前歯がギザギザになる原因を紹介!前歯がギザギザのデメリット・治し方・治療費用相場も解説
子供の頃は歯の生え変わりなどがあり、歯がギザギザになる場合もあります。そのため、子供の前歯がギザギザでも気にする方は少ないでしょう。
しかし大人になってもギザギザの前歯が改善しないと心配になってくる方もいるでしょう。この記事では大人の前歯がギザギザになる原因を紹介します。
ギザギザの前歯にはどのようなデメリットがあるのか、治し方・治療費用相場も併せて解説していきます。
ギザギザの前歯に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
監修歯科医師:
酒向 誠(酒向歯科口腔外科クリニック)
目次 -INDEX-
子供の前歯がギザギザになる原因
冒頭で子供の前歯は生え代わりでギザギザになる場合があるとお伝えしましたが、なぜ子供の前歯はギザギザになるのでしょうか。
子供の前歯がギザギザになるのは正常な証拠です。「切縁結節(せつえんけっそく)」と呼ばれ、生えたての永久歯は先端がギザギザしています。
生えたての永久歯の先端がギザギザになる理由は、歯の発育方法が関係しています。歯の先端部分から石灰化が始まるためです。
石灰化の始まりを。「発育葉」といい、前歯は次の3つの発育葉からできています。
- 近心葉
- 中心葉
- 遠心葉
これら3つの発育葉があるため、切縁結束と呼ばれるギザギザができるのです。
大人の前歯がギザギザになる原因
前歯のギザギザは永久歯が生えてきて2~3年で目立たなくなります。
しかし3年以上経過して大人になっても前歯がギザギザしている場合、他の原因が考えられます。
大人の前歯がギザギザになる原因として主に次の4つが考えられるでしょう。
- 悪いかみ合わせ
- 柔らかい食事
- 歯ぎしり・食いしばり
- 酸蝕症
下記ではこれら4つの原因について詳しく解説していきます。
悪いかみ合わせ
歯のかみ合わせが悪い歯列不正もしくは反対咬合・開咬などのかみ合わせのトラブルで前歯がギザギザになる場合もあります。
永久歯のギザギザが2~3年で目立たなくなるのは、咀嚼によって歯がすり減り平らになるためです。
しかしかみ合わせが悪い場合、前歯を上手く使えないためギザギザが残ってしまいます。
かみ合わせが悪いと見た目も良くなく、様々なトラブルが出てくる場合もあります。
- 歯磨きがきちんとできず虫歯・歯周病になりやすくなる
- しっかりとかめず消化不良を起こしやすくなる
- 顔の形が歪んでしまう
- 滑舌が悪くなる
- 顎関節症になりやすい
- 口臭がひどくなる
これらのトラブルを引き起こすかもしれません。かみ合わせが悪い方は歯科医師に相談してみましょう。
柔らかい食事
柔らかい食事が原因で、前歯がギザギザになっている場合もあります。ここ最近、かたいもの・弾力のある食べ物を食べる回数が減っているといわれています。
おやつはケーキ・カステラなどが多いなという方も多いのではないでしょうか。
かみ合わせが悪いと前歯が上手く使えずにギザギザになるとお伝えしましたが、柔らかい食事も似たような理由です。
柔らかい食事はしっかりとかむ必要がないため、前歯を使う回数も自然と少なくなります。前歯を使わないと、歯は削れていってくれません。
その結果、ギザギザが残りやすくなります。食べやすいように小さく切られた食事も注意が必要です。
前歯でかみ切る必要がなく、そのまま奥歯へ食べ物を運んでかんでしまうからです。
かたいものや弾力があるものを食べる・少し大きめに切って調理するなど、調理法を工夫しましょう。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は前歯がギザギザになりやすいです。普段の食事で歯に加わる力は数㎏~30㎏とされています。
