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歯列矯正の保定はいつまで続く?期間の目安や注意点も解説

 公開日:2026/01/15
歯列矯正の保定はいつまで続く?期間の目安や注意点も解説

歯列矯正によって手に入れた美しい歯並び。しかし、動かしたばかりの歯は不安定で、何もしなければ元の位置に戻ろうとする、後戻りのリスクがあります。この後戻りを防ぎ、理想の歯並びを長期間維持するために欠かせないのが、保定(ほてい)です。
この記事においては、保定の必要性や気になる保定期間の目安、正しい保定装置(リテーナー)の使い方、そして期間中の注意点について詳しく解説します。
せっかく時間と費用をかけた矯正治療を成功させるためにも、保定に関する正しい知識を身につけましょう。

中山 雄司

監修歯科医師
中山 雄司(おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺)

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所属先:おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺
出身大学:大阪歯科大学歯科矯正学講座
経歴: 2012年3月 大阪歯科大学卒業
    2018年3月 大阪歯科大学大学院歯学研究科博士課程終了
    2019年4月 大阪歯科大学 歯科矯正学講座 助教
    2021年4月 大阪歯科大学 附属病院矯正科 診療主任
    2024年6月 おとなとこどもの歯並び 中山矯正歯科・小児歯科 西大寺 開院
    2025年1月 大阪歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯正学)講師(非常勤)
取得資格:日本矯正歯科学会 認定医
所属学会:日本矯正歯科学会/ 近畿東海矯正歯科学会 / 日本舌側矯正歯科学会 / 日本顎変形症学会 / 近畿矯正歯科研究会

歯列矯正の保定の基礎知識

歯列矯正の保定の基礎知識

保定はなぜ必要なのでしょうか?

歯列矯正後の歯並びを維持するためには、その状態を固定するための処置が必要だからです。
歯列矯正を終えたばかりの歯並びは、不安定で元の状態に戻ろうとする(後戻りしやすい)状態です。そのため、後戻りを防ぎ、せっかく整えたきれいな歯並びを維持するために保定が必要なのです。

保定装置は一日中装着する必要がありますか?

保定装置は、歯列矯正の直後は一日のうちほとんどの時間つけ続ける必要があります。外すのは、保定装置のお手入れや食事の時だけで、それ以外の時間は常に装着し続けます。一日20時間以上を目安に装着します。
状態が安定してくれば装着時間を減らすことが可能で、数ヶ月から半年程度をかけて装着時間を短くしていき、最終的には就寝時のみ装着という利用方法に切り替えていきます。
必要な装着時間は歯の状態などによって異なるため、歯科医師の指示をよく聞いて治療に臨みましょう。

保定装置にはどのような種類があるか教えてください

保定装置は、一般的に知られているもので下記のようなものがあります。

  • ベッグタイプリテーナー
  • スプリングリテーナー
  • トゥースポジショナー
  • インビジブルリテーナー
  • フィックスリテーナー

ベッグタイプリテーナーは、特に使用されることが多い保定装置の一つです。歯列全体をワイヤーで取り囲み、締め付けるようにはめて使用します。抜歯を伴う矯正治療後によく使われます。着脱可能で、お手入れしやすいのが特徴です。

スプリングリテーナーは、プラスチックと金属のワイヤーで構成されている着脱可能な保定装置です。部分的な保定装置として、主に下顎前歯の保定に使用されます

トゥースポジショナーは、シリコンでできた着脱可能な保定装置です。保定装置として使用される以外にも、軽度の歯列の乱れの矯正にも使用することができます。

インビジブルリテーナーは、透明なプラスチックでできた、着脱可能な保定装置です。マウスピース型矯正のように透明で目立ちにくく、審美性に優れます。

フィックスリテーナーは前歯の裏側に直接接着する保定装置です。着脱不可能で、長期間つけ続けます。

歯列矯正の保定期間と保定装置の装着時間

歯列矯正の保定期間と保定装置の装着時間

保定はどのくらいの期間行いますか?終了の判断基準は何ですか?

一般的に、保定期間は少なくとも2〜3年以上が目安です。
保定期間終了の判断基準は、定期検診で後戻りがないことが確認できたときで、その判断は歯科医師が行います。もし、歯列矯正の治療期間と同じ期間にわたって保定装置をつけていたとしても、歯科医師が診察した上で後戻りがまだあると判断した場合は、保定を継続して行う必要があります。

歯列矯正の種類によって保定期間や装着時間は異なりますか?

