歯の矯正の値段は中学生でも高い?種類別の値段相場・費用を抑える方法も紹介
歯の矯正は、崩れた歯並びを整えてくれる効果的な方法です。子供に受けさせたいと考える親は多いでしょう。
しかし、小さい時では治療の必要性が分からないこともあり、中学生くらいから治療を受けさせようと考える方も多いです。
そこで気になるのが費用の問題です。中学生の矯正にかかる治療費はどの程度かかるのでしょうか。
本記事では、中学生の歯の矯正にかかる費用について解説します。種類別の値段相場や費用を抑える方法についても紹介するので、参考にしてください。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
中学生の歯の矯正の値段は大人と同程度
中学生ごろから、子供の歯の矯正を考える方は多いです。これは、小さい子供のうちは矯正治療の必要性を理解できず、適切な歯磨きなどができないことが多いためです。
矯正を行う場合、どうしても歯を磨く以外にも矯正装置を清潔に保つためのお手入れが必要となります。
矯正の必要性が理解できる年齢であれば、これらのお手入れも問題なくできますが、小さい子供のうちは正しくできないケースがあります。
そのため、親も中学生頃から矯正を始めようと考える方も多いです。しかし、心配なのが費用の問題です。
中学生ともなると、小さい子供のころと比べると、矯正費用が高くなるのではないかと考えている方もいるでしょう。
実際には、費用は大人と同程度といわれています。これは、永久歯が完全に生えそろっているためです。
しかし、費用は症状や矯正の方法によっても異なります。大人と同じ程度かかるといっても、骨がまだ柔らかいこともあり矯正はしやすい時期です。
費用だけでなく、それらの条件も踏まえて、矯正を行うか決めると良いでしょう。
ワイヤー矯正の値段の相場
中学生の矯正の費用について、大人で同程度であることをご紹介しましたが、矯正の方法によっても費用は異なります。
矯正には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などがありますが、具体的にどの程度の費用がかかるのでしょうか。
ここではまず、ワイヤー矯正の値段の相場について、方法別の金額をご紹介します。
全体矯正の値段
ワイヤー矯正の中には、全体矯正と部分矯正の2種類があります。その中でも全体矯正とは、歯の全てを同時に矯正する方法です。
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを固定して、ワイヤーを通して歯を動かす方法です。
全体矯正の場合は、全ての歯にブラケットとワイヤーを装着することとなります。そのため、非常に見た目が目立つ点が特徴で、見た目を気にする方は多い傾向です。
全体のワイヤー矯正を行う場合の費用は、約20万円~130万円程度かかります。
部分矯正の値段
部分矯正とは、矯正したい一部分だけに治療を行う方法です。ワイヤー矯正の場合は、部分的にブラケットとワイヤーを装着して矯正します。
基本的には、前歯から3番目の犬歯までの歯並びを整えることが多いです。部分矯正で奥歯の歯並びを扱うことはないため、注意が必要です。
全体矯正と比較すると、見た目が目立ちにくい点が特徴となります。また、気軽にできると感じる方も多いです。
部分矯正の費用は、全体矯正よりも費用を抑えられる傾向で、約30万円~60万円程度となります。
表側矯正の値段
ワイヤー矯正には、表側矯正と裏側矯正の2種類があります。表側矯正の場合は、見た目が気になる方が多いですが、幅広い症例に対応できる点が特徴です。
歯の表面にブラケットとワイヤーを装着して歯を動かすため、口を空けたときに非常に見えやすいです。
しかし、幅広い症例に対応できるほか、痛みが伴う場合はワイヤーの調整で和らげることも可能となります。
さらに表側矯正の中には、部分矯正と全体矯正があります。費用については、先述したように全体矯正の場合が約20万円~130万円、部分矯正の場合は約30万円~60万円程度です。
裏側矯正の値段
ワイヤー矯正は見た目が気になりやすい治療法ですが、裏側矯正にすることで、見た目が気になりにくくなります。
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを固定する方法です。口をある程度空けても、角度によって見えにくいため、見た目が気にならないという方が多いです。
しかし、表側矯正よりも対応できる症例が限られる場合があります。また、裏側矯正は一般的に表側矯正よりも費用が高額になりやすいです。
裏側矯正の費用は、全体矯正の場合が約100万円~170万円、部分矯正が約40万円~70万円程度となります。
