悪いとうまく食べ物が噛み切れず食事をおいしいと感じられなくなることもあるでしょう。
歯列矯正によって歯並びが改善すると、人前で笑えるようになり、食事もしやすくなります。そのため、歯列矯正は患者さんのQOLを向上させると考えているそうです。
歯列矯正を初めて受ける方は不安が大きいでしょう。すが矯正歯科クリニックではそのような患者さんでも不安なく治療が受けられるように、丁寧なカウンセリングや治療説明を心がけているそうです。
裏側矯正(舌側矯正)を検討しているのなら、すが矯正歯科クリニックでカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
すが矯正歯科クリニックの基本情報
アクセス・住所・診療時間・費用・治療回数
東急目黒線 武蔵小山駅西口より徒歩2分
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00~13:00 | - | ● | ● | - | ● | ● | ● | - |
15:00〜20:00 | - | ● | ● | - | ● | ● | △ | - |
△:日曜午後 15:00~18:00
※月曜・木曜・祝日・第4日曜
【費用(税込)】825,000~1,210,000円
【治療期間】2~2.5年
【治療回数】24~30回
参考文献