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インビザラインは口内炎ができやすい?原因や対処法、予防法を解説

 公開日:2025/09/13
インビザラインは口内炎ができやすい?原因や対処法、予防法を解説

インビザラインはほかのマウスピース型矯正のなかでも目立ちにくく、高い歯列矯正効果を持つ治療法です。さらに、口腔内を傷つけにくい素材で作られているため、ほかの歯列矯正治療より口内炎が発生しにくいとされています。 しかし、歯に異物を装着するため、お口のトラブルが発生することもあります。特にマウスピースの縁が干渉することや、生活習慣の乱れによる口内炎発生のリスクは高いようです。 これからインビザライン治療を行おうと考えている方で、口内炎の発生が気になる方も少なくないかもしれません。そこで今回はインビザライン治療中における口内炎の発生原因や対処法、予防法などに焦点を絞って、詳しく解説していきます。

小田 義仁

監修歯科医師
小田 義仁(歯科医師)

プロフィールをもっと見る
小田歯科・矯正歯科
院長 小田 義仁
岡山大学歯学部 卒業
広島大学歯学部歯科矯正学教室
歯科医院勤務をへて平成10年3月小田歯科・矯正歯科を開院
所属協会・資格
日本矯正歯科学会 認定医
日本顎関節学会
日本口蓋裂学会
安佐歯科医師会 学校保健部所属
広島大学歯学部歯科矯正学教室同門会 会員
岡山大学歯学部同窓会広島支部 副支部長
岡山大学全学同窓会(Alumni)広島支部幹事
アカシア歯科医会学術理事

インビザラインで口内炎ができる原因

インビザラインを装着する

インビザラインの歯列矯正装置の特徴を教えてください。

インビザラインはほぼ透明なマウスピースを装着し、歯並びを整えていく治療法です。インビザラインには特に年齢制限がなく、子どもから大人まで幅広く使用できます。ほかの歯列矯正に比べて痛みが少ないことも特徴の1つです。これは、1つのマウスピースで歯を動かす距離が短いため、痛みを軽減できる仕組みです。3Dシミュレーションを使用することにより、困難な症例にも対応でき、幅広い治療を行えます。インビザラインはほかのマウスピース型矯正よりも歯型取りの回数が少ないため、通院数も少なくできます。また取り外し可能なので、歯列矯正装置の清掃を行えば食べ物が詰まりっぱなしになることがなく、治療中も普段どおりの食事が可能です。一方取り外しが簡単な反面、インビザラインは決められた装着時間を守れなければ治療効果に影響がでてしまいます。そのため、インビザライン治療を継続していく方には装着時間を守れる強い意思が必要です。

インビザラインは口内炎ができやすいと聞いたのですが本当ですか?

インビザラインを開始してからの初期段階では、歯列矯正装置の装着に慣れず、一時的に口内炎が発生する場合があります。この点はある程度避けられない部分ではあります。しかしインビザラインは口腔内を傷つけにくい素材で作られているため、ワイヤー矯正やほかのマウスピース型矯正のなかでも口内炎ができにくい歯列矯正です。もしインビザラインでも口内炎ができやすい場合には、マウスピースの装着感を再度調整し直すなど、適切な対策を講じることで口内炎のリスクを抑えることができます。インビザラインをより快適に継続していくためにも、口内炎対策に注意していきましょう。

インビザラインで口内炎ができる原因を教えてください。

インビザラインで口内炎ができる原因の1つは、マウスピースが口腔内に干渉し粘膜が刺激されることです。特にマウスピースのエッジ部分が粘膜に干渉することで、炎症が起こりやすいようです。またインビザラインを継続し、歯列が徐々に移動し噛みあわせが変わることで、お口のなかに違和感を覚える場合があります。その違和感が口腔内の粘膜を刺激し、口内炎の発生につながります。喫煙も口内炎のリスクファクターの1つです。たばこに含まれる有害物質が口腔内の粘膜を刺激しやすくなり、口内炎発生のリスクを高めます。そのほかにも、ストレスを抱えることも原因の1つです。ストレスは免疫低下を招き、口内炎発生のリスクを高めることにつながります。

インビザラインによる口内炎はどの部位にできやすいですか?