マウスピース矯正の値段の相場
矯正には、ワイヤー矯正以外にもマウスピース矯正と呼ばれる方法があります。マウスピース矯正の場合は、どの程度の費用がかかるのでしょうか。
また特徴も知ることで、費用と照らし合わせて、どの矯正方法を選ぶかを検討できるでしょう。ここでは、マウスピースの値段の相場をご紹介します。
全体矯正の値段
マウスピース矯正とは、透明な薄いマウスピースを口の中に入れて、噛み合わせや歯並びを整える方法です。
ワイヤー矯正と比較すると、見た目が目立たないため、周囲に気づかれにくい点が特徴となります。
また、取り外しができることもワイヤー矯正と大きく異なる点です。ワイヤー矯正の場合は、矯正装置を固定すると治療が終わるまで取り外しができません。
一方で、マウスピース矯正の場合は、いつでも取り外しが可能です。食事や歯磨きの際に外してお手入れができるため、虫歯の予防も比較的簡単に行えます。
しかし、マウスピース矯正は装着時間が決められています。
1日の装着時間と装着期間が決められているため、それを守らなければ治療期間が長くなってしまう可能性があるでしょう。
全体のマウスピース矯正の費用は、約60万円~100万円程度となります。
部分矯正の値段
マウスピース矯正には部分矯正もあります。矯正したい歯の部分に、透明なマウスピースを装着して歯を動かす方法です。
ワイヤー矯正と同様に、奥歯は対応できず、前歯の範囲しか対応できないため注意が必要です。
マウスピースの部分矯正の費用は、約10万円~40万円程度となります。
中学生の矯正の費用を抑える方法
矯正に伴う費用を治療方法別でご紹介しましたが、高額と感じる方は多いでしょう。できれば、費用を抑える方法はないものかと考えた方もいるのではないでしょうか。
実は、矯正の費用を抑える方法や負担を軽減する方法はあります。ここでは、中学生の矯正の費用を抑える方法をご紹介するので、参考にしてください。
分割払いできる医院を選ぶ
費用の負担を抑える方法として、分割払いできる医院を選ぶ方法があります。矯正費用の分割払いの方法としては、次のようなものが挙げられます。
- クレジットカードなどの分割払いを利用する
- 歯科医院の分割払いを利用する
クレジットカードの分割払いの方法も、一括の支払いの負担を和らげてくれる方法です。しかし、カードローン会社ごとで金利や支払い回数が異なります。
そのため、より費用の負担を抑えたい場合には、歯科医院が用意してくれている分割払いを利用する方法が良いでしょう。
歯科医院独自で用意してくれており、無金利で分割払いが可能な場合もあります。支払い回数は、医院によっても異なるため、確認して利用しましょう。
医療費控除を利用する
医療費控除を利用する方法も、費用を抑える方法のひとつです。
医療費控除とは、支払った医療費が年間で税込10万円以上の場合に、確定申告で収めた税金の一部が還付される制度です。
小学生から中学生の場合であれば、子供の成長に必要な矯正とみなされる可能性が高いため、対象となった場合には医療費控除を利用すると良いでしょう。
しかし、対象となるかの判断は税務署が行います。確実に医療費控除の対象となる保証はないため、注意が必要です。
部分矯正で対応する
部分矯正で対応することでも、費用を抑えられます。先述した通り、部分矯正の方が全体矯正よりも費用を抑えられます。
そのため、まず気になるところを部分矯正して、後程気になるようであれば改めて矯正を行う方法も選択できるのです。
しかし、部分矯正が選択できるかは、症状によっても異なります。全体を矯正しなければならない場合には、使えない方法であるため注意が必要です。
モニター価格の治療を受ける
モニター価格の治療を受ける方法も、費用を抑えるのに有効です。
モニター価格とは、医院が指定する条件に合う場合に、通常の矯正治療よりも安い価格で受けられるというものとなります。
医院が指定する条件には、次のようなものがあります。
- 症例写真として利用する
- アンケートに回答する
- SNSでの口コミを投稿する
モニター価格で矯正できるようになると、症例写真として、自分の治療中の写真や治療完了後の写真が利用されます。
利用される場としては、SNSや医院のウェブサイト、学会資料が代表的です。
また、アンケートへの回答も求められる可能性があります。アンケートは、医院のウェブサイトやSNSなどで、体験談として掲載されるでしょう。
さらに、SNSでの口コミ投稿を求められることもあります。医院の宣伝を行うということです。
これらの条件に同意して実施することで、通常よりも数万円~10万円程度安くなることがあります。
どの程度割引されるかは、医院によっても異なるため注意が必要です。
中学生の歯の矯正は保険適用になる?