歯列矯正の種類による保定期間や装着時間に大きな違いはありません。しかし、保定期間は歯列矯正の期間と同程度かかりますので、歯列矯正の方法によっては治療期間が長くかかるものもあり、その場合は保定期間も長くなります。
装着時間に関しては、自分で取り外し可能なものと歯科医師によって固定されるものがあり、取り外し可能なものは歯列矯正直後は1日20時間以上装着し、徐々に装着時間を減らしていきます。取り外しができない保定装置は常時装着し続けることになるため、装着時間に違いが生じる場合はあります。

保定装置の長期使用にはリスクがありますか?

保定装置の長期使用には、いくつかのリスクが考えられます。
まず懸念されるのが、衛生面によるリスクです。保定装置は常に口腔内で歯に密着しているため、保定装置の清掃が十分に行えていないと、むし歯や歯周病のリスクが高まります。また、着脱不可能な固定式の保定装置の場合、歯との接着部分に磨き残しが起こりやすく、その部分からむし歯が進行しやすいです。
次に懸念されるのが、保定装置のワイヤーなどによる歯や歯茎の傷や炎症といったトラブルです。強くあたったり擦れたりといった負担が続くと、お口の中が傷つき、細菌感染によって腫れたり化膿してしまうことがあります。
そして、保定装置自体の劣化による破損のリスクもあります。保定装置は一定期間使うことを想定した強度で作られていますが、想定以上の長期間にわたって使用を続けると劣化し、破損する危険性があります。破損によって口腔内を傷つけたり、破損した一部を誤飲してしまうなどの危険性があり注意が必要です。

歯列矯正の保定に関する注意点

歯列矯正の保定に関する注意点

保定装置の装着時に違和感や痛みがあるときは、どのように対処すべきですか?

違和感や痛みを感じたら、すぐにかかりつけの歯科医院に連絡し、対処法を教えてもらいましょう。その後、日程を調整して再度歯科医院に保定装置を持ち込み、違和感なく装着できるように調整してもらいましょう。

保定を怠るとどのようなリスクがありますか?

保定を怠った際のリスクとしては歯並びの後戻りがあります。せっかく時間やお金をかけて歯列矯正をしたのに、すぐに後戻りしてしまっては元も子もありません。保定まで含めて歯列矯正治療が完了するということをしっかり認識しておきましょう。
また、保定は後戻りを防ぐだけでなく、まだ安定していない歯並びを固定する役割もあります。歯並びが不安定な状態では、歯と歯の隙間や歯と歯茎の隙間などに食べかすなどが詰まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。もし保定の期間中にむし歯や歯周病が発生したら、保定よりもむし歯や歯周病の治療の方が優先となり、保定が後回しになってしまう可能性があります。そうすると、保定期間がさらに長くなってしまったり、再度矯正治療を行う必要が出てきたりと、治療期間や治療費用が余計にかかってしまうので、保定は正しく行うことが重要です。

保定装置のケア方法・保管方法を教えてください

保定装置のケア方法は、着脱可能なものと、固定式のものとで異なります。
着脱可能なものの場合は、日常のケアとして、取り外した後に流水で洗い流し、やわらかい歯ブラシなどで汚れをこすり落とします。これは食事のために取り外した際などに行います。加えて、週に一回程度は、専用の洗浄剤を使用してつけおき洗いをしましょう。 保管方法としては、取り外している間は必ず専用のケースにしまっておきます。ケースに入れないでおくと、圧が加わるなどして変形してしまうため、必ずケースに入れて保管しましょう。
固定式の保定装置は取り外して洗浄することができないため、日常の歯磨きと同様に歯ブラシを使って清掃します。固定式の場合は常に歯に接着しているため、保管方法などは特にありません。

保定期間中の歯科医院への受診頻度の目安と診察内容を教えてください

歯列矯正が終わってすぐの保定期間中は、1〜3ヶ月に1回程度の頻度で通院します。ある程度歯列が安定してきたら、3〜6ヶ月に1回程度の通院頻度になります。さらに歯並びが安定してきたら、半年〜1年に1回程度の通院となります。
診療内容としては、歯並びが安定しているかどうかの確認のほか、必要に応じて保定装置の調整を行ったり、歯科クリーニングでむし歯や歯周病の予防と検査を行ったりします。保定装置を使用していると、何もつけていないときよりもむし歯や歯周病になりやすいため、定期的な通院でお口の中の健康をチェックすることも重要です。

編集部まとめ

編集部まとめ
歯列矯正の治療は、歯を動かす動的治療だけでなく、歯並びを定着させる保定期間まで含めて完了します。保定は地味に感じるかもしれませんが、せっかく整えた歯並びを後戻りから守り、その価値を確かなものにするための、重要な仕上げのプロセスです。歯科医師の指示に従い、保定装置(リテーナー)を正しく装着し、定期的なメンテナンスを続けることが、美しい笑顔をキープするための鍵ですので気を抜かずにしっかりと取り組みましょう。

この記事の監修歯科医師

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