では、歯ぎしり・食いしばりではどれくらいの力が加わっているのでしょうか。
体重60㎏の成人男性の場合、その力は300~900kgといわれています。
食事のときよりも遥に強い力が歯に加わっているのです。そのため歯が削れ、ギザギザになってしまうのです。
歯ぎしり・食いしばりはストレスが原因で起きる場合もあります。運動をする・休養をとるなど、ストレスを溜めないように生活習慣を見直すことも大事です。
酸蝕症
酸蝕症は、酸性の食べ物・飲み物によって歯が溶かされた状態のことです。
スポーツドリンクなどは酸性の飲み物のため、飲み過ぎると酸蝕症になりやすく、前歯がギザギザになってしまう場合もあります。
酸蝕症かどうかを見分けるポイントとして、前歯がギザギザになる以外に以下の症状も挙げられます。
- 歯が変色している
- 歯が丸くなってきている
- 冷たいもしくは熱い食べ物・飲み物が歯にしみる
- 歯の厚みがなくなっている
心当たりがある方は早めに歯科医院へ相談にいきましょう。
逆流食道炎・拒食症などによる嘔吐でも口の中が酸性になり、酸蝕症になる可能性もあります。
前歯がギザギザになるデメリット
ギザギザの前歯は見た目が綺麗とはいえません。前歯がギザギザしている原因によっては、他の部分へ影響が出てくる場合もあるでしょう。
- 唇を傷つける
- 口元のコンプレックス
- しっかりかめない
前歯がギザギザになると、これら3つのデメリットが出てきます。以下ではこれら3つの前歯がギザギザになるデメリットについてみていきます。
唇を傷つける
前歯がギザギザになると、唇を傷つける恐れがあります。
唇をかんだとき、歯がギザギザしていると傷つけやすいためです。
かみ合わせが原因の場合、前歯が出っ張っていて唇を傷つける可能性もあるでしょう。
口元のコンプレックス
前歯がギザギザになると、口元に対しコンプレックスを感じる場合もあります。歯並びが綺麗とはいえず、笑ったときに歯が見えるのが気になってしまうからです。
人前で笑うことができなくなり、人前に出るのもためらってしまうようになってしまう方もいるでしょう。
しっかり噛めない
歯並びの悪さが原因で前歯がギザギザしている場合、食べ物をしっかりとかめなくなってしまいます。
食べ物をそのまま飲み込むようになり、消化不良を起こしてしまう恐れもあります。
そのまま放置していると、食べ物をしっかりとかむ習慣がなくなってしまうでしょう。
その結果、口元の筋肉・顎の骨の成長が進まないなどのトラブルに発展する可能性も高いです。
前歯がギザギザになった際の治し方
前歯がギザギザになった場合、いくつかの治療法があります。
- 研磨
- 矯正治療
- 酸蝕症の治療
下記ではこれら3つの治療法について紹介していきます。
ギザギザの前歯に悩んでいる方や治療法を知りたい方はぜひ、参考にしてみてください。
研磨
ギザギザの部分を研磨して治す方法もあります。削るのは痛いのではと思う方もいるでしょう。
しかし研磨する場所は神経血管から離れているため、痛みはほとんどありません。
なので、虫歯の治療をする際は麻酔が使われる場合もありますが、研磨は麻酔を使わずに行います。
研磨するときは他の歯と高さ・バランスを合わせながら少しずつ研磨します。
ただし、小学生は神経血管が旺盛なため、研磨中にしみる場合もあるでしょう。後ほど解説しますが、小学生のうちは歯がギザギザでも問題ありません。
ですので、よほどの理由がない限りは研磨する必要はないでしょう。
矯正治療
前歯がギザギザになった原因がかみ合わせ・歯ぎしり・食いしばりの場合、矯正治療で治します。
矯正治療は、歯の形状・位置を調整し、正常な咬合を取り戻すための治療です。歯を矯正する方法は様々あり、マウスピースなどを使った治療があります。