矯正の具体的な費用や、負担を抑える方法をご紹介しましたが、保険適用にならないのかと疑問に思っている方もいるでしょう。
実は、基本的に矯正は保険適用外となります。そのため、全額自己負担が基本です。しかし、一部保険適用となる場合もあります。適用条件は次の通りです。
- 先天性の異常がある場合
- 顎変形症と診断され、治療のための矯正である場合
- 前歯の永久歯が3本以上萌出不全と噛み合わせの異常を起こしている場合
これらの条件を満たしており、治療の一環で矯正を必要とする場合において、保険適用となるのです。
さらに、保険適用となった場合の治療は、国から認可された医院でのみ行えます。限られた条件と医院での治療となるため注意が必要です。
中学生の歯の矯正をするメリット
費用を抑えられる方法はいくつかありますが、中学生の矯正にかかる費用は決して安くありません。
そのため、あまりにひどい歯並びでないのであれば、延期しても良いのではないかと考える方も多いです。
しかし、中学生のうちに矯正をするメリットがあります。先延ばしにするかどうかは、メリットを踏まえたうえで決めた方が良いでしょう。
成長期の歯は矯正しやすい
中学生は成長期の時期にあたるため、歯が矯正しやすい点がメリットに挙げられます。この時期の歯は、まだ非常に動かしやすいため、治療が容易に進められるのです。
成長をしていくと、骨は次第に硬くなります。そのため、大人になると子供の時よりも治療期間が長くかかってしまいます。
また、歯並びや噛み合わせは、年齢とともに進行するものです。そのため、歯が動かしやすい中学生の時期に矯正をしておくと、将来的に歯並びの悪化を防ぐのにも効果があります。
比較的歯を調整しやすい時期だからこそ、矯正をしておくメリットは大きいのです。
見た目のコンプレックスを解消できる
見た目のコンプレックスを解消できる点も大きなメリットです。歯並びが崩れていると、見た目が気になると感じる方が沢山います。
人によっては見た目にコンプレックスを抱いてしまい、上手く友達付き合いができなくなることもあるでしょう。
学校生活の中で、歯並びが原因で消極的になったり友達と楽しく過ごせなかったりというケースも少なくありません。
しかし、矯正を行えば、歯並びによるコンプレックスを解消できます。普段の学校生活も楽しく過ごせるようになるため、子供にとってのメリットは非常に大きいでしょう。
中学生の歯の矯正は歯科医に相談しよう
中学生のうちに行う矯正は、メリットは大きいですが費用が高額です。そのため、なかなか簡単に治療を進めようと決められない方も多いでしょう。
しかし、費用を抑える方法はあります。医療費控除やモニター価格などを利用すれば、比較的負担を抑えて受けることが可能です。
とはいえ、これらの制度を利用するには条件があります。条件にあてはまるかどうかを確認しながら、矯正を受けるか決めましょう。
また、具体的な治療費用が分からなければ検討は難しいですが、費用などを自分で計算することは不可能です。
悩みや矯正に対しての疑問を解消するためにも、歯科医に相談して治療を進めましょう。
編集部まとめ
歯並びが崩れていると、見た目が悪く、コンプレックスに感じることもあります。中学生の場合は、楽しく学校生活を送れないなどの問題を抱える可能性もあるでしょう。
しかし、矯正の費用は高額です。工夫次第では負担を軽くする方法もありますが、高額であることには変わりません。
とはいえ、中学生のうちに治療するメリットは大きいです。総合的に照らし合わせながら、子供のことを考えて治療を受けるかを決めましょう。
矯正についての疑問や、具体的な治療費用を知りたい場合は、歯科医に相談してください。適切な治療方法など、細かい疑問を解消することで安心して治療を進められます。
参考文献
- それぞれの矯正期間とかかる費用の目安|医療法人社団さっぽろ矯正歯科クリニック
- 子供の歯科矯正 費用はいくらかかる?目安の相場や料金体系による違い|キレイライン矯正BLOG
- 矯正治療にともなうリスクや副作用、治療中の注意事項について|医療法人社団よこやま矯正歯科
- 中学生・高校生の歯の矯正の値段は?ワイヤー・マウスピースそれぞれで紹介|Oh my teeth
- マウスピース矯正(インビザライン)|矯正・自由が丘歯科室
- マウスピース矯正って何?|一般社団法人播磨歯科医師会
- 前歯のみの部分矯正とは?矯正方法とメリット・デメリットを解説!|hanaravi歯科矯正blog
- 大学生が親に内緒にしながら自腹で歯の矯正をするのは可能なのか?|ORTHOPEDIA埼玉の矯正歯科情報サイト
- 大学生が悩む歯科矯正の治療費用について|医療法人敬慈会桑田歯科
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