インビザラインによる口内炎の好発部位は、主に歯茎や舌、頬および唇の内側の粘膜に発生しやすいようです。しかしインビザラインは歯のみを覆う設計のため、ほかのマウスピース型矯正よりも歯茎を痛めにくい性質を持っています。

インビザラインで口内炎ができた場合の対処法

医師に相談する

インビザラインで口内炎ができた場合に自分でできる対処法を教えてください。

口内炎ができると、初期症状として赤く腫れた斑点が口腔内に現れます。また斑点が進行し潰瘍になると痛みを生じます。この段階であれば、セルフケアで十分に改善可能です。日常で認識されている口内炎のほとんどがアフタ性口内炎に分類され、通常1~2週間で自然完治するものがほとんどです。対処法はまず、塩分を含んだぬるま湯でうがいをすれば、炎症の進行を抑えることができます。また、市販の口内炎薬を使用することも対処法の1つです。その際は必ず使用方法を遵守しましょう。マウスピースの縁が原因で口内炎ができた場合は、歯科医院で研磨してもらうと改善が期待できます。また食事を摂るときも刺激物を避け、なるべくやわらかいものを食べることで、痛みの増長を抑え不快感を緩和できます。バランスの取れた食事を心がければ、免疫力が高まり自然治癒力が促進されていくでしょう。

自己判断で塗り薬などを使用しても大丈夫ですか?

インビザラインによる口内炎の症状が初期段階であれば、市販の口内炎薬であれば使用しても問題ありませんが、必ず使用方法を守りましょう。症状が重篤な場合は、歯科医師の診断および治療を受けるようにします。インビザライン治療中の口内炎で、治癒が長引く場合は歯科医師の処方によるステロイド軟膏で炎症を抑えることが可能です。

インビザラインによる口内炎で歯科医院を受診する目安を教えてください。

インビザライン治療中に口内炎が何度もできる場合は、歯科医院でマウスピースの調整が必要になることがあります。また、口内炎の進行状態によっては治療計画を見直さなければならない場合もあります。無理のないインビザライン治療を継続するためにも、早めに原因を確認し、適切な治療を受けるようにしましょう。

歯科医院ではどのような治療を行いますか?

インビザラインによる口内炎の治療では、歯科医院で塗り薬を処方してもらうことで痛みを抑える治療法があります。マウスピースの口腔内への干渉が原因になっている場合は、歯科医師によってマウスピースの調整を行い、粘膜への刺激を緩和します。口内炎による痛みが強い場合には、ステロイド軟膏の使用が効果的です。ステロイド軟膏は炎症の発生を抑えてくれる効果が強く、口内炎の程度によっては有用なときもありますが、歯科医師とよく相談したうえで使用しましょう。そのほかにも、場合によっては専用のレーザーで表面を焼き、瘡蓋のような膜を作ることで治癒力を高める方法もあります。

インビザラインによる口内炎の予防法

歯を確認する

インビザラインによる口内炎の予防法を教えてください。

口内炎の予防法として、第一に歯磨きを正しく行うことが大前提となります。食事後やインビザラインを外した後は、歯ブラシで丁寧に食べかすを取り除きましょう。歯ブラシだけでは落としにくい歯間の汚れは、デンタルフロスなどを使って丁寧にケアしましょう。マウスピースを定期的に清掃して、清潔に保つことも大切です。清掃はマウスピースを専用クリーナーで洗浄したり、クリーナーに浸け置きしたりすることで、清潔さを持続させることができます。また歯科医院を定期的に受診することで、口腔内の問題を早期に発見し、適切な治療が受けられます。マウスピース自体の調整が必要な場合もあるため、歯科医師による定期的なフォローアップが大切です。

口内炎を予防するための生活習慣のポイントを教えてください。

規則正しい食生活を心がけることが、生活習慣の第一のポイントです。特に、刺激物の摂取は口内炎のリスクを高めます。ビタミンや豊富なミネラルを摂取するように心がけることで、健康的な口腔内を維持することができます。次に、できるだけストレスを抱えないことも口内炎予防のポイントです。ストレスを抱えることは免疫低下につながるため、口内炎ができやすくなります。ストレスを感じたときは、自分なりのストレス解消法を実践し、リラックスする時間を取ることが大事です。また禁煙することも口内炎予防には大切で、喫煙により口内炎発生のリスクが高まります。インビザライン治療中は、口腔内を清潔に保つためにも禁煙を意識しましょう。このように、適切なライフスタイルが口内炎の予防に大きく影響を与えていきます。

編集部まとめ

歯を見せる女性

インビザラインはワイヤー矯正やほかのマウスピース型矯正のなかでも口内炎ができにくい治療法です。しかしマウスピースの縁が口腔内に干渉する場合や生活習慣の乱れなどが原因で、口内炎ができる場合もあります。 今回は、インビザラインにより発生した口内炎の原因や対処法、予防法について詳しく解説しました。当記事がインビザライン治療を行う方にとって、適切に治療を継続していける手助けとなれば幸いです。

この記事の監修歯科医師