マウスピースにも様々なタイプがあり、奥歯のみを固定するタイプもあります。しかし歯ぎしり・食いしばりの場合はそのまま装着するタイプがおすすめです。
歯科医院に相談し、自分の歯型に合ったオリジナルのマウスピースを作成してもらいましょう。
酸蝕症の治療
酸蝕症になった場合、原因の治療から行っていきます。嘔吐が原因の場合、嘔吐の原因となっている逆流性食道炎・拒食症を解決しなくてはいけません。
飲食物が原因の場合は、食生活の見直しなどを行います。
- 酸が強い食べ物・飲み物は適度な量をとる
- 飲食後は口をゆすぐ
- よくかんで食べる
これらの対策を行うことで酸によって歯が溶けるのを防げます。すでに溶けてしまった歯は元に戻せないため、歯科医院に相談しましょう。
詰め物・かぶせものを使って審美的に治してもらえます。
前歯のギザギザを治療する費用相場
前歯のギザギザを治療する費用相場は、治療方法・患者の症状によって異なります。
詰め物・かぶせものの場合、保険適用かどうかで使われる素材が違い、保険適用の素材として、「コンポジットレジン」があります。
軽い虫歯治療でも使われるので、虫歯治療の経験がある方なら歯に充填してもらった経験があるかもしれません。
一方、見た目の違和感が少なく綺麗に仕上がることで知られているセラミックは保険適用外となるため、高額になりやすいです。
詰め物は4~8万、かぶせものは8万~18万円が相場です。矯正治療も自由診療となるため、歯科医院によって値段が異なってきます。
酸蝕症が原因の場合はフッ素などの歯を守る薬を塗って歯をコーティングし、酸で歯が溶けないようにします。
フッ素塗布治療の値段は歯科医院によって異なりますので、治療をする際に確認してみるといいでしょう。
このように、治療法によって値段が大きく異なってきます。前歯のギザギザを治す際は、どれくらいの費用がかかるのか歯科医院に相談してみましょう。
子供のギザギザ前歯はいつ頃治る?
子供のギザギザの前歯は、自然と治ります。歯の生え変わりは一気に始まるものではないため、すぐには治りません。
下の歯も生えそろい、しっかりと前歯でかめるようになっていくと徐々に削れ、平らになっていきます。
全ての歯が永久歯に変わるのは中学生の頃なので、中学生になる頃には治ると考えていいでしょう。
ギザギザの前歯は一度歯科クリニックへ
中学生の頃まではギザギザの前歯でも自然と治ります。しかし大人になると、自力でギザギザの前歯を治すのは難しいでしょう。
ギザギザの前歯で悩んでいる方や綺麗に治したいと考えている方は、歯科医院に診てもらうことがおすすめです。
歯科医は、あなたの歯の状態にあわせ最適な治療方法を提案してくれます。
編集部まとめ
子供にとっては成長の証である前歯のギザギザですが、大人になっても残っている場合は何らかのトラブルが起きている可能性が高いです。
歯並びに異常はないか・食生活は大丈夫かなど、確認してみましょう。放置していると、前歯のギザギザ以外のトラブルが出てくる可能性もあります。
気になる方は早めに歯科医院に相談へ行ってみてください。
食生活などが原因の場合、食生活・生活習慣を見直しましょう。せっかく治療してもらっても、食生活・生活習慣を変えないと再発してしまいます。
参考文献
- 前歯の先がギザギザしている|あき歯科医院
- 前歯がギザギザ?|医療法人社団皓明会 伊藤歯科医院
- 歯ぎしり・くいしばり|医療法人福涛会 平澤歯科医院
- 歯ぎしりとは?|医療法人さかの歯科
- 酸蝕歯は治療できる?|医療法人 恵優会
- 詰め物・被せ物・歯の土台の種類:保険適用と保険外に分けて解説|医療法人社団弘堂会 高田馬場駅前デンタルクリニック
- セラミックの料金・相場について|医療法人社団まる歯 渋谷宮益坂歯科
- 白い歯外来|大阪歯科大学附属病院
- 歯はいつ頃できるの?|松本協立病院
参考サイト